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2019年12月16日

金ヶ崎城の合戦―過去の実績にこだわらない

金ヶ崎宮
《令和6年1月4日更新》

皆さんこんばんは。
今回は「ビジネスに活かす戦国(せんごく)合戦術」第8弾として「金ヶ崎(かねがさき)城の合戦」について書きます。
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。

第1回 今山の合戦
第2回 耳川の合戦
第3回 沖田畷の合戦
第4回 小豆坂の合戦
第5回 長良川の合戦
第6回 桶狭間の合戦
第7回 稲葉山城の合戦

『歴史と旅』増刊「日本合戦総覧(昭和63年1/10臨時増刊、秋田書店)」の百瀬明治氏の記事をベースに他ブログさんの記事などを参考にさせていただいております(下記)。

ということで、


信長はなぜ朝倉を攻めたのか?


この戦いは元亀(げんき)元年(1570年)、越前国(えちぜんのくに)金ヶ崎〔福井県敦賀市(ふくいけん・つるがし)〕で織田上総介信長朝倉左衛門督義景との間に行われた合戦です。

この戦いが起きた背景を説明するには信長の経歴を少々おさらいしなくてはなりません。

永禄(えいろく)10年(1567年)、稲葉山(いなばやま)城の合戦によって美濃(みの)を手中に収めた信長。

稲葉山城の合戦についてもっと知りたい方は、下記リンクをタップしてください:
稲葉山城の合戦―人に好かれる人が勝つ

明智十兵衛光秀が前(さき)の将軍足利義輝の弟左馬頭(さまのかみ)義秋〔のち義昭〕との関係をあっせんし、永禄12年、信長は義秋を奉じて上洛(じょうらく)
義秋は将軍に任命され、諱(いみな)義昭と改めました。

元亀元年(1570年)信長は将軍の権威を利用して天下の諸大名を従えるべく、まずは近隣の諸大名へ上洛するように号令をかけました。
しかし朝倉義景はそれに従いませんでした。

信長は(形式的には)将軍の命令に従わない朝倉(あさくら)氏を討伐すべく越前に向かいました。

そこで起こった戦いがこの金ヶ崎城の合戦です。


関連記事:
『麒麟がくる』第26回―摂関家の系譜

関連記事:
『麒麟がくる』第31回―浅井家の来歴




金ヶ崎城落城


下記ブログさんたちもおっしゃっていますが、金ヶ崎城は南北朝(なんぼくちょう)時代、新田左近衛中将義貞がこもり北朝足利方の斯波修理大夫高経と激戦を繰り広げた城です。

久太郎の戦国城めぐり」さんを読むとわかりやすいですが、そうたやすく落ちる城ではありません

信長はまずは支城の天筒山(てづつやま)に猛攻を加え、落城させました

天筒山城を落とされたことで喉元に刃を突き付けられた形になった金ヶ崎城。
投降すれば命は助けるという木下藤吉郎(秀吉)の言葉によって、城将朝倉中務大輔景恒は開城し、織田軍はついに金ヶ崎城を落とすことに成功しました

関連記事:
『麒麟がくる』第25回―朝倉氏の系譜




浅井長政の裏切り


さあ、これから朝倉氏の本拠一乗谷(いちじょうだに)城を攻めようという矢先、信長の妹で北近江(きた・おうみ)浅井備前守長政に嫁いでいた(いち)から小豆が届きます

両端が縛られた小豆の包みを見た信長は妹婿長政の裏切りを読み取り、急ぎ越前から撤退しました。

※我が家の血筋は、この時近江の湖西地域を通った信長を案内した朽木信濃守元綱の朽木家とのちに深いつながりをもつのですが、余談なので省略します笑

関連記事:
『麒麟がくる』第19~20回―足利将軍家の動きと桶狭間の戦い

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『麒麟がくる』第11~12回―なぜ朽木谷か?/信長家臣団の萌芽

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信長が京都(きょうと)に着いたとき、従っていた人数はわずか10人ほどだったとか。

長政は本当に裏切っており、越前に向かっている最中でした。

この時信長の撤退を成功させるべく殿(しんがり=撤退軍の最後尾、つまり敵に追い上げられる位置で時間を稼ぎ、大将を無事に逃がす役割の部隊)として活躍したのが徳川左京大夫(家康)木下藤吉郎というのは有名な話ですが、下記ブログさんを見ると池田民部大輔勝正がいちばん活躍したようですね。
あまり伝えてもらえずかわいそうですね。




何をビジネスに活かせるか?


