2021年09月24日
『青天を衝け』第26回―高松凌雲について
《令和6年4月8日更新》
皆さんこんばんは。
今回は令和3年の大河ドラマ『青天を衝け』第26回に関しての楽しむためのヒントを解説したいと思います。
大河ドラマを見てみたけれど、歴史もよくわからないし、どう楽しんでいいのかわからない。
歴史には興味あるけど、自分では積極的に勉強する気になれない、という方必見です!
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。
まずはあらすじ。
第26回のあらすじ
明治元年(1868年)11月、パリから帰国し諸々の整理を終えた渋沢篤太夫美雄(吉沢亮)は、武蔵・血洗島(むさし・ちあらいじま)に6年振りに帰郷した。
父・市郎右衛門美雅(小林薫)や母・ゑい(和久井映見)、妻・千代(ちよ)(橋本愛)、娘・うた(山崎千聖)らに迎えられるも、想い合っていた従兄・渋沢平九郎昌忠(岡田健史)を亡くした妹のてい(藤野涼子)は一人浮かない顔をしていた。
その頃箱館(はこだて)では、五稜郭(ごりょうかく)を落とした篤太夫の従兄・渋沢成一郎英明(高良健吾)と土方歳三義豊(町田啓太)は新政府軍との戦いを続けていた。
そこにはかつて篤太夫とともにパリにあった高松凌雲(細田善彦)がいた。
高松は敵味方構わず負傷者を治療し、パリでの感動を実践していた。
尾高(おだか)家を訪れた篤太夫は、変わり果てた従兄・尾高新五郎惇忠(田辺誠一)の姿に息を飲んだ。
惇忠は飯能(はんのう)戦争に参加するも三弟・平九郎を失い、次弟・長七郎も病死してしまったことで精神的に弱り、自分ひとりが何も成し遂げず生き残ってしまったことを悔いていた。
篤太夫は同じ苦しみを感じていることを吐露しつつも、「生きていれば新しい世のために出来ることがきっとある」と惇忠を励ますのであった。
血洗島に戻った篤太夫は、千代に今度こそ家族で暮らすことを約束し、主君・前将軍・徳川前内府慶喜(草彅剛)のいる駿府(すんぷ)へ向かった。
駿府で慶喜と再会した篤太夫は、大政奉還(たいせいほうかん)後の慶喜の行動を批難しかけるも慶喜に制され、パリでの民部公子(みんぶこうし)・水戸(徳川)民部大輔昭武の立派な姿を慶喜に伝えた。
ということで、
第26回「篤太夫、再会する」の感想
篤太夫の帰郷は嬉しかったですね。
嬉しそうな市郎右衛門、ゑいや千代、うたなどもそうですし、姉のなか(村川絵梨)も久々に登場しましたね。
村川さん、結構好きなんですよねw
平九郎を失ったていの気持ちは想像できますし、受け入れ難いと思います。
しかし、篤太夫にも予想だにできなかったことで、だれにとっても辛いことですよね。
篤太夫が再会した長七郎は妙に血色がよくはつらつとしていたのでもしやと思いましたが、やはりすでに亡くなっていましたね。
本当に無念です。
その分、長兄の惇忠は今後大いに活躍するので、楽しみにしています。
また、箱館戦争での高松凌雲の行動にはしびれましたね。
こういう人、かっこいいと思います!
今でこそ「敵味方構わず治療する」というのはおかしなことではありませんが、当時は過激な武士の時代を引きずっていた頃。
敵を治療していることが味方の、水戸(みと)藩出身とかの武士に知られたら斬られかねない行動ですよね。
そんな時代にもかかわらず、毅然として治療を遂行するその意志の力に憧れます!
そして筆舌に尽くしがたいのが、草彅剛氏の表情の演技ですね。
ほとんどセリフありませんでしたよね?
表情だけで、戊辰(ぼしん)戦争の無念、弟・民部公子への愛情と篤太夫を頼もしく思う気持ち、等々様々な気持ちを表していましたね。
草彅氏、脱いじゃって世間を騒がせたこともありますが、俳優として怪物になりつつありますね。
すごい人です!
