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2021年07月14日

『青天を衝け』第15回―三島家について

大阪・土佐堀川と淀屋橋
《令和5年11月4日更新》

皆さんこんばんは。
今回は令和3年の大河ドラマ『青天を衝け』第15回に関しての楽しみ方を解説したいと思います。

大河ドラマを見てみたけれど、歴史もよくわからないし、どう楽しんでいいのかわからない
歴史には興味あるけど、自分では積極的に勉強する気になれない、という方必見です!
※記事下部に人物の読み仮名をのせています。

【『青天を衝け』の楽しみ方】
・第1回―渋沢家について ・第2回―身分秩序について
・第3回―平岡家について ・第4回―阿部家について
・第5回―藤田家について ・第6回―美賀君の血筋
・第7回―井伊家について ・第8回―岩瀬忠震の出自
・第9回―安政頃の西郷吉之助 ・第10回―安藤信正について
・第11回―高崎城について・第12回―一橋徳川家について
・第13回―越前松平家について・第14回―島津家について


まずはあらすじ。



第15回のあらすじ


元治(げんじ)元年(1864年)、正式に一橋(ひとつばし)家に仕えた渋沢栄一美雄(吉沢亮)は上席の平岡円四郎方中(堤真一)に「見た目が武士らしくない。せめて名前だけでも武士らしくしたらいい」と言われ、新たに「篤太夫」という名を与えられた。

また、従兄の喜作英明(高良健吾)は「成一郎」という名を受領した。

篤太夫は、円四郎に「薩長(さっちょう)の動向を知らなければ京(きょう)を守ることはできない」と進言した。

それを受けた円四郎は、早速篤太夫に薩摩藩(さつま・はん)関係者のところへの潜入を命じた。

薩摩藩士であり摂海防禦御台場築造御用掛(せっかい・ぼうぎょ・おだいば・ちくぞう・ごよう・がかり)となっていた折田要蔵年秀(徳井優)の動向を探るため、その内弟子となったのである。

故郷である血洗島(ちあらいじま)の従兄・尾高新五郎惇忠(田辺誠一)の塾に全国から志士(しし)が集まっていたことから、薩摩弁も江戸(えど)弁も聴きとることができた篤太夫は、薩摩弁を聴きとれない会津(あいづ)藩士たちに重宝がられていた。

それを見ていた薩摩藩士・三島弥兵衛通庸(松村龍之介)らは篤太夫を幕府(ばくふ)の間者(かんじゃ)と疑い暗殺を考えるが、篤太夫は西郷吉之助隆永(博多華丸)により救われた。

こうした篤太夫の活躍もあり、主君である一橋権中納言慶喜(草彅剛)は無事、朝廷(ちょうてい)により「禁裏御守衛総督(きんり・ごしゅえい・そうとく)という役職に任命されることとなった。

ということで、


第15回「篤太夫、薩摩潜入」の感想


この回も面白かったですね。

やはり、円四郎と篤太夫・成一郎の軽妙なやり取りがたまりませんね。

これから深刻な展開に向かうため、今の内に癒しを与えておこうという制作側の魂胆なのかもしれませんw
(よい魂胆だと思いますw)

そして、西郷吉之助を演じた博多華丸氏。
最高でしたね!

最近はバラエティで見ても流れを無視したオヤジギャグしか言わないのでつまらなく思ってましたが、演技めちゃめちゃうまいですね!

俳優業の方に力が入っていたのでしょうか?
本職の役者さんもたじたじではないかという迫力のある演技でした。


西郷吉之助が主人公の大河ドラマ『西郷どん』についての記事を読みたい方は、下記リンクをタップしてください:
『西郷どん』、岩倉具視が残念(第26~30回)

関連記事:
『青天を衝け』第9回―安政頃の西郷吉之助

関連記事:
『西郷どん』第46~47回―不覚にも感動しました


さらに、今回やっと三島弥兵衛通庸が登場しましたね。

『いだてん』で息子の三島弥彦が活躍するにもかかわらず、前年の『西郷(せご)どん』ではちらっとも出てこず不満だったのですが、やっと大河お目見えですw

おそらく明治編で再登場すると思いますので、楽しみにしています!


