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2019年02月27日

三増峠の合戦―撤退は計画的に

津久井湖
《令和6年9月14日更新》

皆さんこんばんは。
今回は「合戦における戦術について」シリーズの第8弾ということで「三増峠(みませとうげ)の合戦」について書きます。
『歴史と旅』増刊「日本合戦総覧(昭和63年1/10臨時増刊、秋田書店)」の羽村滋氏の記事を参考にしています。
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。

【戦術シリーズのこれまでの記事】
・第1弾 勝弦峠の合戦・第2弾 戸石城の合戦
・第3弾 長森原の合戦・第4弾 三分一原の合戦
・第5弾 栃尾城の合戦第6弾 川中島の合戦
・第7弾 箕輪城の合戦



まずはどのような戦だったのかというと


永禄(えいろく)12年(1569年)に相模国愛甲郡(さがみのくに・あいこうぐん)と津久井郡(つくいぐん)の境の三増峠〔現神奈川県愛甲郡愛川町(かながわけん・あいこうぐん・あいかわまち)〕にて武田信玄と北条氏照・氏邦との間に行われた合戦です。


武田信玄関連の記事を読みたい方は、下記リンクをタップしてください:
苦難の時代の幕開け―山岡荘八『徳川家康』第5巻

同関連記事:
野田城の合戦―統率力と「イメージ(印象)」の力

同関連記事:
三方ヶ原の合戦―最強の能力「豹変力」


同年5月に信玄は信濃(しなの)から上野(こうづけ)に侵入し、氏邦の武蔵鉢形(むさし・はちがた)城、氏照の滝山(たきやま)城を攻めて北条氏の本拠地相模小田原(おだわら)城に達しました。

しかし、すぐに攻城(こうじょう)をあきらめ甲斐(かい)に撤退しますが、その撤退時に行われたのがこの三増峠の合戦です。

合戦の内容には諸説あるのですが、小田原を撤退した信玄は「鎌倉(かまくら)に向かう」との流言飛語(りゅうげんひご)を流し、途中で折れて津久井方面に向かいます。

津久井には氏照・氏邦の部隊がすでに陣取っていましたが、信玄はそこを突破する作戦を採ります。
三増峠に到着する前に信玄は小幡重貞を津久井城に向かわせて城からの援軍を押さえ、山県昌景らを北条(ほうじょう)勢の背後に回らせました。

武田(たけだ)軍は緒戦(しょせん)こそ苦戦しますが、内藤昌豊に小荷駄(こにだ)を放棄させて戦いに参加させ、さらに背後の昌景らの急襲により北条軍は総崩(そうくず)れとなり、峠を突破することに成功し、甲斐に撤退します。

北条氏康も戦場に向かっていましたが、氏照・氏邦の敗退を聞いて小田原に引き返しました。

信玄の勝因としては

・鎌倉に向かうという流言により、北条氏康の本隊を陽動(ようどう)したこと
・あらかじめ津久井城勢を押さえることにより援軍を防いだこと
・山県昌景の隊を氏照・氏邦の背後に回らせることで挟み撃ちをしたこと

でしょうかね。

この戦いも、戦場周辺を俯瞰(ふかん)して両軍の動きを見極めたうえで、碁盤に碁石を配置するかのように用兵(ようへい)を行った信玄の匠さが伺えますね。

やはり戦上手です。


「撤退」についての記事:
天目山の戦いから学ぶ―撤退のベスト・タイミングとは

同関連記事:
金ヶ崎城の合戦―過去の実績にこだわらない

同関連記事:
川中島の合戦―場を俯瞰し、目先の動きに没入しない

同関連記事:
長森原の合戦―負け上手は合戦上手


※写真はイメージです。

今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・武田 大膳大夫〔通称は太郎〕 源 朝臣 晴信〔入道信玄〕
たけだ だいぜんのだいぶ〔通称はたろう〕 みなもと の あそん はるのぶ〔入道しんげん〕
・北条 陸奥守〔通称は源三〕 平 朝臣 氏照
ほうじょう むつのかみ〔通称はげんぞう〕 たいら の あそん うじてる
・北条 安房守〔通称は新太郎〕 平 朝臣 氏邦
ほうじょう あわのかみ〔通称はしんたろう〕 たいら の あそん うじくに
・小幡 (官職・通称不明) 平 重貞〔憲重〕
おばた (官職・通称不明) たいら の しげさだ〔のりしげ〕
・山県 三郎兵衛尉 源 昌景
やまがた さぶろうひょうえのじょう みなもと の まさかげ
・内藤 修理亮〔通称は源左衛門〕 藤原 朝臣 昌豊
ないとう しゅりのすけ〔通称はげんざえもん〕 ふじわら の あそん まさとよ
・北条 左京大夫〔通称は新九郎〕 平 朝臣 氏康
ほうじょう さきょうのだいぶ〔通称はしんくろう〕 たいら の あそん うじやす

参考
時空散歩
戦国武将列伝Ω
銀狐の つれづれシッポ通信


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次回は「ネット社会における精神力の消耗について」。

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Posted by 鷲谷 城州 at 20:00│Comments(0)趣味
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