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2021年06月28日

『青天を衝け』第13回―越前松平家について

京都 二条城 秋の内堀と空


皆さんこんばんは。
今回は令和3年の大河ドラマ『青天を衝け』第13回に関しての楽しみ方を解説したいと思います。

大河ドラマを見てみたけれど、歴史もよくわからないし、どう楽しんでいいのかわからない
歴史には興味あるけど、自分では積極的に勉強する気になれない、という方必見です!
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。

【『青天を衝け』の楽しみ方】
・第1回―渋沢家について ・第2回―身分秩序について
・第3回―平岡家について ・第4回―阿部家について
・第5回―藤田家について ・第6回―美賀君の血筋
・第7回―井伊家について ・第8回―岩瀬忠震の出自
・第9回―安政頃の西郷吉之助 ・第10回―安藤信正について
・第11回―高崎城について・第12回―一橋徳川家について


まずはあらすじ。



第13回のあらすじ


高崎城址 2枚目
文久(ぶんきゅう)3年(1863年)、渋沢栄一(吉沢亮)は高崎(たかさき)城襲撃計画の中止を受けて、従兄の渋沢喜作(高良健吾)とともに京都(きょうと)へ向かい、そこで志士(しし)として活動することにした。

そのためにまずは江戸(えど)に出て、以前栄一らを一橋(ひとつばし)家に仕官(しかん)するように誘った平岡円四郎(堤真一)を頼ることにした。

円四郎は不在であったが、円四郎の妻・やす(木村佳乃)が円四郎から栄一らのことをきいており、二人は彼らが一橋家の家臣であることを証明する文書を受け取った。

それを利用して京都へ上った二人は攘夷(じょうい)活動にいそしんだが、この頃の京都では攘夷派の勢力が後退しており、思うように活動が進まなかった。

父・市郎右衛門(小林薫)から受け取った金も使い果たし、さらには借金まですることになった二人だが、このままでは埒(らち)が開かないので、郷里の尾高長七郎(満島真之介)へ手紙を出し、長七郎を京都へ呼ぶことにした。

長七郎は京都へ向かったが、道中で幻影を見て罪もない飛脚を斬ってしまう。

栄一と喜作は尾高惇忠からの手紙でそのことを知り、さらに栄一が長七郎に出した手紙が役人の手に渡ったことを知る。

その手紙には、攘夷運動についてや幕府を倒すことなどが書いてあり、栄一たちにも幕府の追手がかかることになった。

そんな中、二人に平岡円四郎から呼び出しがかかった。

二人はそれに応じ、円四郎を訪ねた。

円四郎が言うには、二人は幕府に手配されているが、一橋家臣だというので幕府から一橋家に掛け合いが来たということだった。

栄一らは手紙の内容等を正直に話した。

円四郎は、そういうことならいっそ本当に一橋家の家臣になれという。

腹をくくった栄一と喜作は、そろって一橋家の家臣となることになった。

ということで、


第13回「栄一、京の都へ」の感想


この回も面白かったです。

円四郎の妻・やすの、「きっちりうちの人の家臣になるんだろうね?」という問いにしれっと「はい」と答える栄一の表情がすごかったですねw

さらっと嘘をつく時の、逆に感情を押し殺したような無心の表情というか、相手に本心を悟られまいとするポーカーフェイスというか、ああいう演技ができる吉沢亮氏は素晴らしいと思いました。

そして、幻影を見て飛脚を斬ってしまった尾高長七郎を演じた満島真之介氏。

彼の真価をここにきて初めて見た気がしました。

あの、気狂いの演技はすさまじかったですね。

精神的にやられている人の目を演じることができる満島氏に脱帽です。

役に入り込みすぎて満島氏の心が引っ張られないかちょっと心配でしたが、ちょっとの間だけだったでしょうからきっと大丈夫でしょうw




第13回の楽しみ方―越前松平家について―


今回は、要潤氏の演じている松平春嶽を輩出した越前松平(越前・まつだいら)家について書きたいと思います。

ドラマ中では、春嶽は初期の将軍継嗣(けいし)問題の時には一橋権中納言慶喜を推す一橋派として活動していました。

安政の大獄(あんせいのたいごく)を経て復帰したのちには政事総裁職(せいじそうさいしょく)、後参預会議(さんよかいぎ)の成員として一橋権中納言、島津三郎改め左近衛権少将久光らと京都で活躍しています。


松平春嶽に興味のある方は、下記リンクをクリックしてください:
『西郷どん』、若干減速か?(第13~16回)