関連記事:
『西郷どん』第21~25回―戦慄の寺田屋

関連記事:
『いだてん』第23~24回―前半戦終了!

関連記事:
『いだてん』、めでたい(第14~15回)




第15回の楽しみ方―三島家について―


今回は、折田要蔵年秀の塾に一瞬登場していた三島弥兵衛通庸の三島(みしま)家について書こうと思います。

三島家と言えば、弥兵衛自身が上記のように『西郷どん』にも登場するチャンスがあり(登場しませんでしたが)、息子の弥彦は金栗四三とともに日本初のオリンピック出場選手として、同じく上記『いだてん』で活躍していました。

『西郷どん』や『いだてん』の時には調べが足りていなくてその由来はわからなかったのですが、今回、ついにその出自が判明しましたw

氏は越智(おち)氏で、なんと伊予(いよ)の名族河野(こうの)氏と同族であるとのことです。

その大元は天智天皇(てんじてんのう)2年(663年)に白村江(はくすきのえ)の戦いに参陣した越智守興に始まるとされています。

守興の子、玉澄と玉守(玉興?)は文武天皇(もんむてんのう)3年(699年)に都落ちしているのですが、その際に備中(びっちゅう)で飲料水に困った時に湧き水を得た故事から玉澄は「河野」の名字を名乗るようになります。

播磨屋.comさんによれば、この河野玉澄の末裔(まつえい)が伊予国一宮(いちのみや)大山祇(おおやまづみ)神社、通称三島社(みしましゃ)の大祝(おおほうり)となり三島氏を名乗ったとのことです。

しかし、河野家の系図を見てみると(※)21代当主(異説では河野家の祖)伊予権介親清が「三島四郎」という通称を名乗っていたようで、その末裔である可能性もあります。
※参考:Wikipedia(河野氏)

弥兵衛が「通庸」の諱(いみな)を名乗っているように薩摩三島家の通字は「通」であり、本人たちも伊予河野家の末裔を名乗っていたようなので(※1)、弥兵衛の頃には三島四郎の末裔と伝わっていたのかもしれません(※2)。
※1 参考:三島氏系図
※2 子の三島弥太郎や弥彦の諱は不明ですが、その子孫たちが「通」のつく諱を名乗っているところを見ると、弥太郎や弥彦も諱を隠しもっていたのではないかと推察します。


しかし、河野玉澄又は三島四郎から弥兵衛の父・通純までのつながりはわからず、どちらからつながるのかは現時点ではわかりませんでした。

ともかくも、弥兵衛通庸は明治時代には東京府参事(とうきょうふさんじ)警視総監(けいしそうかん)として活躍しており、渋沢栄一ともかかわりがあるので、今後の『青天を衝け』でも再登場すると思われます。

※ちなみに、伊予河野氏の一族には西美濃三人衆(にし・みの・さんにんしゅう)の一人・稲葉一鉄や織田右府信長の後見役であった林佐渡守秀貞、その曽孫で一鉄の養孫・春日局(かすがのつぼね)の夫でもある稲葉内匠頭正成がいます。
また、初代内閣総理大臣(ないかく・そうりだいじん)である伊藤俊輔博文は伊予河野家の分流である林(はやし)家の出身を名乗っており、氏を「越智」としています。


稲葉一鉄関連の記事:
『麒麟がくる』第38回―斎藤内蔵助について

同関連記事:
『麒麟がくる』第15~16回―織田一族の関係性と斎藤新九郎高政の重臣たち

伊藤俊輔博文の登場する記事:
『いだてん』、さらに感動した(第9~11回)


こんな感じで、ドラマの背景にある知識が分かるとドラマをもっと楽しめます!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

以下もご覧ください!