結局何をビジネスに活かせるのかという話ですが、まずは金ヶ崎城を落とされた朝倉方の反省ですかね。戦そのものとしては勝ってるのに反省させられてますよ笑

何よりも家中の人心の統一ができていなかったことがすべてでしょう。
上記稲葉山城の合戦でもそうでしたが、朝倉義景の人望の問題もあったようです。

関連記事
一乗谷城の合戦に学ぶ―決断しないことで状況は悪化する

上記のように城将朝倉景恒は自分の命のために城を投げ出してますからね。義景の一門衆なのにですよ。
金ヶ崎城は堅城だったそうなので、頑張ればもっと籠城できたはずです。

それなのにすぐに投降してしまったというのは、そもそも初めからあまりやる気がなかったということなのではないでしょうか。

そして信長側から学べることですが、やはり退き際の鮮やかさですかね。

長政の裏切りを察知するとすぐに金ヶ崎城を放棄して逃走してますからね。
この変わり身の早さが素晴らしいです。

君子は豹変す」とはまさにこのことで、自分の過去の実績にとらわれずに、「それがいい!」と思えばすぐにやる。
歳を取れば取るほど今までの自分の功績にこだわってしまうそうですが、状況が変わったらそんなものはとっとと捨ててしまいましょう。

これは僕自身も大いに見習うところがあります。

撤退の判断基準について:
天目山の戦いから学ぶ―撤退のベスト・タイミングとは

今回は以上です!

※画像はイメージです。

○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・織田 上総介〔右近衛大将、右大臣。通称は三郎〕 平〔藤原、忌部〕 朝臣 信長
おだ かずさのすけ〔うこんえのだいしょう、うだいじん。通称はさぶろう〕 たいら〔ふじわら、いんべ〕 の あそん のぶなが
・朝倉 左衛門督〔通称は孫次郎〕 日下部 朝臣 義景
あさくら さえもんのかみ〔通称はまごじろう〕 くさかべ の あそん よしかげ
・明智 十兵衛 源 光秀
あけち じゅうべえ みなもと の みつひで
・征夷大将軍 足利 左近衛中将〔通称不明〕 源 朝臣 義輝
せいいたいしょうぐん あしかが さこんえのちゅうじょう〔通称不明〕 みなもと の あそん よしてる
・征夷大将軍 足利 左近衛中将〔通称不明〕 源 朝臣 義昭〔義秋〕
せいいたいしょうぐん あしかが さこんえのちゅうじょう〔通称不明〕 みなもと の あそん よしあき〔よしあき〕
・新田 左近衛中将〔通称は小太郎もしくは孫太郎〕 源 朝臣 義貞
にった さこんえのちゅうじょう〔通称はこたろうもしくはまごたろう〕 みなもと の あそん よしさだ
・斯波 修理大夫〔通称は孫三郎〕 源 朝臣 高経
しば しゅりのだいぶ〔通称はまごさぶろう〕 みなもと の あそん たかつね
・木下 藤吉郎 平 秀吉〔のち豊臣 秀吉〕
きのした とうきちろう たいら の ひでよし〔のちとよとみ の ひでよし〕
・朝倉 中務大輔〔通称不明〕 日下部 朝臣 景恒
あさくら なかつかさのだゆう〔通称不明〕 くさかべ の あそん かげつね
・浅井 備前守〔通称は新九郎〕 藤原 朝臣 長政
あざい〔あさい〕 びぜんのかみ〔通称はしんくろう〕 ふじわら の あそん ながまさ
・朽木 信濃守〔通称は弥五郎〕 源 朝臣 元綱
くつき しなののかみ〔通称はやごろう〕 みなもと の あそん もとつな
・徳川 左京大夫〔通称は次郎三郎〕 源 朝臣 家康
とくがわ さきょうのだいぶ〔通称はじろうさぶろう〕 みなもと の あそん いえやす
・池田 民部大輔〔通称は八郎三郎〕 源 朝臣 勝正
いけだ みんぶのたゆう〔通称ははちろうさぶろう〕 みなもと の あそん かつまさ
☆武家の「通称」の普及を切に願います!

参考
お城散歩
久太郎の戦国城めぐり
日本の歴史ガイド~日本のお城 城跡 史跡 幕末~


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Posted by 鷲谷 城州 at 22:00│Comments(0)趣味
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