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2021年02月12日

『麒麟がくる』第37回―足利家について(2)

二条城
《令和5年11月5日更新》

皆さんこんばんは。
今回は令和2年の大河ドラマ『麒麟(きりん)がくる』第37回に関しての楽しみ方を解説したいと思います。

大河ドラマを見てみたけれど、歴史もよくわからないし、どう楽しんでいいのかわからない
歴史には興味あるけど、自分では積極的に勉強する気になれない、という方必見です!
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。

【『麒麟がくる』の楽しみ方】
・第1~2回―当時の三傑と明智家/リアルな戦の描写 ・第3~4回―美濃の情勢/織田家の状況
・第5~6回―当時の京都の情勢 ・第7~8回―尾張国内の政治情勢/当時の三河情勢
・第9~10回―土岐一族とは/織田家の血縁関係 ・第11~12回―なぜ朽木谷か?/信長家臣団の萌芽
・第13~14回―戦国最強の傭兵団/村木砦の戦い ・第15~16回―織田一族の関係性/新九郎高政の重臣たち
・第17~18回―斎藤家の血族関係/永禄元年までの織田家 ・第19~20回―足利将軍家の動き/桶狭間の戦い
・第21回―松平蔵人の親族
・『麒麟がくるまでお待ちください』第2~3回―斎藤道三二代説/前田利家の生涯
・『麒麟がくるまでお待ちください』第4回―羽柴藤吉郎の名称
・総集編第1回 ・第22回―三好氏の血縁関係
・第23回―三好氏の血縁関係(2) ・第24回―剣豪の系譜
・第25回―朝倉氏の系譜・第26回―摂関家の系譜
・第27回―会合衆とは何者か? ・第28回―摂津晴門とは何者?
・第29回―押領と何か・第30回―三淵氏の来歴
・第31回―浅井家の来歴 ・第32回―森可成とは?
・第33回―延暦寺の歴史 ・第34回―松永弾正の出自
・第35回―細川藤孝について ・第36回―足利家について(1)


まずはあらすじ。



第37回のあらすじ


元亀(げんき)4年(1572年)、山城国(やましろのくに)・槙島(まきしま)城にて挙兵(きょへい)した将軍家・足利権大納言義昭(滝藤賢一)は木下藤吉郎秀吉(佐々木蔵之介)に敗退し、捕らえられた。

三淵弾正左衛門尉藤英(谷原章介)も捉えられ、織田(おだ)家に内通していた弟・細川兵部大輔藤孝とともに織田家の将として、三好三人衆(みよし・さんにんしゅう)の一人である岩成主税助友通の籠る淀(よど)城を攻めることとなった。

明智十兵衛光秀は、岐阜(ぎふ)に戻っていた織田弾正大弼信長(染谷将太)に会い、武田信玄(石橋凌)が病死した可能性を告げた。
信長は、今まで将軍家の役割だった改元の言上(ごんじょう)をし、朝廷から下った元号の候補を吟味しているところだった。

武田信玄の病死を知った信長は、目の上のたんこぶだった朝倉(あさくら)家・浅井(あざい)家攻めを敢行し、両家を滅亡に追いやった。
両家や武田信玄に手紙を送り扇動していた足利義昭を備後(びんご)へ追放し、大和(やまと)の松永弾正久秀(吉田鋼太郎)も降服してきた。

畿内(きない)には敵のいなくなった信長は、特別な者しか見ることを許されない香木(こうぼく)「蘭奢待(らんじゃたい)」の拝観、切り取りを所望するのであった。

ということで、




第37回「信長公と蘭奢待」の感想


色々な意味で事態がエクストリーム〔=極〕に向かっていく様子が描かれ、面白かったです!

そんな中、足利義昭が追放された様子は惨めでしたね。
信長とうまくいかなくなってどんどんおかしくなってはいましたが、はだしで歩いていく様子は惨めでした。

そして朝倉家・浅井家攻めが一瞬で終わってしまいましたねw

ただ、朝倉式部大輔景鏡(手塚とおる)の裏切りが描かれたのはよかったかなと思います。
(ベロを出すのはやりすぎという気はしましたが、全体的にはよかったです)


一乗谷城の戦いについてもっと知りたい方は、下記リンクをタップしてください:
一乗谷城の合戦に学ぶ―決断しないことで状況は悪化する

関連記事:
小谷城の合戦―「言葉」ではなく「行動」を注視せよ


その後の信長が「天正(てんしょう)の元号を選ぶシーン。
信長がおかしくなり始めましたね。
いや、最初からおかしかったのですが、有頂天になって天狗になりつつある様子が描写されており、劇としてうまいと感じました。

