2019年04月16日
郡山城の合戦―相手の動きをプロファイリングする
《令和6年10月23日更新》
皆さんこんばんは。
今回は「合戦における戦術について」シリーズの第11弾ということで「郡山(こおりやま)城の合戦」について書きます。
『歴史と旅』増刊「日本合戦総覧(昭和63年1/10臨時増刊、秋田書店)」の作家の祖田浩一氏の記事を参考にしています。
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。
【これまでの記事】 | |
---|---|
・第1弾 勝弦峠の合戦 | ・第2弾 戸石城の合戦 |
・第3弾 長森原の合戦 | ・第4弾 三分一原の合戦 |
・第5弾 栃尾城の合戦 | ・第6弾 川中島の合戦 |
・第7弾 箕輪城の合戦 | ・第8弾 三増峠の合戦 |
・第9弾 七尾城の合戦 | ・第10弾 御館の乱 |
まずはどのような戦だったのかというと
天文(てんぶん)10年(1541年)、安芸吉田郡山(あき・よしだ・こおりやま)城にて尼子晴久と毛利元就との間に行われた合戦です。
尼子家の登場する他の記事を読みたい方は、下記リンクをタップしてください:
鳥取城の戦いに学ぶ―長期戦を避けるべし
同関連記事:
上月城の戦いに学ぶ―信頼の貯金を作る
同関連記事:
第二次月山富田城の合戦―万端過ぎるほどの準備をすべし
尼子経久の代に出雲(いずも)・隠岐(おき)・石見(いわみ)・伯耆(ほうき)・因幡(いなば)・安芸(あき)・備後(びんご)に勢力を広げ、孫晴久の代にはこれに加えて備中(びっちゅう)・備前(びぜん)・美作(みまさか)・播磨(はりま)を支配した尼子氏でしたが、安芸には毛利(もうり)氏がおり、全域を支配しているとはいいがたい状況でした。
毛利家の登場する記事:
『青天を衝け』第31回―井上家について
同関連記事:
安濃津城の戦いに学ぶ―小さな局面での勝敗に捕らわれない
同関連記事:
関ヶ原の戦いに学ぶ―相手に納得感を与える
そこで晴久は、一挙に毛利氏の本拠地をたたいて毛利氏との雌雄を決するため、安芸吉田郡山城を攻める決定をしました。祖父経久は病床で反対したのですが、晴久は断行しました。
毛利氏の拠る吉田郡山城は防衛について考えつくされた山城であるため、攻略は容易ではありません。
なおかつ、尼子軍は出雲月山富田城(がっさんとだじょう)からの遠征であったため疲弊しており、合戦は最初から尼子氏不利の展開でした。
そうこうしているうちに大内氏よりの援軍である陶隆房〔のちの晴賢〕の軍が毛利氏に加わり、尼子氏は惨敗します。
さて、この戦の勝因ですが、勝因云々というよりも尼子氏の自滅のような様相ですよね。
しかし、元就は並の策謀家ではなく、敵の自滅を待つのではなく絶対に勝ちにいっているはずです。
それが吉田郡山城の防衛力なんでしょうね。普段から敵から攻められることを想定して作っている城です(想定していない城なんて存在しませんが笑)。
(また、元就は城外の兵と城内の兵を巧みに用いて、尼子軍をたびたび挟撃しています)
ですから、勝因を挙げるとすれば、
・徹底的に敵からの攻略を防ぐ城構え
となるのでしょうか。
具体的な城構えは下記ブログさんをご覧ください。
では、本日はこの辺で!笑
次回の記事を読みたい方は、下記リンクをタップしてください:
【今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)】
・尼子 民部少輔〔通称は三郎〕 源 朝臣 晴久
あまご みんぶのしょう〔通称はさぶろう〕 みなもと の あそん はるひさ
・毛利 右馬頭〔通称は少輔次郎〕 大江 朝臣 元就
もうり うまのかみ〔通称はしょうのじろう〕 おおえ の あそん もとなり
・尼子 民部少輔〔通称は又四郎〕 源 朝臣 経久
あまご みんぶのしょう〔通称はまたしろう〕 みなもと の あそん つねひさ
・陶 尾張守〔通称は五郎〕 多々良 朝臣 隆房〔晴賢〕
すえ おわりのかみ〔通称はごろう〕 たたら の あそん たかふさ〔はるかた〕
参考
こにるのお城訪問記
安芸.石見地方神楽紀行
名城・名跡紀行(パクス・ジャポニカ Vol.3)
☆「この人の書いてること、ちょっと面白いかも」と思った方はぜひメルマガ登録してみてください!
歴史を学んで、知識をつけるだけではなく「歴史を活かして自分の生きたい人生を歩む」というテーマで、ブログでは語れない裏話や秘話などをお届けします。
↓こちらの画像をタップしてください↓
また、メルマガに登録してメルマガに記載されているメールアドレス宛にリクエストを送っていただければ、順次お応えします。
・○○(武将、合戦等)について語ってほしい
・大河ドラマ(『軍師官兵衛』以降)について語ってほしい
・今、○○について悩んでいるが、どの武将を参考にしたらいいか
…等々
ブログと違ってほぼリアルタイム配信なので、会話をしているかのようなコミュニケーションが楽しめます!
登録、お待ちしています!
※メルマガが迷惑メールフォルダや「プロモーション」フォルダに入っている可能性があります。
不定期配信なので、ちょこちょこチェックして、迷惑メールフォルダ等に入らないように設定しておいてください。
↓毛利元就に興味を抱かれたら、下記リンクをタップして関連書籍を購入して、ぜひ知識を増やしてみてください!
戦国人物伝 毛利元就 (コミック版 日本の歴史)
毛利元就 知将の戦略・戦術―――忍従の果て、ついに元就は決起した! (知的生きかた文庫)
「桶狭間」は経済戦争だった (青春新書インテリジェンス)
<毛利元就と戦国時代>調略の神髄にせまる (歴史群像デジタルアーカイブス)
※threadsやX(旧twitter)、facebookでのフォロー、お待ちしてます!
/
記事を読んでいただき、ありがとうございました!他の記事もぜひご覧下さい。
次回は「元号『令和』について」について。
//
今期イチオシ曲!ぜひ聞いてください!
【Cover】Nowhere Man / Joshu Washiya
※The Beatlesの楽曲のカバー。ボーカル・コーラスは筆者の声。楽器隊は打ち込みですが、機材が整い次第自分で演奏する予定です。
第二次国府台合戦に学ぶ―小さな勝ちに酔わない
大坂夏の陣に学ぶ―覚悟して手放す
大坂冬の陣に学ぶ―自分のプライドを自分でたたき折る
長谷堂城の戦いに学ぶ―算盤勘定をもつ
安濃津城の戦いに学ぶ―小さな局面での勝敗に捕らわれない
田辺城の戦いに学ぶ―不都合な現実を直視する
大坂夏の陣に学ぶ―覚悟して手放す
大坂冬の陣に学ぶ―自分のプライドを自分でたたき折る
長谷堂城の戦いに学ぶ―算盤勘定をもつ
安濃津城の戦いに学ぶ―小さな局面での勝敗に捕らわれない
田辺城の戦いに学ぶ―不都合な現実を直視する
Posted by 鷲谷 城州 at 20:00│Comments(0)
│趣味
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。