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2019年08月22日

司馬遼太郎『関ヶ原』下

春日山城


皆さんこんばんは。
今回は司馬遼太郎『関ヶ原』下のブックレビューです。

参考:
『関ヶ原』上
『関ヶ原』中

というわけで、


『上』のレビューの時も『中』のレビューの時もまともに本の感想を述べていないのですが、今回こそは何とかブックレビューらしい内容に仕上げようと思います笑

まず、司馬遼太郎氏の作品を貫く姿勢というか、彼の作風なんでしょうが、歴史にはつきものの「イデオロギー」を超えて面白いというのがありますね。

僕は『中』の感想の時もさんざん述べているのですが、大の徳川家康びいきで、徳川家康が策謀家とか腹黒いといわれると悲しい気持ちになるのですが、さんざん腹黒そうな描写をしている本作品は読んでいてそんなに嫌な気持ちにならないんですね。

というのも、司馬遼太郎氏はあくまでフィクションを作っていて、ご本人の偏った考え方ももちろん投影されているのですが、歴史小説家の中では史料に忠実な方で、極めて科学寄りの小説を書いているんですね。

ですから、腹黒そうな家康を描写しつつも、それは石田方からの目線であって、「天下から争乱をなくす」という徳川方からの目線もある程度描写しているところがすばらしいです。
あくまでフラットなんです。
作品自体が石田よりだから石田方からの目線の描写が多くなっているだけです。

この作品における徳川家康を「腹黒い」と感じるのは読者の主観ですね。
もともと「徳川家康は腹黒い」という先入観があるからそう感じてしまうだけです。

そもそもが、天下を争うレベルの人間に善も悪もないんですよ。
現にそうですよね?
他人がある程度利己的かどうかって見抜けますよね?
あなたそんなにバカじゃないですよね?

自分の利益が大事だからこそ、「こいつは利己的だな」と思える人間にはついていきません。
いざというときには自分を守ってくれるかもしれない、と思わせられる人間にしか人はついていきません。

それを「人徳」といいます。

だから、徳川家康を悪人みたいに言うのやめましょうよ。
それは、明治政府のプロパガンダの影響下にある評論ですから。
(もちろん、彼を悪人だと評価する人がいて構いません。でないと議論が成立しませんから。それと、僕は石田三成の功績や能力、秀吉への忠誠心は大評価しています)

加藤虎之助の清正公ですとか、福島市松の正則公が信じた人なんですから、相当の人徳のあった方です。

あとは、これが定説になるまで何度も言い続けますが、関ヶ原の合戦は「徳川家vs豊臣家」の戦いではありませんから。
あくまで豊臣政権下の「徳川派vs石田派(毛利派)」の内紛ですから。

でなければ上の加藤清正や福島正則が家康につく意味が分かりません。
関ヶ原の戦いを「徳川家vs豊臣家」の戦いとして解釈するということは、「加藤清正や福島正則が義よりも利に転ぶ不忠者」と評価しているのと一緒ですから。
そんな人が彼らの「義」とか「忠」を礼賛しちゃいけない。
よく考えてください。

というわけで、結局のところ結論としては司馬遼太郎作品はやはり面白いです!笑

今回は以上です!

※画像はイメージです。

○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)※現代劇ですが、ときどき字や諱をもっている人がいるので。
・徳川 内大臣(通称は次郎三郎) 源 朝臣 家康
・石田 治部少輔(通称は佐吉) 下毛野?(平?) 朝臣 三成
・羽柴 太政大臣(通称は藤吉郎) 豊臣 朝臣 秀吉
※豊臣秀吉は「羽柴秀吉」から「豊臣秀吉」に改名したわけではない(参考:Wikipedia
・加藤 肥後守(通称は虎之助) 藤原(豊臣) 朝臣 清正
・福島 左衛門大夫(左衛門尉?通称は市松、市兵衛) 源(豊臣) 朝臣 正則
☆武家の「通称」の普及を切に願います!



参考
らんどくなんでもかんでも 8
なんとなく、、
酔流亭日乗

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記事を読んでいただき、ありがとうございました!他の記事もぜひご覧下さい。
次回は「ビジネスに活かす戦国合戦術①今山の合戦」。

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Posted by Sosuke Washiya at 22:00│Comments(0)
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