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2020年04月14日

大河ドラマを楽しむ方法(5)(『麒麟がくる』第9~10回)

春日山城


皆さんこんばんは。
今回は今年の大河ドラマ『麒麟がくる』第9~10回)に関しての楽しみ方を解説したいと思います。

大河ドラマを見てみたけれど、歴史もよくわからないし、どう楽しんでいいのかわからない
歴史には興味あるけど、自分では積極的に勉強する気になれない、という方必見です!

まずはあらすじ。

織田信長(染谷将太)との祝言のため那古野城にて控えていた帰蝶(川口春奈)だが、信長は一向に現れない。

夜が明けて、戻ってきた信長はボロボロの服装で、池にいた化け物退治に行っていたという。

信長と帰蝶は末盛城を訪れ、父信秀(高橋克典)に伺候した。

信長は父へ、祝いの品ということである箱を渡した。

その箱の中身は三河岡崎城主、松平広忠(浅利陽介)の首であった。

その首を見て、「今は今川と戦をする時機ではない」と激怒する信秀に、信長は悔し涙を流した

一方の明智十兵衛(長谷川博己)は米を運ぶため妻木城を訪れていた。

そこには幼馴染で妻木氏の娘である煕子(木村文乃)がおり、幼いころの美しい思い出を思い出すのであった。

三河安城城を落とした今川勢は城将織田信広(佐野泰臣)を生け捕りにした。信広は信長の異母兄で、今川勢は信広と、松平家の御曹司竹千代(岩田琉聖)との交換を要求してきた。

竹千代が今川方の手に渡ったら松平氏が完全に今川方に属することになり、そうなったら一大事。

斎藤山城守利政(本木雅弘)の命で十兵衛は尾張に向かった

那古野城にて信長と将棋を打つ竹千代。
信広と竹千代の人質交換の提案に揺れる織田家であったが、竹千代は敵方である今川家に人質に行き、敵の様子を具に見てきたいと信長に申し出るのであった。

ということで、


<第9回「信長の失敗」の感想>


松平(次郎三郎)広忠の首が出てきたときはビビりましたね

広忠一行が駿府からの帰り道で襲われたシーンが描かれたことと、信長が信秀に、首級を入れる箱を差し出したことで何となく察しはつきましたが、生々しいですね。

ちなみに広忠の死因として有力な説としては、岡崎にて家臣の岩松八弥に暗殺された説・病死説などがあり、駿府からの帰路で襲われたという説はメジャーではありません。
(岩松八弥は織田方の国人佐久間氏からの刺客だった、という説もあります)

<第9回の楽しみ方―土岐一族とは―>


物語中で「明智氏は土岐氏の一族」とか、「妻木は明智と同じ土岐氏の一族」とかいうセリフが出てくる割に土岐一族に関する説明がないので、ここで説明させていただこうと思います。

そもそも「土岐氏」とは何者か。

平安時代に酒呑童子退治で有名な左馬権頭(さまごんのかみ)源頼光の子、美濃守源頼国が美濃に土着したことに始まると言われています。

その後、頼国の子孫である土岐左衛門尉(さえもんのじょう)光衡(みつひら)が源頼朝の御家人となり、活躍します。

鎌倉末期~南北朝時代にかけては終始将軍家足利尊氏・義詮に味方し、美濃守護に任命されます。

土岐氏はその過程で一族を美濃各地に土着させていき、美濃での地盤を形成していきます。

主な土着勢力としては、
・浅野氏(羽柴家臣浅野弾正長政の一族)
・明智氏
・金森氏(飛騨高山領主・金森兵部長近の一族)
・蜂屋氏(信長の側近蜂屋侍従頼隆の一族)

