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2020年11月20日

『麒麟がくる』第27回―「会合衆」とは何者か?

茶道 茶道具
《令和6年1月3日更新》

皆さんこんばんは。
今回は今年の大河ドラマ『麒麟(きりん)がくる』第27回に関しての楽しみ方を解説したいと思います。

大河ドラマを見てみたけれど、歴史もよくわからないし、どう楽しんでいいのかわからない
歴史には興味あるけど、自分では積極的に勉強する気になれない、という方必見です!
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。

【『麒麟がくる』の楽しみ方】
・第1~2回―当時の三傑と明智家/リアルな戦の描写 ・第3~4回―美濃の情勢/織田家の状況
・第5~6回―当時の京都の情勢 ・第7~8回―尾張国内の政治情勢/当時の三河情勢
・第9~10回―土岐一族とは/織田家の血縁関係 ・第11~12回―なぜ朽木谷か?/信長家臣団の萌芽
・第13~14回―戦国最強の傭兵団/村木砦の戦い ・第15~16回―織田一族の関係性/新九郎高政の重臣たち
・第17~18回―斎藤家の血族関係/永禄元年までの織田家 ・第19~20回―足利将軍家の動き/桶狭間の戦い
・第21回―松平蔵人の親族
・『麒麟がくるまでお待ちください』第2~3回―斎藤道三二代説/前田利家の生涯
・『麒麟がくるまでお待ちください』第4回―羽柴藤吉郎の名称
・総集編第1回 ・第22回―三好氏の血縁関係
・第23回―三好氏の血縁関係(2) ・第24回―剣豪の系譜
・第25回―朝倉氏の系譜・第26回―摂関家の系譜


まずはあらすじ。



第27回のあらすじ


明智十兵衛光秀(長谷川博己)の導きで美濃(みの)に入った足利左馬頭義昭(滝藤賢一)。

織田尾張守信長(染谷将太)は義昭を歓迎し、軍資金1千貫を献上するも、それを見て「どれだけ貧しい民を救えるか」とつぶやく義昭の武家の棟梁(とうりょう)としての資質に不安を抱くのであった。

信長は十兵衛に、京都(きょうと)の様子を見てくるように命じた。

京都についた十兵衛は、先行していた木下藤吉郎秀吉(佐々木蔵之介)と合流する。

京都での義昭の評判を探るべく、十兵衛は駒(こま)(門脇麦)、伊呂波太夫(いろはだゆう)(尾野真千子)を伝って探りを入れ、堺(さかい)の豪商(ごうしょう)今井宗久(陣内孝則)に会うこととなった。

宗久は、京都と堺の安寧を願っていた。
三好(みよし)一派を援助してはいたが、それは京都と堺の平穏のため。

織田信長ら一党が鎧兜をつけずに上洛(じょうらく)するのなら、三好支持を止めると約束する宗久であった。

岐阜(ぎふ)に戻った十兵衛はこのことを信長と家臣団に話すが、家臣団の反発に遭う。

そこで信長は、義昭に判断をゆだねた。

義昭は、鎧兜をつけずに上洛するという。

こうして織田(おだ)家の面々は南近江(みなみ・おうみ)の六角(ろっかく)氏を打ち破り、三好一派は京都を去り、武装を解いて上洛することで宗久との約束を守ったのであった。

ということで、


第27回「宗久の約束」の感想


嵐の前の静けさですね。

信長包囲網の盛り上がりに向けての助走という感じですかね?


「信長包囲網」に興味のある方は、下記リンクをタップしてください:
『麒麟がくる』第23回―三好氏の血縁関係(2)

同関連記事:
小谷城の合戦―「言葉」ではなく「行動」を注視せよ

同関連記事:
叡山焼き討ち―問題が山積みのときの対処法


ただ、「1千貫」くだりでの義昭のつぶやきに対する信長の反応など、後の対立の伏線になるのかなと思いました。

あとは、やはり秀吉を見ていると楽しいですね。
なんだかんだ言って、明るくて上り調子の人を見ているとこちらも元気をもらえる気がしますね。

そして、仲のよさそうな十兵衛と秀吉を見るとほっとしますw




第27回の楽しみ方―「会合衆」とは何者か?―


ドラマでは今井宗久が登場したので堺の「会合衆」がちらほら登場し始めると思うのですが、今回はその「会合衆」について説明したいと思います。

「会合衆」は「えごうしゅう」または「かいごうしゅう」と読み、簡単に言うと町を運営する議会みたいなものです。
※ただし、メンバーは選挙で選ばれるわけではありません。

