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2019年11月14日

桶狭間の合戦―不利な状況を受け止める

桶狭間古戦場
《令和6年8月11日更新》

皆さんこんばんは。
今回は「ビジネスに活かす戦国合戦術」第6弾として「桶狭間(おけはざま)の合戦」について書きます。
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。


【これまでの記事】
・第1回 今山の合戦・第2回 耳川の合戦
・第3回 沖田畷の合戦・第4回 小豆坂の合戦
・第5回 長良川の合戦



『歴史と旅』増刊「日本合戦総覧(昭和63年1/10臨時増刊、秋田書店)」の徳永真一郎氏の記事をベースに他ブログさんの記事などを参考にさせていただいております(下記)。

ということで、


合戦の概要と三河情勢


言わずと知れた桶狭間の合戦ですが、よく知らない方もいらっしゃるかもしれないので、念のためどういう合戦だったのかを説明しておきます。

永禄(えいろく)3年(1560年)、尾張(おわり)桶狭間一帯〔愛知県名古屋市緑区(あいちけん・なごやし・みどりく)~豊明市(とよあけし)の辺り〕で今川治部大輔義元織田上総介信長の間で行われた戦いです。

尾張の隣国三河(みかわ)松平(まつだいら)家は一時三河を席捲し尾張にまで進出しますが、天文(てんぶん)4年(1535年)当主次郎三郎清康が、ついであとを継いだ広忠が天文18年(1549年)に暗殺され勢力を弱め、今川(いまがわ)家の支配を受けました。義元は同年、織田(おだ)家が支配していた三河安祥(あんじょう)城を攻めさせて落城させることに成功し、三河情勢は今川優勢となりました。


この辺りの事情についてもっと詳しく知りたい方は、下記リンクをタップしてください:
『麒麟がくる』第1~8回のまとめ(総集編第1回)

関連記事:
言葉と人間の本質を見極めた「人間学」―山岡荘八『徳川家康』第3巻

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『麒麟がくる』第21回―松平蔵人の親族

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徳川家康の生涯を貫く思想―山岡荘八『徳川家康』第4巻

関連記事:
山岡荘八『徳川家康』第2巻―これぞ徳川家の柱石・三河武士の死にざまだ!!

関連記事:
平和への願いとともに生まれた徳川家康―山岡荘八『徳川家康』第1巻





織田家の圧倒的不利


一方の織田家はというと、天文17年(1548年)に美濃(みの)斎藤道三と和睦(わぼく)したものの天文21年(1552年)に当主弾正忠信秀が死去しました。
嫡男(ちゃくなん)三郎信長が後を継ぎますが、弟勘十郎信勝〔信行〕の反乱や守護代(しゅごだい)織田家との戦いなどが相次ぎ、尾張一国の統一がやっと成ったというタイミングでした。

織田家の支援者であった美濃の斎藤(さいとう)家ですが、先日書いたように弘治(こうじ)2年(1556年)の長良川(ながらがわ)の合戦道三が敗死しました。
それによって織田家は道三の嫡子(ちゃくし)新九郎義龍と対立することになりました。

つまり、織田家としては三河の拠点を失い、統一したばかりの尾張は不安定な要素も多く、美濃からの支援も受けられないという、圧倒的に不利な状況でした。




甲相駿三国同盟


今川家はというと、天文23年(1554年)に武田信玄、北条左京大夫氏康と三国同盟〔いわゆる甲相駿(こうそうすん)三国同盟〕を結びました。
これによって後顧(こうこ)の憂いがなくなったこともあり、尾張へ侵攻する条件が完全に整った、といえる状況でした。




桶狭間本戦


そんなこんなで尾張へ侵攻した今川義元でしたが、織田家の勢力下の城や砦を各個撃破していったために、戦力が分散していたといわれています。
総勢で25,000といわれる今川勢ですが、実際に今川義元麾下(きか)としてそばにいたのは5,000人程度だったといわれています。

今川義元は各部隊が織田方の城砦を次々に落としているという報告を受けて気分をよくしていたといい、信長はというと、小勢を今川の支隊にぶつけ、敗退させることにより今川義元の油断を助長させたという説があります。

