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2021年07月30日

第二次上田城の戦いに学ぶ―「負けない戦」の大切さ

雪中桜と上田城
《令和6年3月11日更新》

皆さんこんばんは。
今回は「ビジネスに活かす戦国合戦術」第47弾として、「上田(うえだ)城の戦い」について、ビジネス的視点で学んでいこうと思います。
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。

【合戦シリーズの過去記事(抜粋)】
江古田原沼袋合戦 権現山の戦い
第一次国府台の合戦 川越城の合戦
志賀城の合戦 郡山城の合戦
厳島の合戦 四万十川の合戦
今山の合戦 耳川の合戦
金ヶ崎城の合戦一言坂の合戦
三方ヶ原の合戦 叡山焼き討ち
江古田原沼袋の戦い② 石山合戦
雑賀・根来合戦 第一次国府台の戦い②
三木合戦 本能寺の変
文禄・慶長の役 関ヶ原の戦い


※『歴史と旅』増刊「日本合戦総覧(昭和63年1/10臨時増刊、秋田書店)」の坂井洋子氏の記事をベースに他ブログさんの記事などを参考にさせていただいております(下記)。

仕事で上司から叱責(しっせき)を受けることってありますよね。

それが、理が通っている内容であっても悔しい気持ちになるのに、理不尽な叱責だったらたまりません。

「いや、それは…」とか「違うんですよ」とか言いたくなってしまいます。

しかし、それを言ったところで上司には伝わるでしょうか?

タイミングを間違えばそれは言い訳と捉えられ、上司からの自分への信頼が下がります。

ではそんな時、どうすればいいのでしょうか?

今回は、真田安房守昌幸が徳川前権中納言秀忠と戦った「第二次上田城の戦い」から「『負けない戦』の大切さ」を学ぼうと思います。


上田城の戦いまでの流れ


慶長(けいちょう)5年(1600年)6月、大坂(おおさか)城にいた徳川内府家康は無断で軍備増強をし上洛してこない上杉権中納言景勝を討伐するため、奥州会津(おうしゅう あいづ)を目指して進発します。


関ヶ原本戦について知りたい方は、下記リンクをタップしてください:
関ヶ原の戦いに学ぶ―相手に納得感を与える

関連記事:
司馬遼太郎『関ヶ原』下

関連記事:
司馬遼太郎『関ヶ原』中


信州(しんしゅう)上田城を領した真田安房守昌幸、その子・伊豆守信幸、左衛門佐信繁〔幸村〕は内府の三男・前権中納言〔以下「権中納言」〕秀忠に合流すべく会津を目指しました。

しかし7月下旬、下野国(しもつけのくに)犬伏(いぬぶし)にて石田治部少輔三成の挙兵を知り、真田(さなだ)家の去就を話し合います。

伊豆守は徳川内府の養女で本多平八郎忠勝の娘を正室(せいしつ)としていたため徳川内府につくと主張、左衛門佐は石田治部とともに挙兵した大谷刑部少輔吉継の娘を正室としていたため石田治部につくと主張。

そのため、真田家は二つに分かれて父・安房守と次男・左衛門佐は石田(いしだ)に、嫡男(ちゃくなん)・伊豆守は徳川(とくがわ)につくこととなりました。


「犬伏の別れ」についての関連記事:
『真田丸』、本多正信は「作左」ではない(第36回)

同関連記事:
『真田丸』、徳川家康が慌てすぎ(第35回)

本多平八郎の登場する記事:
苦難の時代の幕開け―山岡荘八『徳川家康』第5巻





上田城の戦い


石田治部の挙兵に対応するため西に向かった徳川軍ですが、軍を二手(※1)に分け、徳川内府の部隊は東海道(とうかいどう)を西へ、権中納言の本隊は中山道(なかせんどう)を通り、信濃(しなの)の石田方の勢力を制圧することとなりました(※2)。