戦国(せんごく)時代は堺だけでなく博多(はかた)や伊勢(いせ)の山田(やまだ)、果ては山奥の村にさえ自治組織が生まれていますが、それはおそらく守護大名(しゅご・だいみょう)や将軍(しょうぐん)による統治力が弱くなったため、自衛も含めた自主運営をする必要が出てきたのでしょうね。
※「会合衆」は都市の自治組織のことを言います。

堺の会合衆は有力商人たちにより構成されており、ドラマで描かれたように大名のスポンサーとなったり武器を売ったりするなど、強大な力をもっていました。

ここで、会合衆と思われるメンバーを簡単に説明したいと思います。
※このメンバーが会合衆だ!という確実な史料はないようです。

・高三隆達(たかさぶ りゅうたつ)
薬種問屋(やくしゅどんや)。12世紀に宋(そう)から渡来した劉(りゅう)氏の子孫と言われています。
小歌「隆達節(りゅうたつぶし)」の創始者として有名です。

・塩屋宗悦(えんや そうえつ)
茶人。武野紹鴎の弟子。
多くの名物を所有し、元亀(げんき)3年(1572年)に織田尾張守が妙覚寺(みょうかくじ)で開いた茶会に招待されたそうです。

・千宗易(せん の そうえき)
納屋衆(なやしゅう)〔倉庫業〕、茶人。
「千利休」の名前で有名。
もともとは田中与四郎と言い、清和源氏新田氏族(せいわ・げんじ・にったしぞく)の田中(たなか)家の流れであるといいます。

織田尾張守、豊太閤(ほうたいこう)秀吉に重用されますが、豊太閤に切腹を命じられて生涯を終えます。
茶道の「三千家(さんせんけ)」の祖。

・松江隆仙(まつえ りゅうせん)
織田尾張守の妙覚寺茶会に招待されているが、詳細は不明。

・油屋常琢(あぶらや じょうたく)
油屋を営んでいたため「油屋」と呼ばれたが、本来の名字は「伊達(だて)」だと言います。
天正(てんしょう)10年(1582年)の本能寺(ほんのうじ)の変勃発時、妙国寺(みょうこくじ)に宿泊していた徳川権右少将家康の堺脱出の手助けをしたと言います。

本能寺の変関連の記事:
本能寺の変に学ぶ―覚悟を決める

・茜屋宗佐(あかねや そうさ)
輸入雑貨商。通称は太郎右衛門。「吉松」という名があるが、幼名(ようみょう)なのか諱(いみな)なのか不明です。
武野紹鴎の弟子で、名物茶器を所有していたと言われています。

・山上宗二(やまのうえ そうじ)
茶人で武野紹鴎の弟子です。石川(いしかわ)氏の出だそうです。
彼は口が悪かったため豊太閤の怒りを買い、関東(かんとう)に追放されて北条(ほうじょう)家に仕えます。
北条家滅亡後は利休のとりなしで豊太閤と面会するも、旧主・北条幻庵への義理立てにより再び豊太閤の怒りを買い、耳・鼻を削がれて打ち首に処されたと言います。

北条家関連の記事:
小田原征伐に学ぶ―相手に口実を与えない

・紅屋宗陽(べにや そうよう)
会合衆の中でも有力者でしたが、永禄(えいろく)12年(1569年)の織田尾張守の2万貫の矢銭(やせん=軍事費のこと)要求に反抗します。

今井宗久の説得により尾張守に謝罪し、後は尾張守との交流を深めていきます。

・今井宗久(いまい そうきゅう)
近江源氏佐々木氏族(おうみ・げんじ・ささきしぞく)の今井(いまい)家の出と言います。

武野紹鴎の娘婿となり、茶人・商人として大成。将軍家(しょうぐんけ)・足利義昭に近侍(きんじ)し、松永弾正久秀(吉田鋼太郎)のとりなしで早いうちから織田尾張守に協力します。

