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2018年01月31日

各合戦の動員人数について(2)権現山の戦い

京急神奈川駅夜景
《令和6年年3月13日更新》

皆さんこんばんは。
今回は1/11に始めた新シリーズ「各合戦の動員人数について」の第2弾です。
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。

第1弾 江古田原沼袋合戦

第2弾は…



権現山(ごんげんやま)の戦いということで(題名に書いていますが 笑)、そもそもこれがどんな戦いなのかという話ですね。

永正(えいしょう)7年(1510年)に武蔵国神奈川(むさしのくに・かながわ)〔神奈川県横浜市神奈川区(かながわけん・よこはまし・かながわく)〕の権現山城というところで起きた戦いです。
伊豆(いず)を支配下におき、相模小田原(さがみ・おだわら)城を陥落させて武蔵への進出を伺っていた伊勢宗瑞〔北条早雲〕が扇谷上杉(おうぎがやつ・うえすぎ)氏の重臣上田政盛に反乱を起こさせ、政盛が扇谷・山内(やまのうち)の両上杉家に攻められた戦いです。


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合戦の詳細は下記リンクをご覧いただくとして、この戦いは前回〔江古田原沼袋合戦(えごたはら・ぬまぶくろ・がっせん)〕と同じ関東(かんとう)で約30年後におきた戦いですね。

戦いの経緯を詳しく知りたい方は、下記リンクをタップしてください:
権現山の戦いから学ぶ―弱い者の戦い方

前回の江古田原沼袋とは地理的に近く、時代も近いです。
江古田原沼袋の頃は伊勢宗瑞はまだ今川(いまがわ)家の客将であり、この30年間で伊豆一国を治め小田原城を陥落させたわけですね。


伊勢宗瑞の登場する記事:
円覚寺(2)―戦国の兵火

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第一次国府台の戦いに学ぶ―「~はずがない」は失敗フラグ


合戦のやり方もおそらく「足軽軍法(あしがるぐんぽう)」が一般化していたと思いますので、動員人数には元々足軽が含まれているでしょうからカウントしやすいですね。

で、実際にこの戦いには何人が動員されていたのかというと「正枝のチャレンジ」さん、「はまれぽ.com」さんによると両上杉が2万人、上田政盛が2000人ということですね。

城攻めのセオリーとしては、篭城(ろうじょう)している人数の10倍は用意するのが普通なので、両上杉はセオリー通りに戦ったことになります。

この人数差で10日間で落城(らくじょう)したそうです。

ちなみに石高(こくだか)ごとの兵力を考えてみると、「大名が動員できる人数は?」さんによると内戦時には万石当たり350人ほどとのことなので、逆算して両上杉家は20,000÷350=57で57万石。
両上杉の領土はもっと大きそうな気がしますが、おそらく総動員ではなかったと思うので、まぁそんなもんでしょう。

対する上田政盛は2,000÷350=5.7で5万7000石となり、上田家は総動員でしたでしょうから領土として相応な感じがします。

ちなみに前回の太田道灌と豊島泰経の石高を考えてみると
道灌は1500÷350=4(万石)、豊島泰経は200×30÷350=17(万石)と、豊島氏は若干多すぎる気はするもののおかしくはない数字ですね。

結論(人数自体はそのまま載っていましたが)
上杉朝良・上杉憲房:20,000人(約57万石?)
上田政盛:2,000人(約5万7000石?)

ひとつひとつの合戦の動員人数だけを調べてみてもあまり面白くはありませんが、各合戦で比較してみると面白そうですね。

今回登場した人物のフルネーム
・伊勢 左京大夫?〔通称は新九郎〕 平 朝臣? 盛時〔長氏、入道早雲庵宗瑞。いわゆる北条 早雲〕
いせ さきょうのだいぶ?〔通称はしんくろう〕 たいら の あそん? もりとき〔ながうじ、入道そううんあんそうずい。いわゆるほうじょう そううん〕
・上田 蔵人〔通称か官職か不明〕 日奉 朝臣? 政盛?
うえだ くろうど〔通称か官職か不明〕 ひまつり の あそん? まさもり?
・太田 備中守〔左衛門少尉、左衛門大夫。通称は不明〕 源 朝臣 資長〔持資。入道道灌〕
おおた びっちゅうのかみ〔さえもんのしょうじょう、さえもんのだいぶ。通称は不明〕 みなもと の あそん すけなが〔もちすけ。入道どうかん〕
・豊島 勘解由左衛門尉〔通称不明〕 平 朝臣 泰経?
としま かげゆさえもんのじょう〔通称不明〕 たいら の あそん やすつね?
・(扇谷)上杉 治部少輔〔通称は五郎〕 藤原 朝臣 朝良
(おうぎがやつ)うえすぎ じぶのしょう〔通称はごろう〕 ふじわら の あそん ともよし
・(山内)上杉 兵庫頭?〔通称は五郎〕 藤原 朝臣? 憲房
(やまのうち)うえすぎ ひょうごのかみ?〔通称はごろう〕 ふじわら の あそん? のりふさ

※写真はイメージです。

参考
山紫水明の日本 ~残したい風景と暮らし
地球のしずく
お城散歩


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Posted by 鷲谷 城州 at 19:00│Comments(0)趣味
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