・妻木氏
などがおり、女系としては漫画『センゴク』で有名な仙石越前守秀久がおり、甲斐に土着した馬場美濃守信春も土岐源氏の一族です。

まぁ、現代的な感覚でいうと地元で力をもっていて、代々国会議員とか地方議員を輩出している政治家一族、といったニュアンスですかね。

この一族は家紋にちなんだ「桔梗一揆」という一団を形成することによって、一族の結びつきを強めていった時期があります。

その名残として物語中で十兵衛の母が「明智は土岐の一族」とこだわったり、「妻木は同じ土岐の一族」と強調するわけですね。

↓土岐氏略系図(クリックで拡大します)
土岐氏略系図


※妻木氏・馬場氏(教来石氏)のつながりは不明

<第10回「ひとりぼっちの若君」の感想>


駒のパートはげんなりしますね。

前回も書いた気がしますが、そのドラマのテーマが「恋愛」であれば全く文句ないのですが、揺れ動く「美濃・尾張情勢」と「一人の少女の淡い恋心」の二つはスケールが違いすぎて全く面白くないです。

これだけ駒の「淡い恋心」に時間を使っているのだから、十兵衛の人生に大きな影響を与える人物として描かないとバランスが取れません。

しかし、今のスケール感からするとそれほどの影響力のある人物とは全く思えません。

たぶん、NHKのえらい人から「現代の一般人的な視点をもった人物を一人登場させて」と言われてるんでしょうね。
つまんないからやめてください

竹千代(のちの徳川次郎三郎家康)を賢く描いているのはいいですね!
家康ファンとしてはたまらないです。

ただ、家康はどちらかというと将棋よりも囲碁が上手な人だったと記憶しています。

そこは敢えて今までのイメージに挑戦してるということでしょうか?
「先読み」という意味では将棋も囲碁も同じですが、戦国時代の戦はどちらかというと囲碁的なのですがね。

あと、他のブログの皆さんこぞって「徳川家康は太原雪斎に教えを受けた」というようなことを書かれていますが、それは小説家山岡荘八氏の『徳川家康』に登場するエピソードだったり、小和田哲男氏何の客観的証拠もなく主張している説なので、本当かどうか結構疑わしい説なんですよ。
(小和田氏は一次史料的に立証できていないことをさも本当のことかのように主張することがあり、結構疑わしいです)

その辺は誤解なきように。

あと、安城城は「安祥城」という記述の方が一般的です。

※信長の弟の勘十郎信勝については、今までは「信行」という諱の方が一般的だったのですが、実は同時代史料では「信勝」と記述されているので、そういった最新の学説を取り入れている点は素晴らしいです。

<第10回の楽しみ方―織田家の血縁関係―>


今回言及しようと思うのは織田家の血縁関係についてです。

漠然と織田弾正忠信秀の嫡男は三郎信長、その同母弟は勘十郎信勝(信行)、みたいなイメージはあると思うのですが、そのほかの人物はあまり知られていないのでちょっと説明しましょう

この時代の戦国大名たちの行動としては割と一般的なのですが、織田弾正忠家は、一族を要所要所に配置する、というやり方がとてもうまいです。

↓織田弾正忠家略系図(大河ドラマに登場した人物には色がついており、赤字はすでに死亡。青字は現役で活躍中の人物です)
織田弾正忠家略系図


まずは弾正忠信秀のすぐ下の弟・与次郎信康
彼は古渡城の北に位置する伊勢守家(岩倉織田家)織田伊勢守信安に対する補佐の意味で、さらに北方犬山城に配されました。

これは当時敵対していた斎藤山城守を擁する稲葉山城に対しての抑えという意味もあったと思われます。

次の弟・孫三郎信光は北東の守山城に配されました。
これは岩崎城の丹羽氏(丹羽五郎左衛門長秀の丹羽氏と別流)が抜かれたときに、三河方面の前線になります。
(実際に、徳川次郎三郎家康の祖父・松平次郎三郎清康は守山城を攻めています)

次の弟・四郎次郎信実の配置は不明。

末弟・右衛門尉信次は西方の深田城をまかされています。
これは、先ほどの岩倉城とともに、対立していた大和守家織田彦五郎信友の清州城を挟む形になっています。

続いては、弾正忠信秀の子供たちの配置。

まず嫡男三郎信長が生まれると、弾正忠はかなり早いうちに那古野城を譲っています。
これは、先ほどの岩倉城・深田城と合わせて三方から清州城を囲む形を作っています。

その後大河ドラマの第2回で描かれた「加納口の戦い」で弟・与次郎信康が討ち死にしてしまったため、犬山城にはその息子・下野守信清を入れます。

ですが、下野守は弾正忠に反抗的で、対立勢力となっていきます。
(令和2年5月18日加筆)