本能寺の変後は豊太閤に御咄衆(おはなししゅう)として仕え、天下一の商人となります。

・津田宗及(つだ そうぎゅう)
会合衆一の豪商で、武野紹鴎の弟子。
初め三好三人衆を支持しますが、妙覚寺茶会の頃には織田尾張守に接近。
本能寺の変後も豊太閤に重用され栄華を極めますが、慶長(けいちょう)5年(1600年)の関ヶ原(せきがはら)の戦いでは西軍を支持し、衰退します。

関ヶ原の戦いについての記事:
関ヶ原の戦いに学ぶ―相手に納得感を与える

参考サイト:
三好家武将名鑑

今のところ『麒麟がくる』には今井宗久しか出てきておりませんが、千利休は確実に出てくると思われますし、津田宗及や他の会合衆も登場するかもしれませんね。

こんな風に、ドラマの背景にある知識が分かるとドラマをもっと楽しめます!

というわけでまだまだ説明したいことはたくさんありますが、今回は以上です!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

以下もご覧ください!

※トップ画像はイメージです。

○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・明智 十兵衛 源 光秀
あけち じゅうべえ みなもと の みつひで
・足利 左馬頭〔通称不明〕 源 朝臣 義昭〔義秋、一乗院覚慶〕
あしかが さまのかみ〔通称不明〕 みなもと の あそん よしあき〔よしあき、いちじょういんかくけい〕
・織田 尾張守〔通称は三郎〕 平〔藤原、忌部〕 朝臣 信長
おだ おわりのかみ〔通称はさぶろう〕 たいら〔ふじわら、いんべ〕 の あそん のぶなが
・木下 藤吉郎 (氏不明。のち平、豊臣) 秀吉
きのした とうきちろう (氏不明。のちたいら、とよとみ の) ひでよし
・今井 彦八郎〔彦右衛門〕 源 兼員〔久秀。号宗久〕
いまい ひこはちろう〔ひこうえもん〕 みなもと の かねかず?〔ひさひで。号そうきゅう〕
・高三 (通称不明) 劉? (諱不明)〔号隆達〕
たかさぶ (通称不明) りゅう? の (諱不明)〔号りゅうたつ〕
・塩屋 (通称不明) (氏不明) (諱不明)〔号宗悦〕
えんや (通称不明) (氏不明) (諱不明)〔号そうえつ〕
・武野〔武田〕 新五郎 源 仲材〔号紹鴎〕
たけの〔たけだ〕 しんごろう みなもと の なかき?〔号じょうおう〕
・田中〔千〕 与四郎 源 (諱不明)〔号宗易。利休居士〕
たなか〔せん〕 よしろう みなもと の (諱不明)〔号そうえき。りきゅうこじ〕
・松江 (通称不明) (氏不明) (諱不明)〔号隆仙〕
まつえ (通称不明) (氏不明) (諱不明)〔号りゅうせん〕
・伊達〔油屋〕 (通称不明) (氏不明。藤原?) (諱不明)〔号常琢〕
だて〔あぶらや〕 (通称不明) (氏不明。ふじわら の?) (諱不明)〔号じょうたく〕
・茜屋 太郎右衛門 (氏不明) 吉松〔幼名?号宗佐〕
あかねや たろううえもん (氏不明) よしまつ?〔幼名?号そうさ〕
・石川〔山上〕 (通称不明) (氏不明。源?) (諱不明)〔号宗二〕
いしかわ〔やまのうえ〕 (通称不明) (氏不明。みなもと の?) (諱不明)〔号そうじ〕
・紅屋 (通称不明) (氏不明) (諱不明)〔号宗陽〕
べにや (通称不明) (氏不明) (諱不明)〔号そうよう〕
・松永 弾正忠〔または弾正少弼。通称は不明〕 紀?〔藤原?源?〕 朝臣 久秀
まつなが だんじょうのじょう〔またはだんじょうのしょうひつ。通称は不明〕 き?(ふじわら?みなもと?) の あそん ひさひで
・津田 (通称不明) (氏不明) (諱不明)〔号宗及〕
つだ (通称不明) (氏不明) (諱不明)〔号そうぎゅう〕
☆武家の「通称」の普及を切に願います!

参考
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※筆者が中学生の時に作詞・高校生の時に作曲した曲を平成22年に自作RPGのBGM用に再アレンジしたものです。






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Posted by 鷲谷 城州 at 20:00│Comments(0)テレビ
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