※平成31年(令和元年)の大河ドラマ『いだてん』は伏線が複雑すぎてあまりウケなかったようですが(僕は個人的には好きでしたが)、『麒麟がくる』くらいわかりやすい伏線の方がいいのかもしれませんね。

関連記事:
最終回は泣きました(『いだてん』第47回)

「蘭奢待」のエピソードも、信長が天狗になっているという通説通りの解釈で使われましたね。

※ちなみに僕が「蘭奢待」のエピソードを知ったのは『信長の野望』の「天翔記(てんしょうき)」か何かのイベントでしたw

『信長の野望』関連記事:
信長の野望/嵐世記(13)最終回



第37回の楽しみ方―足利家について(2)―


今回は将軍家・権大納言義昭が追放されたということで、前回の足利(あしかが)家の来歴の続きを書こうと思います。

参考記事:
『麒麟がくる』第36回―足利家について(1)

建武(けんむ)3年(1336年)、征夷大将軍(せいいたいしょうぐん)として室町(むろまち)幕府を開いた足利又太郎尊氏ですが、実は旧鎌倉(かまくら)幕府の御家人(ごけにん)たちすべてから武家(ぶけ)の棟梁(とうりょう)として認められていたわけではありませんでした。

それどころか、一族の一部からも嫡流(ちゃくりゅう)とは認められていませんでした。

そのため、一部の武士たちは幕府の言うことをきかず、まとまりにかけていました。

『麒麟がくる』の劇中で足利義輝(向井理)や足利義昭が、武士たちが幕府の言うことをきいてくれないと嘆いていましたが、実は室町幕府は最初から軽んじられていたようです。

関連記事:
『麒麟がくる』第23回―三好氏の血縁関係(2)

しかし、一時的に治まっていた時期もありました。

それは3代将軍家・太政大臣足利義満〔以下「相国」〕の頃です。

正平(しょうへい)23年/応安(おうあん)元年(1369年)に将軍職(しょうぐんしき)に就任した彼は在職中に南北朝(なんぼくちょう)の合一を果たし、いうことをきかない守護大名(しゅごだいみょう)たちを粛清(しゅくせい)し、(みん)から「日本国王」と認められることで権威を増強し、幕府の権力を強めていきました。

応永(おうえい)元年(1394年)に将軍職に就任した4代内大臣義持〔以下「内府」〕の時代は相国義満の余韻か比較的安定していたようですが、穏健すぎて幕府の権威は失墜していったようです。
※内府義持の時代に三淵(みつぶち)家が登用され、後の弾正左衛門尉藤英につながっていきます。

関連記事:
『麒麟がくる』第30回―三淵氏の来歴

5代美作守義量は早世し、石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)でのくじ引きの結果、内府義持の同母弟である左大臣義教〔以下「左府」〕が正長(しょうちょう)2年(1429年)に6代将軍に就任します。

この時代は荒れに荒れます。

左府義教は3代相国義満のやり方を踏襲しますが、守護大名の粛清が苛烈過ぎました。
※この時の左府義教の関東に対する仕置きが後の関東の動乱につながっていきます→永享(えいきょう)の乱、結城合戦(ゆうきがっせん)


関連記事:
各合戦の動員人数について(1)江古田原沼袋合戦

関連記事:
江古田原沼袋の戦いから学ぶ―できないことをできるようにする方法

関連記事:
各合戦の動員人数について(2)権現山の戦い


左府義教は、行き過ぎた粛清の結果、嘉吉(かきつ)元年(1441年)に播磨(はりま)・備前(びぜん)・美作(みまさか)の守護大名・赤松大膳大夫満祐により暗殺されます。


播磨のその後:
上月城の戦いに学ぶ―信頼の貯金を作る

同上:
三木城合戦に学ぶ―モチベーションの源を確保する


左府義教の跡を継いだ嫡男(ちゃくなん)・7代将軍家・左近衛中将義勝は早世し、文安(ぶんあん)6年(1449年)、その弟・左大臣義政〔以下「左府」〕が8代将軍に就任します。

左府義政が登場し、この後いよいよ応仁(おうにん)の乱が勃発しますが、この辺で結構な分量に達してしまったので続きは次の機会(『麒麟がくる』の次の回とは限りません)に譲りたいと思います。

その後は『麒麟がくる』に直接的につながってくる話が多くなってくるのでお楽しみに!

こんな感じで、ドラマの背景にある知識が分かるとドラマをもっと楽しめます!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

以下もご覧ください!