同関連記事:
『西郷どん』、恋愛ごっこは地震が治まってからやれ!(第11~12回)


その越前松平家の大元は、東照大権現・徳川家康の次男・松平権中納言秀康(越前中納言。「結城秀康」として有名)までさかのぼります。

越前中納言は関ヶ原合戦(せきがはらがっせん)後、越前北ノ庄(きたのしょう)に所領を与えられ、越前は代々その子孫が治めることとなりました。


越前中納言秀康の登場する記事:
徳川家康の生涯を貫く思想―山岡荘八『徳川家康』第4巻

同関連記事:
『おんな城主直虎』、終盤でやっと面白くなってきた(第41~45回)


その越前中納言の子の中で、春嶽の系譜上の祖先に当たるのは越前中納言の次男・参議忠昌という人物です。

その参議忠昌の子孫は孫の侍従宗昌の代で絶えてしまったため、同じ越前中納言の五男である大和守直基の子孫である松平大和守(まつだいらやまとのかみ)家(前橋松平(まえばしまつだいら)家、結城松平(ゆうきまつだいら)家)の血筋を引く左近衛権少将(権左少将)宗矩を跡継ぎとして迎えました。

しかし、権左少将宗矩にも実子がなかったため一橋宰相宗尹の子、つまり八代将軍・右大臣吉宗の孫である越前守重昌を跡継ぎに迎えました。

その越前守重昌にも子がなく、弟、つまり同じ一橋宰相宗尹の子である左近衛権中将(権左中将)重富が跡を継ぎます。

その後実子相続が続きますが、権左中将重富の孫・越前守斉承の代になり実子がすべて早世してしまったため養子を迎えます。

12代将軍家・太政大臣家斉の子である越前守斉善です。

その越前守斉善にも実子がなく、そこで跡継ぎとして迎えられたのが越前守慶永、つまり春嶽です。

春嶽は田安徳川(たやすとくがわ)家の権大納言斉匡の子であるため、結局のところ右大臣吉宗の末裔である訳ですね。
※実は権大納言斉匡は一橋准大臣治済の子であるため、春嶽は一橋家の血を引いています。
さらに言うと、准大臣治済は越前守重昌、権左中将重富の弟にあたるので、春嶽と彼ら二人の血筋は割と近いのです。


越前松平家も男系の実子相続がうまくいかず、最終的には一橋家の血筋である春嶽が継いでいます。
血筋的には権中納言慶喜よりも春嶽の方が一橋家に近かったんですw

こんな感じで、ドラマの背景にある知識が分かるとドラマをもっと楽しめます!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

以下もご覧ください!