すっかり戦勝気分に酔いしれた義元は、いわゆる田楽狭間(でんがくはざま)と呼ばれる辺りで小休止し、兵たちに酒をふるまいました。

またちょうどそのころ大雨が降ったことにより気づかれずに義元の本陣に接近した信長は、雨が止むと同時に一気に突撃をかけ、あっという間に義元の首を取ったそうです。

(実はこの戦いは奇襲ではなかったとかの異説はいろいろとあるのですが、確信が得られるまでは通説に従うものとします)




信長の勝因


というわけでこの戦いの勝因は完全に信長の奇襲によるものなのですが、やはり真似のできない要素がいくつかありますよね。

・今川方25,000に対して織田方はわずか4,000なのに、籠城をせずに打って出たこと

ビジネスの現場に例えてこの状況を表現するのは非常に難しいのですが、抽象化すると、完全に不利な状況で定石とは逆の手を打った、ということですよね。

これって、なんでも定石と違う手を打てばいいというわけではないのはたぶん皆さんお分かりですよね。
おそらく信長には今川家が勢力を分散させているとか勝利に酔っているとか、そんな情報が入っていたのだと思います。

だから、ビジネス的には情報力と、不利な状況でもあきらめない精神力、ということになりますかね。
これ、生半可じゃできませんよね。





ビジネスに活かす要素は?


後は冷静な情報分析能力とか、不利な状況をリアルに真正面からとらえて認める、という能力も必要です。
これって、言葉にすると簡単にできそうなのですが、実はできている人は少ないです。

特に後者の「不利な状況を認める」という行為はできていない人が多いです。

いろいろな要素が複雑に絡み合っていますが、まずは「不利な状況を認める、受け止める」ということがいちばん大事なのではないかと思いました。

勝利も敗北も、すべてはそこから始まります。

今回は以上です!


次回の記事を読みたい方は、下記リンクをタップしてください:
稲葉山城の合戦―人に好かれる人が勝つ


※画像はイメージです。

○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・今川 治部大輔〔通称不明〕 源 朝臣 義元
いまがわ じぶのたゆう〔通称不明〕 みなもと の あそん よしもと
・織田 上総介〔右近衛大将、右大臣。通称は三郎〕 平〔藤原、忌部〕 朝臣 信長
おだ かずさのすけ〔うこんえのだいしょう、うだいじん。通称はさぶろう〕 たいら〔ふじわら、いんべ〕 の あそん のぶなが
・松平 次郎三郎 源 清康
まつだいら じろうさぶろう みなもと の きよやす
・松平 次郎三郎 源 広忠
まつだいら じろうさぶろう みなもと の ひろただ
・斎藤 山城守〔通称は新九郎〕 藤原 朝臣 利政〔道三。他多数〕
さいとう やましろのかみ〔通称はしんくろう〕 ふじわら の あそん としまさ〔どうさん。他多数〕
・織田 弾正忠〔通称は三郎〕 藤原〔忌部〕 朝臣 信秀
おだ だんじょうのちゅう〔通称はさぶろう〕 ふじわら〔いんべ〕 の あそん のぶひで
・織田 弾正忠〔武蔵守。通称は勘十郎〕 藤原〔忌部〕 朝臣 信勝〔信行〕
おだ だんじょうのちゅう〔むさしのかみ。通称はかんじゅうろう〕 ふじわら〔いんべ〕 の あそん のぶかつ〔のぶゆき〕
・斎藤 治部大輔〔通称は新九郎〕 藤原 朝臣 高政〔義龍〕
さいとう じぶのたゆう〔通称はしんくろう〕 ふじわら の あそん たかまさ〔よしたつ〕
・武田 大膳大夫〔通称は太郎〕 源 朝臣 晴信〔入道信玄〕
たけだ だいぜんのだいぶ〔通称はたろう〕 みなもと の あそん はるのぶ〔入道しんげん〕
・北条 左京大夫〔通称は新九郎〕 平 朝臣 氏康
ほうじょう さきょうのだいぶ〔通称はしんくろう〕 たいら の あそん うじやす
☆武家の「通称」の普及を切に願います!

参考
子供たちの豊かな未来を創造する、英語・知育開発・幼児教材のいずみ書房株式会社
名大社スタッフブログ
戦国武将列伝Ω


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Posted by 鷲谷 城州 at 22:00│Comments(0)趣味
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