2019年06月03日
司馬遼太郎『関ヶ原』中―徳川家康の策略と歴史の真実
《令和6年9月19日更新》
皆さんこんばんは。
今回は3年ぶりのブックレビューでして、しかも3年前に読み終わって返してしまった本についてです笑
【これまでのブックレビュー】 | |
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・ポアロ |
司馬遼太郎氏の『関ヶ原(せきがはら)』の中の感想です。
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。
上巻についての記事を読みたい方は、下記リンクをタップしてください:
司馬遼太郎『関ヶ原』上
何しろ読んだのは3年前でして、さらに僕は山岡荘八氏の『徳川家康』のファンでありつつも、同時進行で両書を読んだので、多少こんがらがっているところはあります笑
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司馬遼太郎『関ヶ原』下
↓こちらの本について書いています。
関ケ原(中) (新潮文庫)
ですが、主人公であるためにめっちゃ家康びいきの荘八氏と、どちらかというと家康を謀略家として描いている司馬遼太郎氏の違いは面白かったですね。
下記ブログさんが石田三成と徳川家康のステレオタイプのイメージはこの『関ヶ原』によってできた、みたいなことを書いていらっしゃいますが、そうだとすればだいぶいいたいことはありますね。
そもそも、関ヶ原の戦いは豊臣(とよとみ)家vs徳川(とくがわ)家の戦いではありませんからね。
豊臣家の石田(いしだ)派〔毛利(もうり)派〕と徳川派の内紛ですからね。
結果的に徳川家は豊臣家に成り代わって天下を取りましたが、この戦いを、学校の教科書ですら豊臣家vs徳川家みたいに描いているのは恣意(しい)的な記述ですし、勉強不足であるといわざるを得ません。
よく考えてみてくださいよ。
徳川方には主力軍が参戦していないんですよ?
主力が嫡子(ちゃくし)秀忠についていて、戦場に到着していないのに家康は戦いを始めさせたんですよ?
それで、結果的に徳川方の主力になったのは福島正則や黒田長政などの豊臣家臣たちです。
彼らは家康贔屓(びいき)であったかもしれませんが、あくまで豊臣家臣(かしん)であり、豊臣秀頼のために参戦しています。
それに、徳川家康が豊臣家を滅ぼすためにこの戦いを仕掛けたのであれば、大坂(おおさか)城を攻めて秀頼を自害させるのに15年もかける意味がわかりません。
関ヶ原に勝った勢いでそのまま大坂になだれ込めば、秀頼は幼少なのだから簡単に落とせたはずです。
そもそも秀吉は織田(おだ)家を乗っ取っています。
秀吉の織田信孝の追い詰め方は相当えぐいですよ?
だから、もし家康が豊臣家の天下を掠(かす)め取ったという言い方をするのであれば、秀吉も織田家の天下を掠め取っていることになります。
ということで、司馬遼太郎氏の作品の感想など一切書かず、関ヶ原における徳川家康の評価で終わってしまいました笑
また次回!