※トップ画像はイメージです。

○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・渋沢 栄一(栄二郎、栄一郎) 源 美雄
しぶさわ えいいち(えいじろう、えいいちろう) みなもとの よしお
・渋沢 喜作(成一郎) 源 英明
しぶさわ きさく(せいいちろう) みなもとの ひであき
・平岡(岡本) 円四郎 源?(清原?) 方中
ひらおか(おかもと) えんしろう みなもとの?(きよはらの?) けたち
・渋沢 市郎右衛門 源 元助(美雅)
しぶさわ いちろううえもん みなもとの もとすけ?(よしまさ?)
・尾高 長七郎 (氏不明) 弘忠
おだか ちょうしちろう (氏不明) ひろただ
・尾高 新五郎 (氏不明) 惇忠
おだか しんこわろう (氏不明) あつただ(物語中では「じゅんちゅう」)
・松平(徳川) 越前守(幼名は錦之丞) 源 朝臣 慶永(号春嶽)
まつだいら(とくがわ) えちぜんのかみ(幼名はきんのじょう?) みなもとの あそん よしなが(号しゅんがく)
・(一橋)徳川(松平) 権中納言(幼名は七郎麻呂) 源 朝臣 慶喜(昭到)
(ひとつばし)とくがわ(まつだいら) ごんのちゅうなごん(幼名はしちろうまろ) みなもとの あそん よしのぶ(あきむね)
・島津 左近衛権少将(通称は三郎) 惟宗(源) 朝臣 久光
しまづ さこんえごんのしょうしょう(通称はさぶろう) これむねの(みなもとの) あそん ひさみつ
・征夷大将軍(将軍家) 徳川 太政大臣(通称は次郎三郎) 源 朝臣 家康(東照大権現)
せいいたいしょうぐん(しょうぐんけ) とくがわ だじょうだいじん(通称はじろうさぶろう) みなもとの あそん いえやす(とうしょうだいごんげん)
・松平(結城、羽柴) 権中納言(通称不明) 源(藤原、豊臣) 朝臣 秀康
まつだいら(ゆうき、はしば) ごんのちゅうなごん(通称不明) みなもとの(ふじわらの、とよとみの) あそん ひでやす
・松平 参議(伊予守。幼名は虎之助) 源 朝臣 忠昌
まつだいら さんぎ(いよのかみ。幼名はとらのすけ) みなもとの あそん ただまさ
・松平 侍従(通称不明) 源 朝臣 宗昌(昌興、昌平)
まつだいら じじゅう(通称不明) みなもとの あそん むねまさ(まさおき、まさひら)
・松平(結城) 大和守(通称は七郎) 源 朝臣 直基
まつだいら(ゆうき) やまとのかみ(通称はしちろう) みなもとの あそん なおもと
・松平(結城) 左近衛権少将(通称は兵部大輔。幼名は千次郎、千二郎) 源 朝臣 宗矩
まつだいら(ゆうき) さこんえごんのしょうしょう(通称はひょうぶのたゆう。幼名はせんじろう、せんじろう) みなもとの あそん むねのり
・(一橋)徳川 参議(幼名は小五郎) 源 朝臣 宗尹
(ひとつばし)とくがわ さんぎ(幼名はこごろう) みなもとの あそん むねただ
・征夷大将軍(将軍家) (紀州、紀伊)徳川(松平) 右大臣(通称は新之助) 源 朝臣 吉宗(頼久、頼方)
せいいたいしょうぐん(しょうぐんけ) (きしゅう、きい)とくがわ(まつだいら) うだいじん(通称はしんのすけ) みなもとの あそん よしむね(よりひさ、よりかた)
・松平(徳川) 越前守(幼名は小五郎) 源 朝臣 重昌
まつだいら(とくがわ) えちぜんのかみ(幼名はこごろう) みなもとの あそん しげまさ
・松平(徳川) 左近衛権中将(幼名は仙之助) 源 朝臣 重富(重福)
まつだいら(とくがわ) さこんえごんのちゅうじょう(幼名はせんのすけ) みなもとの あそん しげとみ(しげとみ)
・松平 越前守(幼名は仁之助) 源 朝臣 斉承
まつだいら えちぜんのかみ(幼名はじんのすけ) みなもとの あそん なりつぐ
・征夷大将軍(将軍家) 徳川 太政大臣(通称不明) 源 朝臣 家斉
せいいたいしょうぐん(しょうぐんけ) とくがわ だじょうだいじん(通称不明) みなもとの あそん いえなり
・松平(徳川) 越前守(幼名は千三郎) 源 朝臣 斉善
まつだいら(とくがわ) えちぜんのかみ(幼名はせんざぶろう) みなもとの あそん なりさわ
・(田安)徳川 権大納言(幼名は慶之丞) 源 朝臣 斉匡
(たやす)とくがわ ごんのだいなごん(幼名はけいのじょう?) みなもとの あそん なりまさ
・(一橋)徳川(松平) 准大臣(通称は豊之助) 源 朝臣 治済
(ひとつばし)とくがわ(まつだいら) じゅんだいじん(通称はとよのすけ?) みなもとの あそん はるさだ(はるなり)
☆武家の「通称」の普及を切に願います!

参考
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次回は「250 years of the birth of Mozart BEST OF BEST MOZART(4)」。

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今期イチオシ曲!ぜひ聞いてください!
again / Stoning Crows
※筆者が作曲し、構成を作った曲で右側でギターを弾いてます。
(メロディはボーカル氏が作成)






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Posted by 鷲谷 城州 at 20:00│Comments(2)テレビ
この記事へのコメント
こんにちは
松平春嶽公と一橋家との関わり、意外ですね。慶喜が中川宮の前で酒の席とは言え、春嶽を大愚物!と痛罵した事から、
慶喜と春嶽が敵対したかと思えばそうでもなく、一方で坂本龍馬との太いパイプも持ちと、正体が掴めない、掴ませない人物ですよね。もし橋本左内が長生きしていればもっと歴史的活躍が出来たのかもしれません。
Posted by ゆーくんまま at 2021年07月04日 13:10
>ゆーくんままさん
コメントありがとうございます!

松平春嶽は不思議な人物ですよね。
結構過激な政治方針をもって積極的に活動をしているのに、表立って敵を作るわけでもなくのらりくらりと立ち回っていますね。

おっしゃる通り、橋本左内を失っていなければもっと活躍できたような気がしますね。
Posted by 鷲谷 城州(旧通称:壮介) at 2021年07月04日 21:59
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