第26回を楽しむヒント―高松凌雲について―
今回は、箱館戦争時に敵味方の区別なく治療していた高松凌雲について書こうと思います。
天保(てんぽう)7年(1836年)生まれで、元々は筑後久留米(ちくご・くるめ)藩の庄屋(しょうや)の子、つまり百姓(ひゃくしょう)の出でした。
久留米藩家老(かろう)の家臣(かしん)・川原弥兵衛の養子となり川原荘三郎直政と名乗り、武士となります。
しかし養家の生活が嫌になり、安政(あんせい)6年(1859年)、24歳の時に久留米藩を脱藩(だっぱん)して江戸(えど)にいた兄・古屋佐久左衛門智珍を頼ります。
江戸では医者を志し蘭方医(らんぽうい)に弟子入りし、その後大坂(おおさか)に移り、緒方洪庵の適塾(てきじゅく)に入塾しています。
※同時期の適塾には、漫画家・手塚治虫氏の曽祖父に当たる手塚良庵もいた可能性があります。
手塚治虫氏原作の漫画『PLUTO』に興味のある方は、下記リンクをクリックしてください:
PLUTO 1巻
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PLUTO2巻
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PLUTO 3巻
ここで西洋医術の他、オランダ語、英語をマスターし、慶応(けいおう)元年(1865年)、一橋(ひとつばし)家臣に抜擢されます。
直後に一橋権中納言慶喜が征夷大将軍(せいいたいしょうぐん)となったため幕臣(ばくしん)となり、慶応3年(1867年)に民部公子のパリ留学に随行したことはドラマでも描かれましたね。
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その後、パリで見た貧民病院に感銘を受け、日本で赤十字運動に携わることになります。
では、その高松(たかまつ)家の血筋はどういった血筋なのでしょうか?
凌雲の父は高松与吉〔虎之助〕直道といい、凌雲の諱は「直政」ですから「直」が通字であるようです。
そしてその大元はなんと、豊後大友(おおとも)家の祖・大友左近将監能直にたどり着くと言います。
大友左近は筑後守護(しゅご)となっていますが、その三男が高松三郎大夫を名乗ったのが始まりとされます。
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大友左近は中原(なかはら)家の猶子(ゆうし)となっているので、『麒麟がくる』で大悪役を担った摂津掃部頭晴門ともつながりがある訳です。
調べてみると出てくるものですね。
こんな感じで、ドラマの背景にある知識が分かるとドラマをもっと楽しめます!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
以下もご覧ください!
※トップ画像はイメージです。
○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・渋沢 篤太夫〔栄一、栄二郎、栄一郎〕 源 美雄
しぶさわ とくだゆう〔えいいち、えいじろう、えいいちろう〕 みなもと の よしお
・渋沢 市郎右衛門〔元助〕 源 美雅
しぶさわ いちろううえもん〔もとすけ?〕 みなもと の よしまさ
・渋沢〔尾高〕 平九郎 源 昌忠
しぶさわ〔おだか〕 へいくろう みなもと の まさただ
・渋沢 成一郎〔喜作〕 源 英明
しぶさわ せいいちろう〔きさく〕 みなもと の ひであき
・土方 歳三 (氏不明) 義豊
ひじかた としぞう (氏不明) よしとよ
・高松〔川原〕 荘三郎 藤原〔源、中原〕 直政〔号:凌雲〕
たかまつ〔かわはら〕 しょうざぶろう ふじわら〔みなもと、なかはら〕 の なおまさ〔号:りょううん〕
・尾高 新五郎 (氏不明) 惇忠
おだか しんごろう (氏不明) あつただ〔物語中では「じゅんちゅう」〕
・尾高 長七郎 (氏不明) 弘忠
おだか ちょうしちろう (氏不明) ひろただ
・前征夷大将軍 (一橋)徳川〔松平〕 前内大臣〔幼名は七郎麻呂〕 源 慶喜〔昭到〕
さきのせいいたいしょうぐん (ひとつばし)とくがわ〔まつだいら〕 さきのないだいじん〔幼名はしちろうまろ〕 みなもと の よしのぶ〔あきむね〕
・(清水→水戸)徳川〔松平〕 侍従兼民部大輔〔幼名は余八麿〕 源 朝臣 昭武〔昭徳〕
(しみず→みと)とくがわ〔まつだいら〕 じじゅうけんみんぶのたゆう〔幼名はよはちまろ〕 みなもと の あそん あきたけ〔あきのり〕
・川原 弥兵衛 (氏不明) (諱不明)
かわはら やへえ (氏不明) (諱不明)
・古屋〔高松〕 佐久左衛門 平〔藤原、源、中原〕 智珍
ふるや〔たかまつ〕 さくざえもん たいら〔ふじわら、みなもと、なかはら〕 の ともはる?
・緒方〔佐伯、田上〕 三平〔判平〕 大神 惟章〔章、号:洪庵、適々斎〕
おがた〔さえき、たがみ?〕 さんぺい〔はんぺい〕 おおが の これあき〔あきら、号:こうあん、てきてきさい〕
・手塚 (通称・官職不明) 金刺 光亨〔号・良庵、良仙〕
てづか (通称・官職不明) かなさし の みつとお?〔号:りょうあん、りょうせん〕
・大友 左近将監(通称不明) 藤原(源、中原) 朝臣 能直
おおとも さこんのしょうげん(通称不明) ふじわらの(みなもとの、なかはらの) あそん よしなお
・摂津 掃部頭(中務大輔。通称不明) 藤原(中原) 朝臣 晴門(晴直)
せっつ かもんのかみ(なかつかさのたゆう。通称不明) ふじわらの(なかはらの) あそん はるかど(はるなお)
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参考
ぴえーるのテレビブログ
心の雑草
2次元なんやかんや
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Posted by 鷲谷 城州 at 20:00│Comments(0)
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