※1:宇都宮(うつのみや)に残った結城宰相秀康の部隊を考えると三手です。
※2:以前は権中納言の部隊は美濃(みの)を目指して中山道を行く途中で上田城に足止めされた、とされていましたが、近年は上田城の平定が目的で中山道を進んだ、と言われているようです。



結城宰相に関連する記事:
「大きな欲」と「小さな欲」―山岡荘八『徳川家康』第6巻

同関連記事:
『青天を衝け』第13回―越前松平家について


権中納言は9月2日、小諸(こもろ)に到着します。

それを受けた真田安房守は翌3日、嫡子(ちゃくし)・伊豆守を通して権中納言に上田城明け渡しの連絡をします。

しかし安房守は一向に動かず、4日、しびれを切らした権中納言は催促の使者を上田城に送ります。

安房守はそれまでの態度を豹変させ、権中納言への徹底抗戦の意志を示したため、権中納言は伊豆守の部隊を北方の戸石(といし)城へ向かわせます。

関連記事:
戸石城の合戦―相手の心理を推し量る

戸石城を守っていたのは伊豆守の弟・左衛門佐信繁〔幸村〕。

左衛門佐は、兄との戦を避けたいとの名目で戦わずして戸石城を退転。

上田城に撤退します。

安房守が籠城(ろうじょう)戦の姿勢を示したため、権中納言は上田城下の田を刈り取り安房守を挑発します。

それを受けた安房守は城外に小勢を出撃させ、そこで小競り合いが発生します。

この後、撤退する真田勢を追撃した徳川勢が真田の伏兵に挟撃されたという話があります。

さらに、虚空蔵山(こくぞうさん)に潜んでいた左衛門佐の部隊が権中納言の部隊の背後から襲撃して徳川軍に甚大な被害を与えた、という話もありますが、この辺りの話は一次史料(=簡単にいうとリアルタイムの史料)では確認できないそうです。

※また、かつては権中納言が上田城攻めで足止めを食らい関ヶ原(せきがはら)本戦に間に合わなかっという説が有力でしたが、実際は内府からの伝令が遅れたことで上田進発が遅れ、結果的に遅参することになったようです。

確認できるのは徳川勢の刈田(かりた)に際して小競り合いがあったことのみで、その頃(9月8日)、徳川内府からの上洛(じょうらく)の伝令を受けた権中納言は上田城に対しての抑えの兵を残して西に向かっています。