次回の記事を読みたい方は、下記リンクをタップしてください:
司馬遼太郎『関ヶ原』下
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関ヶ原の戦いに学ぶ―相手に納得感を与える
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笠谷和比古『関ヶ原合戦―家康の戦略と幕藩体制―』
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『真田丸』、徳川家康が慌てすぎ(第35回)
※画像はイメージです。
○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・徳川 内大臣〔通称は次郎三郎〕 源 朝臣 家康
とくがわ ないだいじん〔通称はじろうさぶろう〕 みなもと の あそん いえやす
・石田 治部少輔〔通称は佐吉〕 下毛野?〔平?〕 朝臣 三成
いしだ じぶのしょう〔通称はさきち〕 しもつけぬ?〔たいら?〕 の あそん みつなり
・徳川 権中納言〔通称は不明〕 源 朝臣 秀忠
とくがわ ごんのちゅうなごん〔通称は不明〕 みなもと の あそん ひでただ
・福島 左衛門大夫〔通称は市兵衛、市松〕 源 朝臣 正則
ふくしま さえもんのだいぶ〔通称はいちべえ、いちまつ〕 みなもと の あそん まさのり
・黒田 甲斐守〔通称は吉兵衛〕 源 朝臣 長政
くろだ かいのかみ〔通称はきちべえ〕 みなもと の あそん ながまさ
・羽柴 権大納言〔通称は藤吉郎〕 豊臣 朝臣 秀頼
はしば ごんのだいなごん〔通称はとうきちろう〕 とよとみ の あそん ひでより
(文献上「羽柴」を名乗った例はないが、名字に該当するものは「羽柴」である)
・織田 侍従〔通称は三七郎〕 平〔忌部?、藤原?〕 朝臣 信孝
おだ じじゅう〔通称はさんしちろう〕 たいら〔いんべ?、ふじわら?〕 の あそん のぶたか
・羽柴 太政大臣〔通称は藤吉郎〕 豊臣 朝臣 秀吉
はしば だじょうだいじん〔通称はとうきちろう〕 とよとみ の あそん ひでよし
☆武家の「通称」の普及を切に願います!
参考
司馬遼太郎とビジネス書と農業関連本などを読む。
風吹く荒野をのんびりと
Cantabile
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自分が何のために生まれてきたのか?
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と思うとげんなりしませんか?
筆者もこれまで「誰かの決めた人生」を歩んできて、望まない方向に人生が進み、これまで培ってきた能力を無駄遣いし、消耗しきった人生を歩んできました。
しかし、ある方と出会って「自分の人生の歩み方」に触れ、自分が本当は何を求めているのかを知ることができるようになりました。
最初はスピリチュアルな話については(スピリチュアルの分野のすべてがあやしいわけではありませんが)少々距離を置きながらメルマガを読んでいたのですが、
きちんと論理的な説明をされる方だったので、
今ではファンになって結局会いに行ってしまいましたw
(自分で言いますが、上記のようなブログを書いている僕が「論理的」というのだから、信じてくださいw)
とりあえず、他人に振り回されて疲れを感じた方は下記リンクをタップして一読してみてください。
【創造者としての目覚め】
それで、納得した方だけその先に進んでもらえば大丈夫です。
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関ケ原(中) (新潮文庫)
関ケ原(下) (新潮文庫)
関ヶ原(上中下) 合本版
週刊司馬遼太郎 (週刊朝日MOOK)
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記事を読んでいただき、ありがとうございました!他の記事もぜひご覧下さい。
次回は「合戦における戦術について⑭第二次月山富田城の合戦」。
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今期イチオシ曲!ぜひ聞いてください!
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※The Beatlesの楽曲のカバー。ボーカル・コーラスは筆者の声。楽器隊は打ち込みですが、機材が整い次第自分で演奏する予定です。
「大きな欲」と「小さな欲」―山岡荘八『徳川家康』第6巻
苦難の時代の幕開け―山岡荘八『徳川家康』第5巻
山岡荘八『徳川家康』第4巻―徳川家康の生涯を貫く思想
山岡荘八『徳川家康』第3巻―言葉と人間の本質を見極めた「人間学」
山岡荘八『徳川家康』第2巻―これぞ徳川家の柱石・三河武士の死にざまだ!!
平和への願いとともに生まれた徳川家康―山岡荘八『徳川家康』第1巻
苦難の時代の幕開け―山岡荘八『徳川家康』第5巻
山岡荘八『徳川家康』第4巻―徳川家康の生涯を貫く思想
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山岡荘八『徳川家康』第2巻―これぞ徳川家の柱石・三河武士の死にざまだ!!
平和への願いとともに生まれた徳川家康―山岡荘八『徳川家康』第1巻
Posted by 鷲谷 城州 at 22:00│Comments(0)
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