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2019年08月26日

今山の合戦―意識を向ければ情報が入る

佐賀城天守台
《令和5年10月16日更新》

皆さんこんばんは。
今回は新シリーズということで「ビジネスに活かす戦国合戦術」第1弾として「今山(いまやま)の合戦」について書きます。
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。

前回までのシリーズ「合戦における戦術について」(戦術シリーズ)が全然アクセス数が稼げなかったのと、書いていて合戦のやり方が何となくビジネスに活かせそうだなと感じたことによります。

戦術シリーズの記事を読みたい方は、下記リンクをタップしてください:
勝弦峠の合戦―自分の「負け」を利用する

そして何より、巷ではビジネス系の自己啓発本がウケてそうな印象があるので「ビジネス」という言葉を使えばアクセス数が伸びるのではないかというせこい考えによります笑

また、今まで通り『歴史と旅』増刊「日本合戦総覧(昭和63年1/10臨時増刊、秋田書店)」の記事をベースに他ブログさんの記事などを参考にさせていただいております(下記)。
今回の上記雑誌の記事は作家の小石房子氏によります。


関連記事:
沖田畷の合戦―「確実な勝利」を疑うべし

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耳川の合戦ー諍臣を愛せ

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ということで、


どういう合戦だったかというと、元亀(げんき)元年(1570年)、肥前(ひぜん)佐嘉(さが)城〔佐賀城〕近くの今山にて龍造寺隆信配下の鍋島信生〔のちの直茂〕と大友義鎮〔宗麟〕配下の大友親貞との間に起きた合戦です。

当時の大友(おおとも)氏は九州(きゅうしゅう)六か国〔豊前(ぶぜん)・豊後(ぶんご)・肥前・肥後(ひご)・筑前(ちくぜん)・筑後(ちくご)〕守護(しゅご)となり九州探題(きゅうしゅうたんだい)に任命され、破竹の勢いで北九州を制圧しておりました。
一方の龍造寺氏は少弐(しょうに)氏から自立し、有馬(ありま)氏や松浦(まつら)氏などを破ってようやく芽を出し始めた新興勢力でした。

大友義鎮は肥前を制圧すべく6万(8万という説あり)の大軍を擁して出陣します。
しかし、義鎮自身は佐嘉城を直接包囲せず、甥〔弟?〕の親貞に3千の兵を託します。
一方の龍造寺(りゅうぞうじ)方は5千。

親貞は佐嘉城をぐるりと囲み(下記ブログ「陰陽五行と…」さんの布陣(ふじん)図を見ると震えますね。佐嘉城は大友方のそうそうたる武将たちに囲まれています)、あとは城が落ちるのを待つだけという状況でしたが、ここで龍造寺方の鍋島信生が一つの提案をします。

それは、夜駆(よが)けにより親貞の陣を奇襲するという作戦。
信生は偵察により、親貞が前祝として酒宴を行うという情報をキャッチしていたからでした。

寡勢(かせい)で行う奇襲は、失敗すればそれがきっかけで戦の流れが一気に敗戦に流れていくこともあり、一種のばくちでした。
しかし、信生は自分が奇襲の大将をやるという条件で老臣を説き伏せ、700(300という説あり)の兵を率いて出陣したのでした。

そして、奇襲は見事成功。
酒に酔った親貞方は逃げまどい、龍造寺配下の成松信勝により親貞自身が討たれてしまいます。

この敗戦により、毛利(もうり)家の動きが気になり動けなかった義鎮は佐嘉城攻めをあきらめ、龍造寺家の大躍進が始まるのでした。
さらに言えば、のちに肥前佐賀藩主となる鍋島(なべしま)家の大躍進のきっかけでもあります。

西の桶狭間(おけはざま)と呼ばれる戦いです。


関連記事:
徳川家康の生涯を貫く思想―山岡荘八『徳川家康』第4巻

関連記事:
桶狭間の合戦―不利な状況を受け止める

この戦いの勝因としては、
・事前に敵方の酒宴を察知した情報力
・奇襲を老臣たちに納得させた説明力
・(経営側から見れば)奇襲という賭けを承認した決断力
などでしょうか。

まぁ結局、ビジネス的には上記のようなありがちな要素となりますが、そのままでは抽象的過ぎて何の役にも立ちませんね。
しかし実際に「情報力」というのはアンテナの立て方、意識の向け方によって変わってくる力なので「勝てる」と思わなければつかめないものです。
同じ情報でも、意識のもち方によって有用と見るか、見逃すかが変わってきますので、どんなに劣勢でも「勝てる」という信念をもつことが大切といえますかね。

そして、老臣たち(役員たち)に対する説明力ですが、これは日ごろの仕事っぷりによる信頼がなければ通らない話ですし、鬼気迫る中で冷静に説得力のある話ができるか、情熱をもって話せるかによると思います。


最後の経営陣視点の決断力ですが、これは部下に逆に信頼されていないと提案してもらえないので、それがめちゃめちゃ大事ですね。
「どうせ提案しても退けられる」という思いがあれば部下は提案しませんし、自分の能力に自信がなくても提案しに来ません。
もちろん部下自身の実力そのものも重要ですが、日ごろからちょこちょこ提案を採用しておくことが大事ですし、だれしも必ず「デキる」部分はあるのですから、日ごろからほめて認めておかないとだめです。

そして最終的には部下の責任を自分が負うという胆力ですかね。
これができない人多いですね笑

今回は以上です!

※画像はイメージです。

○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・龍造寺 山城守〔通称なのか官職なのか不明〕 藤原 (朝臣?) 隆信
りゅうぞうじ やましろのかみ〔通称なのか官職なのか不明〕 ふじわら の (あそん?) たかのぶ
・鍋島 左衛門大夫〔通称は孫四郎〕 源 朝臣 信生〔直茂〕
なべしま さえもんのだいぶ〔通称はまごしろう〕 みなもと の あそん のぶなり〔なおしげ〕
・大友 左衛門督〔通称は新太郎〕 藤原 朝臣 義鎮〔宗麟〕
おおとも さえもんのかみ〔通称はしんたろう〕 ふじわら の あそん よししげ〔そうりん〕
・大友 八郎〔官職不明〕 藤原 親貞
おおとも はちろう〔官職不明〕 ふじわら の ちかさだ
・成松 遠江守〔通称不明〕 藤原 信勝
なりまつ とおとうみのかみ〔通称不明〕 ふじわら の のぶかつ
☆武家の「通称」の普及を切に願います!

参考
鳳山雑記帳
布陣図があってわかりやすいです!
陰陽五行と くらしの風土記・古のメッセージ・・・
今山の合戦以前の肥前の様相について
だって、なも☆彡なんだもんっ!!

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次回は「日本人男性は実は無意識下でまだまだ女性を見下している」。

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Posted by 鷲谷 城州 at 22:00│Comments(0)趣味
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