天文17(1548)年には自身が那古野城の東方・末盛城に移りますが、こちらも岩崎城の丹羽氏が抜かれた場合に守山城と並んで防衛線を作る城です。

そして庶長子(正室の子ではない長男)三郎五郎信広を安祥城に配置します。
これは見ての通り松平氏の岡崎城と相対しており、最前線中の最前線、最も危険な城と言えます。

↓那古野城周辺図(青字は織田弾正忠方。赤字は敵対勢力)
※クリックで拡大されます。
天文18年ごろの那古野城周辺の勢力図


地図を見ると、三郎五郎信広の安祥城(大河中では「安城城」)がどれだけ危ない城で、岡崎城を攻めるうえでの重要度が高かったことがわかると思います。

こんな風に、ドラマの背景にある知識が分かるとドラマをもっと楽しめます!

まだまだ説明したいことはたくさんありますが、今回は以上です!

※トップ画像はイメージです。

○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・織田 三郎 平(藤原、忌部) 信長
・織田 弾正忠(通称は三郎) 藤原(忌部) 朝臣 信秀
・松平 次郎三郎 源 広忠
・明智 十兵衛 源 光秀
・織田 三郎五郎 藤原(忌部) 信広
・斎藤 山城守(通称は新九郎) 藤原 朝臣 利政(道三。他多数)
(長井 新九郎 藤原 規秀)
・左馬権頭(通称不明) 源 朝臣 頼光
・美濃守(通称不明) 源 朝臣 頼国
・土岐 左衛門尉(通称は三郎) 源 朝臣 光衡
・征夷大将軍(将軍家) 右近衛大将(通称は三郎) 源 朝臣 頼朝
・征夷大将軍(将軍家) 足利 権大納言(通称は又太郎) 源 朝臣 尊氏(高氏)
・征夷大将軍(将軍家) 足利 権大納言(通称不明) 源 朝臣 義詮
・浅野 弾正少弼(侍従。通称は弥兵衛)
・金森 兵部卿(飛騨守。通称は五郎八) 源 朝臣 長近(可近)
・蜂屋 侍従(通称は兵庫頭?) 源 朝臣 頼隆
・仙石 越前守(通称は権兵衛) 源 朝臣 秀久
・馬場 美濃守(通称は民部少輔?) 源 朝臣 信春(信房)
・土岐 左京大夫(通称不明) 源 朝臣 成頼
・土岐 美濃守(通称不明) 源 朝臣 政房
・土岐 修理大夫(通称は次郎) 源 朝臣 頼武
・土岐 美濃守(通称不明。左京大夫) 源 朝臣 頼芸
・土岐 次郎 源 頼純
・織田 勘十郎 藤原(忌部) 信勝(信行)
・織田 与次郎 藤原(忌部) 信康
・織田 伊勢守(通称は三郎、七郎兵衛尉) 藤原(忌部) 朝臣 信安
・織田 孫三郎 藤原(忌部) 信光
・丹羽 五郎左衛門 良岑 長秀
・徳川 次郎三郎 源(藤原) 家康
・松平 次郎三郎 源(藤原) 清康
・織田 四郎次郎 藤原(忌部) 信実
・織田 右衛門尉(通称は孫十郎) 藤原(忌部) 朝臣 信次
・織田 彦五郎 藤原(忌部) 信友
・織田 下野守(通称は十郎左衛門) 藤原(忌部) 信清
☆武家の「通称」の普及を切に願います!

↓戦国時代のイメージが身についてきたなと思ったら下記リンクのドラマガイドなどでドラマの内容を復習してみてください!



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参考
第9回
シネマの万華鏡
ぴえーるのテレビブログ
わたしじかん
第10回
ゆーくんはどこ?
2020、映像メディアは死んだ ~ テレビドラマ・映画・Web動画をめぐって
ぴえーるのテレビブログ

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次回は『メン・イン・ブラック』について 。

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Posted by Sosuke Washiya at 21:00│Comments(0)テレビ
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