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2019年05月18日

厳島の合戦―相手の心理を読み、周到に準備する

厳島神社
《令和5年8月22日更新》

皆さんこんばんは。
今回は「合戦における戦術について」シリーズの第13弾ということで「厳島(いつくしま)の合戦」について書きます。
『歴史と旅』増刊「日本合戦総覧(昭和63年1/10臨時増刊、秋田書店)」の作家の祖田浩一氏の記事を参考にしています。
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。

参考
第1弾 勝弦峠の合戦
第2弾 戸石城の合戦
第3弾 長森原の合戦
第4弾 三分一原の合戦
第5弾 栃尾城の合戦
第6弾 川中島の合戦
第7弾 箕輪城の合戦
第8弾 三増峠の合戦
第9弾 七尾城の合戦
第10弾 御館の乱
第11弾 郡山城の合戦
第12弾 第一次月山富田城の合戦

まずはどのような戦だったのかというと


弘治(こうじ)元年(1555年)に安芸国(あきのくに)厳島〔広島県(ひろしまけん)〕で毛利元就と陶晴賢の間に起きた合戦です。

天文(てんぶん)20年(1551年)に主君大内義隆を討ち、大内(おおうち)家を掌握した晴賢は義隆の姉婿である石見(いわみ)の吉見正頼を討つ動きを見せました。元就は晴賢からも正頼からも援軍の請いを受けましたが、嫡男(ちゃくなん)隆元の意見により正頼に味方することになりました。

元就は晴賢と合戦をするにあたり、大軍を擁する陶(すえ)軍を破るには大軍の利点を活かしきれない狭隘地(きょうあいち)で合戦するしかないと判断しました。

以前、毛利(もうり)氏の本拠地である吉田郡山(よしだ・こおりやま)城が尼子(あまご)氏に攻められたとき、陸路ではなく厳島を経て海路で援軍に来た晴賢のやり方を踏まえ、元就は晴賢を厳島に誘い出すことにしました。


郡山城の戦いについて知りたい方は、下記リンクをタップしてください:
合戦における戦術について⑪郡山城の合戦

尼子家の登場する戦い:
鳥取城の戦いに学ぶ―長期戦を避けるべし

同関連記事:
上月城の戦いに学ぶ―信頼の貯金を作る


内応などによって陶方の城をいくつか落としたあと、重臣(じゅうしん)桂元澄(内閣総理大臣(ないかくそうりだいじん)桂太郎清澄の先祖)を裏切ったと見せかけて晴賢に近づかせ、晴賢に「元就は、晴賢に厳島の宮尾(みやお)城を攻められたら一巻の終わりだと言っている」というようなことを吹き込み、晴賢に宮尾城を攻めさせることに成功します。

嵐に乗じて元就は陶軍の背後から、小早川隆景は正面から陶家への援軍だと偽って島に上陸し、明け方一挙に陶軍を挟み撃ちにして殲滅(せんめつ)します。

結局退路を失った晴賢は自決し、これにて毛利家の中国制覇への道が開けます。

これは周到ですね。
練りに練った作戦ですね。



言わずもがな勝因は、
・相手の心理や地理的条件、兵力差、配下武将の心理、天候など、あらゆるものを考慮して練りに練って周到に準備をし、それを冷静に実行したこと

ですね。
社会人として淡々と出世するタイプですね笑

理屈ではわかっちゃいますが、短時間に作戦立案し、周到に準備を重ねてしかもそれを実行するのは至難の業だと思います。
パワーがなきゃできませんね。

織田信長とか豊臣秀吉が注目される昨今ですが、毛利元就もビジネスマンとして大いに研究した方がいいと思いますよ!笑


関連記事:
碁石戦略と戦前勝利型戦略―武田・上杉・毛利・長宗我部の戦い方

関連記事:
第二次月山富田城の合戦―万端過ぎるほどの準備をすべし

関連記事:
第一次月山富田城の合戦―相手の疲労をさそう

毛利家が参戦した戦い:
戸次川の戦いに学ぶ―逸って決断してはいけない


※画像はイメージです。

【今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)】
・毛利 右馬頭〔通称は少輔次郎〕 大江 朝臣 元就
もうり うまのかみ〔通称はしょうのじろう〕 おおえ の あそん もとなり
・陶 尾張守〔通称は五郎〕 多々良 朝臣 晴賢〔隆房〕
すえ おわりのかみ〔通称はごろう〕 たたら の あそん はるかた〔たかふさ〕
・大内 兵部卿〔周防介。通称不明〕 多々良 朝臣 義隆
おおうち ひょうぶきょう〔すおうのすけ。通称不明〕 たたら の あそん よしたか
・吉見 出羽守〔通称は四郎〕 源 朝臣 正頼
よしみ でわのかみ〔通称はしろう〕 みなもと の あそん まさより
・毛利 大膳大夫〔通称は少輔太郎〕 大江 朝臣 隆元
もうり だいぜんのだいぶ〔通称はしょうのたろう〕 おおえ の あそん たかもと
・桂 能登守〔通称不明〕 大江 朝臣 元澄
かつら のとのかみ〔通称不明〕 おおえ の あそん もとずみ
・桂 太郎 大江 朝臣 清澄
かつら たろう おおえ の あそん きよずみ
・小早川 中務大輔〔通称は又四郎〕 平 朝臣 隆景
こばやかわ なかつかさのたゆう〔通称はまたしろう〕 たいら の あそん たかかげ
・織田 右大臣〔右近衛大将。通称は三郎〕 平〔藤原、忌部〕 朝臣 信長
おだ うだいじん〔うこんえのだいしょう。通称はさぶろう〕 たいら〔ふじわら、いんべ〕 の あそん のぶなが
・羽柴 太政大臣〔通称は藤吉郎〕 豊臣 朝臣 秀吉
はしば だじょうだいじん〔通称はとうきちろう〕 とよとみ の あそん ひでよし

参考
安芸の夜長の暇語り
名城・名跡紀行(パクス・ジャポニカ Vol.3)
鳳山雑記帳

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Posted by 鷲谷 城州 at 22:00│Comments(0)趣味
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