2020年12月18日
山崎の戦いに学ぶ―大事なことをひとつ決める

皆さんこんばんは。
今回は「ビジネスに活かす戦国合戦術」第36弾として、「山崎(やまざき)の戦い」について、ビジネス的視点で学んでいこうと思います。
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。
※『歴史と旅』増刊「日本合戦総覧(昭和63年1/10臨時増刊、秋田書店)」の堀和久氏の記事をベースに他ブログさんの記事などを参考にさせていただいております(下記)。
日々の仕事に忙殺されている人は多いと思います。
仕事をやってもやっても終わらない。
次から次へと仕事が湧いてきて、毎日残業残業。
もうへとへとですよね。
たぶん、大抵の人は「仕事をするスピード」とか「自分の能力」が低いせいで仕事が終わらない、と認識していると思うんですが、僕はそうではないと思っています。
そういう時はどうすればいいのか、「山崎の戦い」での羽柴筑前守秀吉(以降「(羽柴)筑前守)の動きから学びたいと思います。
羽柴筑前についてもっと知りたい方は、下記リンクをクリックしてください(関連記事に飛びます):
小牧長久手の戦いに学ぶ―勝ちすぎてはいけない
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山崎の戦い流れ
天正(てんしょう)10年(1582年)6月2日、京都・本能寺(きょうと・ほんのうじ)を襲撃した明智日向守光秀(以降「(明智)日向守」)は、主君であった織田前右大臣信長(以降「(織田)右府(うふ)」)を自害させ、二条(にじょう)城を攻めて右府の長男・左近衛中将信忠をも同様に自害に追い込みます。
明智日向守関連の記事:
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変後、日向守は京都の治安維持を終え、近江(おうみ)を抑えるべく安土(あづち)城へ向かいました。
ところが勢多(せた)城主・山岡美作守景隆兄弟が瀬田(せた)の橋を焼いたため渡ることができず、足止めを食らいます。
6月5日になってようやく橋を架けなおすことができた日向守は安土城に入ります。
日向守の家臣たちは近江の城を次々と押さえ、北陸(ほくりく)の柴田修理亮勝家の襲来に備えたと言います。
8日になって日向守は、備中(びっちゅう)に出陣していた羽柴筑前守が畿内(きない)に取って返していることを知り、坂本(さかもと)城に移ります。
同日、日向守は正親町天皇の子・誠仁親王の祝賀により天下人として認められます。
9日になって、日向守は羽柴筑前守を警戒して山崎に陣を張ります。
12日、筑前守の先手が山崎に到着し、両者のにらみ合いとなり、13日には羽柴方の中川瀬兵衛清秀と明智方の伊勢伊勢守貞興の隊が衝突し、開戦となります。
戦闘開始から2時間後、羽柴方の池田紀伊守恒興の部隊が明智方の津田信春隊を破ったことで明智軍は崩れます。
日向守は勝竜寺(しょうりゅうじ)城を経て坂本城へ向かいますが、途中の小栗栖(おぐるす/おぐりす)の藪で落ち武者狩りに遭い、命を落とします。
(自害したという説もあり)
中国大返しから学ぶ
この戦いはやはり、筑前守が常軌を逸するスピードで畿内へ反転した「中国大返し」が大きなインパクトをもっていますね。
備中高松(たかまつ)城から山城(やましろ)・山崎までの約230kmを大軍団で10日ほどで移動したということですが、車や電車生活に慣れた我々現代人からしてみるとそのすごさがイマイチわかりにくいですね。
毎日同じ距離を移動したわけではないでしょうが、10日間で230kmというのは平均すると一日23kmとなりますよね。
人の歩く速度は時速4kmほどと言われていますが、甲冑(かっちゅう)や糧食(りょうしょく)などもある状態で一日6時間ほどは歩いていることになりますね。
それを10日間…
へとへとどころではありませんね。
と、そのすごさを想像したところで、この羽柴筑前守の「大返し」を抽象化して「仕事のスピード」という観点で考えてみましょう。
冒頭に書いたように、日々仕事に追われている方は多いと思います。
