2019年05月02日
第一次月山富田城の合戦―相手の疲労をさそう
《令和6年5月20日更新》
皆さんこんばんは。
今回は「合戦における戦術について」シリーズの第12弾ということで「月山富田(がっさんとだ)城の合戦」について書きます。
『歴史と旅』増刊「日本合戦総覧(昭和63年1/10臨時増刊、秋田書店)」の作家の祖田浩一氏の記事を参考にしています。
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。
参考
第1弾 勝弦峠の合戦
第2弾 戸石城の合戦
第3弾 長森原の合戦
第4弾 三分一原の合戦
第5弾 栃尾城の合戦
第6弾 川中島の合戦
第7弾 箕輪城の合戦
第8弾 三増峠の合戦
第9弾 七尾城の合戦
第10弾 御館の乱
第11弾 郡山城の合戦
まずはどのような戦だったのかというと
天文(てんぶん)11年(1542年)、大内義隆と尼子晴久との間に行われた戦いです。
前年の郡山(こおりやま)城の合戦に敗れた晴久は急速に求心力を失い、三沢為清、三刀屋久扶ら13将は義隆への手引きを約束しました。
郡山城の戦いについて知りたい方は、下記リンクをタップしてください:
郡山城の合戦―相手の動きをプロファイリングする
尼子家の登場する他の戦い:
鳥取城の戦いに学ぶ―長期戦を避けるべし
同関連記事:
上月城の戦いに学ぶ―信頼の貯金を作る
義隆はそれに乗じて毛利元就を含む配下の部将(ぶしょう)、国人(こくじん)らを率いて尼子(あまご)領を攻めます。
しかし途中、赤穴光清の守る瀬戸山(せとやま)城攻めに時日を費やした上、月山富田城は堅城だったためなかなか落とせませんでした。
その間大内(おおうち)方の士気は下がり、為清、久扶ら内応(ないおう)を約束した元尼子方の部将ら5人が再び尼子方に寝返り、勝ち目がないと判断した義隆は退却しました。
大内方の撃退に成功した尼子軍の勝利でありますが、勝因はやはり赤穴光清の奮戦ですね。
大内方の遠征軍にとってみれば戦が長引けば長引くほど消耗し、士気が下がるのは当然ですから、2ヶ月ほど敵地で足止めを喰らい、頑強に抵抗されたことで疲弊します。
その上、疲れた状態で攻めた月山富田城は落ちない。
これは大内方にとってはたまりませんね。
というわけで尼子方の勝因としては
・長期戦に持ち込むことによって相手方の疲労を誘った
ということに成りましょうか。
これ、戦でなくても有効な手立てですが、慎重にやらないと相手の怒りを誘うため危険です。
乱発はしない方がいいですね笑
関連記事:
第二次月山富田城の合戦―万端過ぎるほどの準備をすべし
毛利元就関連の記事:
厳島の合戦―相手の心理を読み、周到に準備する
同関連記事:
安濃津城の戦いに学ぶ―小さな局面での勝敗に捕らわれない
※画像はイメージです。
【今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)】
・大内 大宰大弐〔周防介。通称不明〕 多々良 朝臣 義隆
おおうち だざいにだいに〔すおうのすけ。通称不明〕 たたら の あそん よしたか
・尼子 民部少輔〔通称は三郎〕 源 朝臣 晴久
あまご みんぶのしょう〔通称はさぶろう〕 みなもと の あそん はるひさ
・三沢 左京亮〔通称は三郎左衛門〕 源 朝臣 為清
みさわ さきょうのすけ〔通称はさぶろうざえもん〕 みなもと の あそん ためきよ
・三刀屋 弾正〔新四郎。官職不明〕 源 (朝臣?) 久扶〔久祐〕
みとや だんじょう〔しんしろう。官職不明〕 みなもと の (あそん?) ひさすけ〔ひさすけ〕
・毛利 右馬頭〔通称は少輔次郎〕 大江 朝臣 元就
もうり うまのかみ〔通称はしょうのじろう〕 おおえ の あそん もとなり
・赤穴 備中守〔通称不明〕 三善 朝臣 光清
あかあな びっちゅうのかみ〔通称不明〕 みよし の あそん みつきよ
参考
安芸の夜長の暇語り
こにるのお城訪問記
癒しの温泉
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※筆者が中学生の時に作詞・高校生の時に作曲した曲を平成22年に自作RPGのBGM用に再アレンジしたものです。
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Posted by 鷲谷 城州 at 20:00│Comments(0)
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