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2021年03月04日

『麒麟がくる』第40回―松永弾正の茶器

茶会
《令和5年9月24日更新》

皆さんこんばんは。
今回は令和2年の大河ドラマ『麒麟(きりん)がくる』第40回に関しての楽しみ方を解説したいと思います。

大河ドラマを見てみたけれど、歴史もよくわからないし、どう楽しんでいいのかわからない
歴史には興味あるけど、自分では積極的に勉強する気になれない、という方必見です!
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。

【『麒麟がくる』の楽しみ方】
・第1~2回―当時の三傑と明智家/リアルな戦の描写 ・第3~4回―美濃の情勢/織田家の状況
・第5~6回―当時の京都の情勢 ・第7~8回―尾張国内の政治情勢/当時の三河情勢
・第9~10回―土岐一族とは/織田家の血縁関係 ・第11~12回―なぜ朽木谷か?/信長家臣団の萌芽
・第13~14回―戦国最強の傭兵団/村木砦の戦い ・第15~16回―織田一族の関係性/新九郎高政の重臣たち
・第17~18回―斎藤家の血族関係/永禄元年までの織田家 ・第19~20回―足利将軍家の動き/桶狭間の戦い
・第21回―松平蔵人の親族
・『麒麟がくるまでお待ちください』第2~3回―斎藤道三二代説/前田利家の生涯
・『麒麟がくるまでお待ちください』第4回―羽柴藤吉郎の名称
・総集編第1回 ・第22回―三好氏の血縁関係
・第23回―三好氏の血縁関係(2) ・第24回―剣豪の系譜
・第25回―朝倉氏の系譜・第26回―摂関家の系譜
・第27回―会合衆とは何者か? ・第28回―摂津晴門とは何者?
・第29回―押領と何か・第30回―三淵氏の来歴
・第31回―浅井家の来歴 ・第32回―森可成とは?
・第33回―延暦寺の歴史 ・第34回―松永弾正の出自
・第35回―細川藤孝について ・第36回―足利家について(1)
・第37回―足利家について(2) ・第38回―斎藤内蔵助について
・第39回―原田備中守について


まずはあらすじ。




第40回のあらすじ


天正(てんしょう)5年(1577年)、明智十兵衛光秀(長谷川博己)、佐久間右衛門尉信盛(金子ノブアキ)らとともに本願寺(ほんがんじ)を攻めていた松永弾正久秀(吉田鋼太郎)が突如戦線から逃亡した。

織田(おだ)家は騒然となった。

(きょう)に戻った十兵衛は伊呂波太夫(いろはだゆう)(尾野真千子)から文を受け取り、太夫の下を訪れた

そこにいたのは松永久秀であった。

久秀は名器“平蜘蛛(ひらぐも)”を太夫に預け、「もし自分が死んだらこれを十兵衛に譲る」という。

久秀は前右大将織田信長(染谷将太)に謀反(むほん)を起こす気であった。

十兵衛は結局久秀の謀反を止めることができず、信長の嫡子(ちゃくし)・秋田城介信忠(井上瑞稀)を総大将とした軍に加わり、久秀の居城(きょじょう)信貴山(しぎさん)城を攻めた。

不本意ながら久秀を討伐した十兵衛は、信長に呼ばれ安土(あづち)城を訪れた。

そこで“平蜘蛛”の行方を訊かれるが、つい「知らない」と答えてしまう。

信長は羽柴筑前守秀吉(佐々木蔵之介)の忍びによる情報で、十兵衛が久秀から“平蜘蛛”を受け取っていたことを知っていたのだ。

「十兵衛が初めて嘘をついた」と不信感を覚える信長であった。

ということで、




第40回「松永久秀の平蜘蛛」の感想


面白かったです!

松永弾正久秀のイメージが一新しましたね。

松永弾正の出自を知りたい方は、下記リンクをタップしてください:
『麒麟がくる』第34回―松永弾正の出自


久秀については、このドラマが始まる前から「義輝を暗殺していない」とか「意外と忠誠心がある」とか、「東大寺(とうだいじ)は焼いていない」とか言われており、今までの「梟雄(きょうゆう)」のイメージから脱却し始めていました。

その流れもあり、僕の中ではこのドラマでかなり「悪人」のイメージが払拭(ふっしょく)されました。
(ちょっと寂しい気はしますがw)


関連記事
『麒麟がくる』第23回―三好氏の血縁関係(2)

