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2021年10月10日

実写化の悪評を覆した作品―『THE NEXT GENERATION パトレイバー』(シリーズ特別編)

レインボーブリッジ


皆さんこんばんは。
今回は映画『THE NEXT GENERATION パトレイバー』(シリーズ特別編)についてです。


この『パトレイバー』、ある程度の年齢(※)の方の中には「サンデーで読んだ」、「テレビアニメで見た」、「アニメ映画を観た」という人も結構いらっしゃると思うのですが、そもそもどういった作品なのか。
※ある程度の年齢の人:昭和50年(1975年)年代生まれの人。

『パトレイバー』が生まれる経緯や、その後、今作につながる流れなどを解説したいと思います。

漫画版に興味のある方は、下記リンクをクリックしてください:
機動警察パトレイバー



【映画データ】
監督:押井守、辻本貴則、湯浅弘章、田口清隆
脚本:押井守、山邑圭
原作:ヘッドギア
出演者:真野恵里菜、筧利夫、福士誠治、太田莉菜、しおつかこうへい、千葉繁
音楽:川井憲次

まずはあらすじです。



あらすじ


20世紀末の東京では、東京湾の干拓事業である「バビロンプロジェクト」のため作業用大型ロボットである「レイバー」の活動が増えていた。

「レイバー」の増加は自ずとそれを用いた犯罪の増加につながり、それを取り締まる必要性が生まれてきた。

警視庁内に設置された「特科車両二課(特車二課)」は、「パトロールレイバー」(略して「パトレイバー」)を運用して数々のレイバー犯罪を取り締まっていった。

時は経って2013年。

「バビロンプロジェクト」の終息によって「レイバー」の運用は減り、「特車二課」の活躍の場はほとんどなくなっていた。

メンバーも代替わりし、3代目となっていた。

もはや「パトレイバー運用のノウハウを伝える」という役割のみで存続していた特車二課だが、警視庁内では解隊の話が浮上していた。

「特車二課」を存続させたいメンバーたちは、部隊の存続をかけて犯罪に立ち向かっていく…

ということで、

↓こちらの映画について書いています。

THE NEXT GENERATION パトレイバー/第1章 [DVD]





『パトレイバー』とは?


まずは、そもそもの『パトレイバー』とは?という話から始めようと思います。

大元は、1980年代の初めに遡ります。

後に上記漫画を描くことになったゆうきまさみ氏が、東京・江古田の喫茶店で始めた企画遊びから始まります。

ゆうき氏がメカニックデザイナーの出渕裕氏(※)らと結成したクリエイターグループ「ヘッドギア」によって創られた企画が、この『パトレイバー』です。

※『戦闘メカ ザブングル』、『聖戦士ダンバイン』、『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』、『機動戦士ガンダムΖΖ』、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』等、数々の有名作品のメカニックデザインを担当している方です。


ゆうきまさみ氏の作品:
究極超人あ~る

同関連記事:
じゃじゃ馬グルーミン☆UP !

出渕氏作品についての記事:
ポケットの中のキリンカップ


「ヘッドギア」はまずはサンライズに『パトレイバー』の企画を持ち込むも、ボツにされてしまいます。

その後、映画監督の押井守氏が参加してOVA版(※)のプロジェクトが現実化し、昭和63年(1988年)にOVA版がリリースされます。

※OVA:「オリジナル・ビデオ・アニメ」の略。テレビアニメや映画発ではなく、VHS等のビデオ版を初版としてリリースされたもの。

漫画版はプロジェクトとしては後発でしたが、OVA版に先んじてゆうきまさみ氏により『週刊少年サンデー』誌上で連載が開始され、平成6年(1994年)まで連載されました。

平成元年(1989年)には押井氏の監督によるアニメ映画版1作目が公開され、同年~翌平成2年(1990年)まではテレビアニメとして放映されました。

※この漫画版とテレビアニメ版の影響で、『パトレイバー』は一般の人々にも知られるようになりました。筆者はテレビアニメはちらっとしか見ていないのですが、漫画版と映画版で知りました。