※トップ画像はイメージです。

○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・征夷大将軍〔将軍家〕 足利 権大納言〔通称不明〕 源 朝臣 義昭〔義秋、一乗院覚慶〕
せいいたいしょうぐん〔しょうぐんけ〕 あしかが ごんのだいなごん〔通称不明〕 みなもと の あそん よしあき〔よしあき、いちじょういんかくけい〕
・木下〔羽柴〕 藤吉郎 (平、豊臣) 秀吉
きのした〔はしば〕 とうきちろう (たいら、とよとみ の) ひでよし
・三淵 弾正左衛門尉〔または弥四郎〕 源 藤英
みつぶち だんじょうさえもんのじょう〔またはやしろう〕 みなもと の ふじひで
・細川 兵部大輔〔通称は与一郎〕 源 朝臣 藤孝
ほそかわ ひょうぶのたゆう〔通称はよいちろう〕 みなもと の あそん ふじたか
・岩成〔石成〕 主税助 石成 友通〔長信〕
いわなり〔いわなり〕 ちからのすけ いわなり の ともみち〔ながのぶ〕
・明智 十兵衛 源 光秀
あけち じゅうべえ みなもと の みつひで
・織田 弾正大弼〔通称は三郎〕 平〔藤原、忌部〕 朝臣 信長
おだ だんじょうのだいひつ〔通称はさぶろう〕 たいら〔ふじわら、いんべ〕 の あそん のぶなが
・武田 大膳大夫〔通称は太郎〕 源 朝臣 晴信〔入道信玄〕
たけだ だいぜんのだいぶ〔通称はたろう〕 みなもと の あそん はるのぶ〔入道しんげん〕
・松永 弾正忠〔または弾正少弼。通称は不明〕 紀〔藤原、源?〕 朝臣 久秀
まつなが だんじょうのじょう〔またはだんじょうのしょうひつ。通称は不明〕 き〔ふじわら、みなもと?〕 の あそん ひさひで
・征夷大将軍〔将軍家〕 足利 権大納言〔通称は又太郎〕 源 朝臣 尊氏〔高氏〕
せいいたいしょうぐん〔しょうぐんけ〕 あしかが ごんのだいなごん〔通称はまたたろう〕 みなもと の あそん たかうじ〔たかうじ〕
・征夷大将軍〔将軍家〕 足利 左近衛中将〔略称「左中将」。通称不明〕 源 朝臣 義輝〔義藤〕
せいいたいしょうぐん〔しょうぐんけ〕 あしかが さこんえのちゅうじょう〔略称「さちゅうじょう」。通称不明〕 みなもと の あそん よしてる〔よしふじ〕
・征夷大将軍〔将軍家〕 足利 太政大臣〔略称「相国」。通称不明〕 源 朝臣 義満〔入道道義〕
せいいたいしょうぐん〔しょうぐんけ〕 あしかが だじょうだいじん〔略称「しょうこく」。通称不明〕 みなもと の あそん よしみつ〔入道どうぎ〕
・征夷大将軍〔将軍家〕 足利 内大臣〔略称「内府」。通称不明〕 源 朝臣 義持
せいいたいしょうぐん〔しょうぐんけ〕 あしかが ないだいじん〔略称「ないふ」。通称不明〕 みなもと の あそん よしもち
・征夷大将軍〔将軍家〕 足利 美作守〔参議。通称不明〕 源 朝臣 義量
せいいたいしょうぐん〔しょうぐんけ〕 あしかが みまさかのかみ〔さんぎ。通称不明〕 みなもと の あそん よしかず
・征夷大将軍〔将軍家〕 足利 左大臣〔略称「左府」。通称不明〕 源 朝臣 義教〔義宣〕
せいいたいしょうぐん〔しょうぐんけ〕 あしかが さだいじん〔略称「さふ」。通称不明〕 みなもと の あそん よしのり〔よしのぶ〕
・赤松 大膳大夫〔通称不明〕 源 朝臣 満祐
あかまつ だいぜんのだいぶ〔通称不明〕 みなもと の あそん みつすけ
・征夷大将軍〔将軍家〕 足利 左近衛中将〔略称「左中将」。通称不明〕 源 朝臣 義勝
せいいたいしょうぐん〔しょうぐんけ〕 あしかが さこんえのちゅうじょう〔略称「さちゅうじょう」。通称不明〕 みなもと の あそん よしかつ
・征夷大将軍〔将軍家〕 足利 左大臣〔略称「左府」。通称不明〕 源 朝臣 義政〔義成〕
せいいたいしょうぐん〔しょうぐんけ〕 あしかが さだいじん〔略称「さふ」。通称不明〕 みなもと の あそん よしまさ〔よししげ〕
☆武家の「通称」の普及を切に願います!

参考
歴史上の偉人、有名人と子孫の大百科
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次回は「一宮城の戦いから学ぶ」。

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Posted by 鷲谷 城州 at 20:00│Comments(0)テレビ
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