関連記事
『麒麟がくる』第24回ー剣豪の系譜


今回の裏切りの理由も「原田直政亡き後、信長が宿敵・筒井順慶を大和守護(やまと・しゅご)に任命したから」ということで辻褄があっており、理不尽な梟雄然とした理由ではありませんでしたねw

関連記事
『麒麟がくる』第39回―原田備中守について

ただ、十兵衛に平蜘蛛を託すエピソードは若干不自然でしたが、本能寺(ほんのうじ)の変への布石(ふせき)という意味ではなしではないかなと思いました。

あとは、羽柴秀吉が忍びを放って十兵衛と久秀の会見を知っていた、という話は『信長協奏曲』の影響を感じましたw




第40回の楽しみ方―松永弾正の茶器―


今回はやはり“平蜘蛛”が大きくフィーチャーされていたので、松永弾正久秀が所有した茶器(ちゃき)の来歴と、その行方について書きたいと思います。

まずは、松永弾正が前右大将織田信長への降服の印として差し出した「九十九髪茄子(つくもがみなす)についてです。

関連記事
『麒麟がくる』第28回―摂津晴門とは何者?

これは高さ6cm、幅(最長部の直径)7cmほどの小さな茶入(ちゃいれ)(※)で、元々は3代将軍・太政大臣〔相国〕足利義満が所有していました。
※「茶入」とは、抹茶を入れる器のことです。

関連記事
『麒麟がくる』第37回―足利家について(2)

相国義満がどうやってこれを手に入れたのかはわかりません。

彼は日明(にち・みん)貿易に力を入れていたので、その一端として手に入れたのかもしれません。
※「九十九髪茄子」は宋(そう)や元(げん)の時代に中国で作られたものだと言います。

その後は将軍家に代々伝承され、8代将軍・左大臣義政の時代に山名宗全の子で山城(やましろ)・安芸(あき)・備後(びんご)守護であった山名近江守是豊に下されたと言います。

そして、伊佐宋雲という人物を経て、越前朝倉(えちぜん・あさくら)家の重鎮であった朝倉宗滴の手に渡ったそうです。
※宗滴は朝倉左衛門督義景の大伯父に当たります。

関連記事(越前朝倉家の略系図を載せています):
『麒麟がくる』第25回―朝倉氏の系譜

しかし宗滴はこの九十九髪茄子を質入れしてしまい、それが流れて松永弾正が購入したそうです。

本能寺の変の時には前右大将信長とともに本能寺にあり、罹災(りさい)しています。

関連記事
本能寺の変に学ぶ―覚悟を決める

本能寺から焼け出された後は羽柴筑前守秀吉を経て刑部卿有馬則頼の手に渡ります。

その後、再び豊臣(とよとみ)家の下に戻り、大坂(おおさか)の陣の後は大御所(おおごしょ)徳川家康を経て藤重(ふじしげ)家に伝わり、明治には三菱財閥(みつびし・ざいばつ)の2代目当主・岩崎弥之助の手に渡り、現代に至ります。


そして次は今回話題になった平蜘蛛についてです。

正式名は「古天明平蜘蛛(こてんみょうひらぐも)と言います。

お茶を点(た)てるための湯を沸かす茶釜(ちゃがま)で、その平たい蜘蛛のような形状から“平蜘蛛”と名付けられたそうですが、来歴はよくわかりません。

松永弾正がいつの間にかもっていて、通説では大和(やまと)・信貴山城にて弾正と運命を共にしたと言われています。

しかし一説によると、元三好(みよし)家臣の多羅尾(たらお)家の人物と思われる多羅尾光信が信貴山城の焼け跡からかけらを掘り出して復元したとも言います。

また、別の説によると平蜘蛛は信貴山城落城前に松永弾正と親交のあった柳生(やぎゅう)家の一族・柳生重厳なる人物の手に渡ったとも言われています。

平蜘蛛は九十九髪茄子のようにはっきりと行方が分かっておらず、現在も「平蜘蛛」とされる茶釜は存在しますが、本物だという確証はないようです。

関連記事
『麒麟がくる』第24回ー剣豪の系譜

こんな感じで、ドラマの背景にある知識が分かるとドラマをもっと楽しめます!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

以下もご覧ください!