※トップ画像はイメージです。

○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・渋沢 篤太夫〔栄一、栄二郎、栄一郎〕 源 美雄
しぶさわ とくだゆう〔えいいち、えいじろう、えいいちろう〕 みなもと の よしお?
・平岡〔岡本〕 円四郎 源?〔清原?〕 方中
ひらおか〔おかもと〕 えんしろう みなもと?〔きよはら?〕 の けたち
・渋沢 成一郎〔喜作〕 源 英明
しぶさわ せいいちろう〔きさく〕 みなもと の ひであき?
・折田〔三国屋〕 要蔵 (忌部?藤原?)  年秀
おりた〔みくにや?〕 ようぞう (いんべ?ふじわら? の) としひで?
・尾高 新五郎 (氏不明) 惇忠
おだか しんごろう (氏不明) あつただ〔ドラマでは有職読みで「じゅんちゅう」と呼ばれています〕
・三島 弥兵衛 越智 通庸
みしま やへえ おち の みちつね
・西郷 吉之助〔吉之介〕 藤原 隆永〔隆盛〕
さいごう きちのすけ〔きちのすけ〕 ふじわら の たかなが〔たかもり〕
・(一橋)徳川〔松平〕 権中納言〔幼名は七郎麻呂〕 源 朝臣 慶喜〔昭到〕
(ひとつばし)とくがわ〔まつだいら〕 ごんのちゅうなごん〔幼名はしちろうまろ〕 みなもと の あそん よしのぶ〔あきむね〕
・三島 弥彦 越智 (諱不明)
みしま やひこ おち の (諱不明)
・金栗 四三 (氏不明) (諱不明)
かなくり しそう (氏不明) (諱不明)
・越智 守興
おち の  もりおき
・河野 (官職・通称不明) 越智 玉澄
かわの (官職・通称不明) おち の たますみ 
・越智 玉守〔玉興?〕
おち の たまもり〔たまおき?〕
・河野〔三島〕 伊予権介〔通称は四郎。河野冠者〕 越智 朝臣 親清
こうの〔みしま〕 いよごんのすけ〔通称はしろう。こうののかじゃ〕 おち の あそん ちかきよ
・三島 (官職・通称不明) 越智 通純
みしま (官職・通称不明) おち の みちずみ?
・稲葉 伊予守〔通称は彦六郎〕 越智〔橘〕 朝臣 良通〔一鉄〕
いなば いよのかみ〔通称はひころくろう〕 おち〔たちばな〕 の あそん よしみち〔いってつ〕
・織田 前右大臣兼前右近衛大将〔通称は三郎〕 平〔藤原、忌部〕 朝臣 信長
おだ さきのうだいじんけんうこんえのだいしょう たいら〔ふじわら、いんべ〕 の あそん のぶなが
・林 佐渡守〔但馬守。通称は新五郎〕 越智 朝臣 秀貞〔俗に通勝〕
はやし さどのかみ〔たじまのかみ。通称はしんごろう〕 おち の あそん ひでさだ〔俗にみちかつ〕
・稲葉 内匠頭〔佐渡守。通称不明〕 越智 朝臣 正成
いなば たくみのかみ〔さどのかみ。通称不明〕 おち の あそん まさなり
・内閣総理大臣 伊藤〔林〕 俊輔〔春輔〕 越智〔藤原〕 朝臣 博文
ないかくそうりだいじん いとう〔はやし〕 しゅんすけ〔しゅんすけ〕 おち〔ふじわら〕 の あそん ひろぶみ
☆武家の「通称」の普及を切に願います!

参考
ゆーくんはどこ?
韓ドラ大好きおばさんの「言いたい放題いわせてヨ!」
はなはなブログ

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記事を読んでいただき、ありがとうございました!他の記事もぜひご覧下さい。
次回は『青天を衝け』第16回について。

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Posted by 鷲谷 城州 at 20:00│Comments(2)テレビ
この記事へのコメント
薩摩三島氏が、伊予越智氏の出自というのは、驚きです。

実はわたしは小学生時代を伊予松山で過ごしており、越智という名字の友人知人が
何人もいます。
越智氏という名字が、伊予に多い理由も分かりました。
名前って歴史ですねー。
勉強になります。
Posted by ゆーくんまま at 2021年08月03日 08:14
>ゆーくんままさん

越智さん、いまだに松山にたくさんいらっしゃるのですね❗

実は最近、僕の曾祖母が伊予郡出身だと分かり、衝撃を受けていますw

名字は「M好」で、伊予郡や松山に結構同じ名字の方がいらっしゃると聞きました。
(戦国時代に畿内を騒がせた某三人衆と同じ名字です)

実際に多いのでしょうか?
Posted by 鷲谷 城州 (旧通称:壮介)鷲谷 城州 (旧通称:壮介) at 2021年08月03日 12:31
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