同じ年に小説化され、また、テレビアニメ版の続編として新たにOVAが製作されました。

平成5年(1993年)には再び押井氏がメガホンを取り、アニメ映画版の第2作目が製作され、翌年に再び小説化され…と様々なメディアで展開されます。

当時『サンデー』を読んでいたりテレビアニメを観ていた層は、ゆうきまさみ氏の漫画が原作と思っているかもしれないのですが、この作品に特に「原作」と定義されるメディアはなく、上記ヘッドギアによる企画そのものが原作となります。

いわゆる「メディアミックス」の先駆け的作品なんですね。

その後、平成6年(1994年)に押井氏により再び小説化され、平成14年(2002年)に漫画のエピソードを題材にしたアニメ映画等がつくられました。

今回の『THE NEXT GENERATION』は、押井氏を総監督に据えてシリーズ初の実写版として平成25年(2013年)に製作が発表されたものです。

翌平成26年(2014年)~27年(2015年)にかけて12のエピソードが公開されました。

僕が見たのは平成27年の4月にテレビ放送されたもので、0~12のエピソードの中から1、4、8、10、12をピックアップして繋げたものです。



予想を裏切る面白さ


今まで数々のアニメ作品が実写化され、大ゴケしてきたのを見ていますし、押井氏監督の実写映画もあまり評判のいいものではありませんでした。

そのため、自宅のレコーダーに自動録画されているこの作品のタイトルを見た時にはあまり期待はしていなかったんですよw

自分の中では『パトレイバー』は映画版の2作目でひと段落していて、「今更パトレイバー?」という気持ちもありました。

観始めてからも、正直「???」という気持ちでいっぱいでした。

というのも、『パトレイバー』と言えば主人公の泉 野明(いずみ のあ)のイメージが強かったですし、篠原遊馬(しのはら あすま)とか太田さんとか後藤隊長とか、とにかくキャラクターの個性が強くて、ロボット漫画というよりも人間模様を描いた感じの漫画だったんですね。
※僕は漫画版を何度も読んでいるので、漫画版のイメージが強いんですw

それが、今回の主人公の名前は「泉野 明(いずみの あきら)」。

「なんじゃそりゃ?」と思いましたw

野明たちの活躍を期待していたのに、原作?(80年代~90年代の諸作品)のキャラ達のパロディみたいな名前で、さらに特車二課のメンバーは3代目だと言います。

しかし他の皆さんもおっしゃっているように、キャラを往年の「初代」メンバーにせずパラレルワールド的なキャラクター設定にしたことが功を奏したような気がします。

というのも、アニメや漫画のイメージが強すぎるため、実写で俳優さん達の個性が混ざってしまうと絶対違和感が出てしまうんですよ。

他のアニメが実写化して失敗するのもそれなんですよね。

『THE NEXT GENERATION』はパラレルワールド的な設定にすることで、基本設定は踏襲しつつも「イメージの違和感」を回避することに成功しています。

それでいて、上に「基本設定は踏襲」と書いたように原作の焼き直し的な設定にも成功しています。

絶妙でしたね。

全体的な出来としても、非常によくできていたと思います。

今回の短編版の続きにあたる長編『~首都決戦』はとても評判がよく、さらに上記の映画2作目を踏襲しているそうなので、ぜひこちらも観たいと思っています。

ただ、原作のどれか(OVA版、漫画版、テレビアニメ版、映画版の初期2作)を観ていないと楽しめないのではないかなと思います。

この作品は、上に書いたようにキャラクターの人柄命ですからw

原作のキャラクターに愛着をもちつつ、今作が彼らのオマージュなのだなと感じることができないと、なかなか楽しむのは難しそうです。

という訳で、往年の『パトレイバー』のいずれかを知っている方はぜひ観てみてください!


その他のアニメ関連の記事:
『ダイの大冒険』、再アニメ化!

同関連記事:
イカボード先生の怖い森の夜

同関連記事:
The World Of Golden Eggs(7)


参考
大怪獣バトル!ウルトラブログ
ひたすら映画を観まくるブログ
ばいきんダディの何でオレ様が 2nd GIG

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Posted by 鷲谷 城州 at 20:00│Comments(0)映画
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