※トップ画像はイメージです。

○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・明智〔惟任〕 日向守〔通称は十兵衛〕 源〔大神〕 朝臣 光秀
あけち〔これとう〕 ひゅうがのかみ〔通称はじゅうべえ〕 みなもと〔おおが〕 の あそん みつひで
・佐久間 右衛門尉〔通称不明〕 平 朝臣 信盛
さくま うえもんのじょう〔通称不明〕 たいら の あそん のぶもり
・松永 弾正忠〔または弾正少弼。通称は不明〕 紀〔源?藤原?〕 朝臣 久秀
まつなが だんじょうのじょう〔またはだんじょうのしょうひつ。通称は不明〕 き〔みなもと?ふじわら?〕 の あそん ひさひで
・織田 前権大納言兼前右近衛大将〔通称は三郎〕 平〔藤原、忌部〕 朝臣 信長
おだ さきのごんのだいなごんけんさきのうこんえのだいしょう〔通称はさぶろう〕 たいら〔ふじわら、いんべ〕 の あそん のぶなが
・織田 秋田城介〔通称は勘九郎〕 平〔藤原、忌部〕 朝臣 信忠〔信重〕
おだ あきたじょうのすけ〔通称はかんくろう〕 たいら〔ふじわら、いんべ〕 の あそん のぶただ〔のぶしげ〕
・羽柴〔木下〕 筑前守〔通称は藤吉郎〕 平〔豊臣〕 朝臣 秀吉
はしば〔きのした〕 ちくぜんのかみ〔通称はとうきちろう〕 たいら〔とよとみ〕 の あそん ひでよし
・征夷大将軍〔将軍家〕 足利 左近衛中将〔略称「左中将」。通称不明〕 源 朝臣 義輝〔義藤〕
せいいたいしょうぐん〔しょうぐんけ〕 あしかが さこんえのちゅうじょう〔略称「さちゅうじょう」。通称不明〕 みなもと の あそん よしてる〔よしふじ〕
・原田〔塙〕 備中守〔通称は九郎左衛門〕 大蔵〔平?源?〕 朝臣 直政〔正勝、重友〕
はらだ〔ばん〕 びっちゅうのかみ〔通称はくろうざえもん〕 おおくら〔たいら?みなもと?〕 の あそん なおまさ〔まさかつ、しげとも〕
・征夷大将軍〔将軍家〕 足利 太政大臣〔略称「相国」。通称不明〕 源 朝臣 義満〔入道道義〕
せいいたいしょうぐん〔しょうぐんけ〕 あしかが だじょうだいじん〔略称「しょうこく」。通称不明〕 みなもと の あそん よしみつ〔入道どうぎ〕
・征夷大将軍〔将軍家〕 足利 左大臣〔略称「左府」。通称不明〕 源 朝臣 義政〔義成〕
せいいたいしょうぐん〔しょうぐんけ〕 あしかが さだいじん〔略称「さふ」。通称不明〕 みなもと の あそん よしまさ〔よししげ〕
・山名 右衛門督〔通称は小次郎〕 源 朝臣 持豊〔入道宗全〕
やまな うえもんのかみ〔通称はこじろう〕 みなもと の あそん もちとよ〔入道そうぜん〕
・山名 近江守〔通称不明〕 源 朝臣 是豊
やまな おうみのかみ〔通称不明〕 みなもと の あそん これとよ
・伊佐 (官職・通称不明) (氏不明) (諱不明。宋雲)
いさ (官職・通称不明) (氏不明) (諱不明。そううん)
・朝倉 太郎左衛門尉 日下部 教景〔入道宗滴〕
あさくら たろうざえもんのじょう くさかべ の のりかげ〔入道そうてき〕
・朝倉 左衛門督〔通称は孫次郎〕 日下部 朝臣 義景
あさくら さえもんのかみ〔通称はまごじろう〕 くさかべ の あそん よしかげ
・有馬 刑部卿〔通称は源次郎〕 源 朝臣 則頼
ありま ぎょうぶきょう〔通称はげんじろう〕 みなもと の あそん のりより
・征夷大将軍〔将軍家〕 徳川 太政大臣〔通称は次郎三郎〕 源 朝臣 家康
せいいたいしょうぐん〔しょうぐんけ〕 とくがわ だじょうだいじん〔通称はじろうさぶろう〕 みなもと の あそん いえやす
・岩崎 弥之助 源 (諱不明)
いわさき やのすけ みなもと の (諱不明)
・多羅尾 (官職・通称不明) (氏不明) 光信
たらお (官職・通称不明) (氏不明) みつのぶ
・柳生 七郎左衛門 菅原 重厳〔松吟庵〕
やぎゅう しちろうざえもん すがわら の しげよし〔しょうぎんあん〕
☆武家の「通称」の普及を切に願います!

参考
ゆーくんはどこ?
歴史上の偉人、有名人と子孫の大百科
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Posted by 鷲谷 城州 at 20:00│Comments(0)テレビ
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