その仕事をまともにすべてやろうとするととてもじゃないけど終わらないんですよね。
関連記事:
鳥取城の戦いに学ぶ―長期戦を避けるべし
上記記事に書いていますが、「やらなくていい仕事はどんどん切ってください」というと、大抵の人は「やらなくていい仕事なんてない」と言います。
今やっている仕事は全部大事だ、と。
いや、そんなことないんですよ。
絶対にやらなくていい仕事があります。
それは何なのかと考える手がかりになるのが、「いちばん大事なことをひとつ決める」ということですね。
羽柴筑前が「中国大返し」を成功させたとき、おそらく彼は「いち早く畿内に戻ること」だけを優先したのだと思うんです。
他のことは切って切って切りまくったのだろうと思います。
そうして勝ち取ったのが山崎の戦いでの勝利と、織田家内でのイニシアティヴです。
今、自分がやっている仕事の中で最も大事なことをひとつ決め、それ以外は切る。
そうすると自ずと仕事がやりやすくなっていくはずなんですよね。
そして、おそらくどの仕事にとっても共通して大事なことがあります。
それは「早く正確にやること」。
「ひとつ」に決めた仕事を「早く正確に」仕事をこなすための業務に全力を注ぐべきだと思うんです。
仕事の効率化ってのは結構後回しにされがちです。
ですが、一番大事なのは仕事の効率化・システム化です。
簡単に、楽して同じクオリティの仕事ができるようにすることに全力を尽くすべきだと思うんですよね。
まずは最も大事なことをひとつだけ決め、多少の犠牲を払ってでもそれを簡単に楽にこなすために「効率化・システム化」に全力を注ぐことで仕事の状況は改善していくはずです。
ということで、今回は「大事なことをひとつ決める」ということについて説明させていただきました。
まだまだ説明したいことはたくさんありますが、今回は以上です!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
以下もご覧ください!
○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
※よみがなは代表的なものです。
・羽柴(木下) 筑前守(通称は藤吉郎) 平(豊臣) 朝臣 秀吉
→はしば(きのした) ちくぜんのかみ(通称はとうきちろう) たいら(とよとみ) の あそん ひでよし
・明智(惟任) 日向守(通称は十兵衛) 源(大神) 朝臣 光秀
→あけち(これとう) ひゅうがのかみ(通称はじゅうべえ) みなもと(おおが) の あそん みつひで
・織田 右大臣(右府。総見公。通称は三郎、上総介) 平(藤原、忌部) 朝臣 信長
→おだ うだいじん(うふ。そうけんこう。通称はさぶろう、かずさのすけ) たいら(ふじわら、いんべ) の あそん のぶなが
・山岡 美作守(通称不明) 伴 朝臣 景隆
→やまおか みまさかのかみ(通称不明) とも の あそん かげたか
・柴田 修理亮(通称は権六(郎)) 源 朝臣 勝家
→しばた しゅりのすけ(通称はごんろく(ろう)) みなもと の あそん かついえ
・方仁(諡号:正親町帝)
→みちひと(諡号:おおぎまちのみかど)
・誠仁
→さねひと
・中川 瀬兵衛 源 清秀
→なかがわ せべえ みなもと の きよひで
・伊勢 伊勢守(通称は与三郎) 平 朝臣 貞興
→いせ いせのかみ(通称はよさぶろう) たいら の あそん さだおき
・池田 紀伊守(通称は勝三郎) 源 朝臣 恒興(信輝、勝入)
→いけだ きいのかみ(通称はかつさぶろう) みなもと の あそん つねおき(のぶてる、しょうにゅう)
・津田 (官職・通称不明) (平?藤原?忌部?) 信春
→つだ (官職・通称不明) (たいら?ふじわら?いんべ? の) のぶはる
☆武家の「通称」の普及を切に願います!
参考
京都を歩くアルバム
山歩き町歩き日記
応仁の乱以降の畿内史
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Posted by 鷲谷 城州 at 20:00│Comments(0)
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