真田安房守の戦略


ここで重要なのが、真田安房守の戦略です。

両軍の兵力を比較すると、真田勢2,500に対して徳川勢は38,000。

まともに戦えば真田勢に勝ち目はないので、安房守は「負けない戦い」をすべく戦ったというところが大事です。

具体的にどういうことかというと、正面から戦を仕掛けずに、最低限の防衛の兵を出しつつもすぐに撤退させる。

まともに戦わなければ負けないという寸法です。
※そもそも、籠城戦は援軍が来なければ勝つのが非常に難しい戦法です。

「負けない戦」を別の観点から説明した記事:
小牧長久手の戦いに学ぶ―勝ちすぎてはいけない





「負けない戦」の大切さ


ここからは、この戦から学べる教訓の話になります。

日常生活を送っていて、「勝つのが難しい戦」に出会うことは多いと思います。

仕事で上司から理不尽に叱責されるですとか、お客さんからどぎついクレームを受けるですとか。

そういう時って、相手を徹底的に言い負かしても「勝った」ことにはならないんですよね。

言い負かされた上司やお客さんは「この野郎」という気持ちを抱くだけで、下手をすれば自分に対して敵対心や憎しみをもってしまいます。

こういう時は、まともに戦ってはいけません。

相手が感情的になっている場合は相手の話をよく聴き、相手の心情に同意します。

「そうですよね」「それは大変ですよね」

などの柔らかい言葉で対応し、決して正面から受けて立ちません。

そして、相手が冷静になって説明を求めてきて初めて自分の行動の理由を説明します。

もし相手が説明を求めてこなければ説明はしません。

なぜならば、そういう時は相手は自分の言い分を言いたいだけで、こちらの事情や意見を聞きたい訳ではないからです。

勝っても意味のない戦い、勝つ見込みの低い戦いで無駄にエネルギーを消費してもしょうがないんです。

今回の新型コロナウイルスについてもそうで、感染リスクをとってまで繁華街に出て行って飲食をする意味はないと思っています。

正面切って立ち向かおうとはせず、自宅や職場など移動を最低限に止め、リアルでの人との接触を最低限に抑え、のらりくらりと鎮静化を待ちます。

その戦いは勝つ意味があるのか、勝つ見込みがあるのか、冷静に判断して戦に臨む必要があります。


「冷静な判断」をするためのヒント①:
「大きな欲」と「小さな欲」―山岡荘八『徳川家康』第6巻

「冷静な判断」をするためのヒント②:
『青天を衝け』第16回―池田屋事件について

「冷静な判断」をするためのヒント③:
ブログ開設16周年!!


勝っても意味のない戦ではなるべくエネルギーを消耗しないようにして、勝つべき戦に全エネルギーを投入して、確実に勝ちます。

ということで、今回は「『負けない戦』の大切さ」ということについて説明させていただきました。

まだまだ説明したいことはたくさんありますが、今回は以上です!
最後まで読んでいただきありがとうございました!

以下もご覧ください!

○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・徳川 権中納言〔通称不明〕 源 朝臣 秀忠
とくがわ ごんのちゅうなごん〔通称不明〕 みなもと の あそん ひでただ
・徳川 内大臣〔通称は次郎三郎〕 源 朝臣 家康
とくがわ ないだいじん〔通称はじろうさぶろう〕 みなもと の あそん いえやす
・上杉〔長尾〕 権中納言〔弾正少弼。通称は喜平次〕 藤原〔平〕 朝臣 景勝〔顕景〕
うえすぎ〔ながお〕 ごんのちゅうなごん〔だんじょうのしょうひつ。通称はきへいじ〕 ふじわら 〔たいら〕 の あそん かげかつ〔あきかげ〕
・真田〔武藤〕 安房守〔通称は源五郎、喜兵衛〕 滋野〔源〕 朝臣 昌幸
さなだ〔むとう〕 あわのかみ〔通称はげんごろう、きへえ〕 しげの〔みなもと〕 の あそん まさゆき
・真田 伊豆守〔通称は源三郎〕 滋野〔源〕 朝臣 信幸〔信之〕
さなだ いずのかみ〔通称はげんざぶろう〕 しげの〔みなもと〕 の あそん のぶゆき〔のぶゆき〕
・真田 左衛門佐〔通称は源次郎、源二郎〕 滋野〔源〕 朝臣 信繁〔幸村〕
さなだ さえもんのすけ〔通称はげんじろう、げんじろう〕 しげの〔みなもと〕 の あそん のぶしげ〔ゆきむら〕
・石田 治部少輔〔通称は佐吉〕 下毛野〔平〕 朝臣 三成
いしだ じぶのしょう〔通称はさきち〕 しもつけぬ〔たいら〕 の あそん みつなり
・本多 平八郎 藤原 忠勝
ほんだ へいはちろう ふじわら の ただかつ
・大谷 刑部少輔〔通称は紀之介、平馬〕 平 朝臣 吉継〔吉隆〕
おおたに ぎょうぶのしょう〔通称はきのすけ、へいま〕 たいら の あそん よしつぐ〔よしたか〕
☆武家の「通称」の普及を切に願います!

参考
くらりと旅日記
自然観察大学ブログ
今日は何の日?徒然日記


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Posted by 鷲谷 城州 at 20:00│Comments(2)趣味
この記事へのコメント
過去と現在をうまく絡め、丁寧にまとめられていて非常に勉強になりました。
自分も見習って精進したいと思います!
Posted by ノリト at 2021年11月01日 22:58
>ノリトさん

ありがとうございます!

自分も精進します!
Posted by 鷲谷 城州 at 2021年11月02日 07:57
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