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2021年05月15日

『青天を衝け』第7回―井伊家について

佐久市


皆さんこんばんは。
今回は令和3年の大河ドラマ『青天を衝け』第7回に関しての楽しみ方を解説したいと思います。

大河ドラマを見てみたけれど、歴史もよくわからないし、どう楽しんでいいのかわからない
歴史には興味あるけど、自分では積極的に勉強する気になれない、という方必見です!
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。

【『青天を衝け』の楽しみ方】
・第1回―渋沢家について ・第2回―身分秩序について
・第3回―平岡家について ・第4回―阿部家について
・第5回―藤田家について ・第6回―美賀君の血筋


まずはあらすじ。



第7回のあらすじ


安政(あんせい)5年(1858年)、渋沢栄一(吉沢亮)の従兄(いとこ)であり尾高惇忠(田辺誠一)の弟である長七郎(満島真之介)が江戸(えど)に旅立つという。

その話を聞きつけて、栄一の従兄の喜作(高良健吾)は惇忠、長七郎に、彼らの妹である千代(ちよ)(橋本愛)との結婚を申し込んだ。

幕府(ばくふ)では阿部伊勢守正弘(大谷亮平)が亡くなり、堀田備中守正睦(佐戸井けん太)が老中首座(ろうじゅう・しゅざ)となった。

備中守は開国(かいこく)派であり、幕府が一気に開国に傾いたことに焦った徳川権中納言斉昭(竹中直人)は京都(きょうと)に幕府とは異なる意見を書いた手紙を送っていた。

一橋参議慶喜(草彅剛)はそんな父を諫(いさ)めるのであった。

血洗島(ちあらいじま)では尾高惇忠らが江戸に滞在する長七郎からの手紙を受け取っていた。

彼の手紙に触発された栄一は、惇忠を連れた商いの旅の中自分の千代への想いを確認し、血洗島に戻ると駆け出し、千代を探して想いを告げるのであった。

幕府では、13代将軍・徳川内大臣家定(渡辺大知)が自分よりも一橋慶喜を推す松平越前守慶永(要潤)らを煙たがり、たまたま茶会の席で目の前にいた井伊掃部頭直弼(岸谷五朗)に目を向けるのであった。

ということで、


第7回「青天の栄一」の感想


この回も非常に面白い回でした!

通常、大河で恋愛を扱うとなんとなく不自然だったり気持ち悪く感じたりするのですが、今回は割と大丈夫でしたw

※この記事を書いていてなんとなくわかってきたのですが、大体いつもアラフォーとかアラフィフとかの俳優・女優がウブな10代の初恋を演じることに違和感を感じていたのかもしれません。

実は今回の栄一の「胸がグルグルする~」もカマトトな感じで少し気持ち悪かったのですが、異性を知り、ひと段落した年代が10代の不器用な恋愛を描こうとするのは難しいのかもしれません。



恋愛関連の記事を読みたい方は、下記リンクをクリックしてください:
当方30代男性だが、男性ゆえの固定観念に悩まされたことはあんまりない

同関連記事:
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同関連記事:
生涯未婚率の向こう側にある根本的な問題


青天に手を伸ばすシーンもよかったですね。

よくぞあの格好で登ったなと思います。
僕なんて山の格好をしていてもつらく感じると思いますw

あとは、大橋訥庵(山崎銀之丞)のところで抜刀(ばっとう)した武士達に囲まれてもひるまない長七郎はかっこよかったですね!

ていうか、武士達はあんなに簡単に抜刀してたのか?
刀を抜くということは自分が斬られる覚悟をするということだぞ?w


そして最も気になったのが、千代のセリフ「兄様たちが、あんなで…」です。

え?「あんなで」?働いてないってこと?
そういえば、惇忠や長七郎が働いてるシーンを見たことがないような…

惇忠って当主だよね?
お百姓さんの当主だよね?

教養が高くて尊敬すべき人だと思ってましたが、自分は働かないでお母さんや奥さんや千代が働いて稼いでるってこと?

そう考えて、僕の中の「尾高惇忠」観がぐるりと変わってしまいましたw

本を読んで、周りの若人に教えて、って聞こえはいいけど、要するに遊び人じゃん!w

なんだか彼が役立たずの道楽者(※)に思えてきて、力が抜けてしまいましたw
(惇忠ファンの方、ごめんなさい)
※令和4年12月12日注:一人でも働き手のほしい百姓家における「役立たず」ですw
これが、教えることを生業としていたり、特に労働をしなくても収入がある家の人だったら「役立たず」とはならずに、「教育」という方法で大いに社会に貢献しているということになります。




第7回の楽しみ方―井伊家について―


今回は井伊掃部頭が登場したということで、井伊(いい)家について書こうと思います。

と言っても、『おんな城主直虎(なおとら)』で一般的認知度も上がったので憶えている方もいらっしゃるかもしれませんが、そういう方にはおさらいということでw


参考記事:
『おんな城主直虎』、終盤でやっと面白くなってきた(第41~45回)

参考記事:
『おんな城主直虎』、子ども時代はセオリー通り(第1~5回)

参考記事:
大河ドラマ『おんな城主直虎』は大丈夫なの?


公式の出自としては、藤原北家(ふじわら・ほっけ)・左府冬嗣の六男・内舎人藤原良門の子である藤原利世の子孫を名乗っています。

しかし、藤原利世という人物の実在は不明で、この説の信憑性(しんぴょうせい)はかなり低いです。
※越前(えちぜん)の一族という説や、遠江(とおとうみ)に古代から住んでいる有力豪族の一族ではないかという説があります。

※日蓮宗(にちれんしゅう)の祖師(そし)・日蓮上人(にちれん・しょうにん)も藤原良門流という説があります。



日蓮上人や日蓮宗の登場する記事:
『麒麟がくる』第33回―延暦寺の歴史

同関連記事:
石山合戦から学ぶ―「理念」のもつパワー

同関連記事:
叡山焼き討ち―問題が山積みのときの対処法


南北朝(なんぼくちょう)期には遠江介(とおとうみのすけ)に任官したため「井伊介(いいのすけ)」と称し、後醍醐天皇の皇子・宗良親王の下で戦いました。

北朝(ほくちょう)が優勢になっても南朝(なんちょう)支持の立場を変えず、このことから井伊家は井伊兵部直政の時代になっても「勤王(きんのう)の家」として近隣に知られていたようです。
※そんな井伊家が、幕末(ばくまつ)には尊王(そんのう)派に暗殺されるというのは皮肉なものです。

その後、北朝方の今川(いまがわ)家と対立して三方ヶ原(みかたがはら)で対決して敗れ、遠江守護(しゅご)となった今川家に組み敷かれてしまいました。
※徳川家康が敗れた「三方ヶ原の戦い」とは別の戦いです。

参考記事:
三方ヶ原の合戦―最強の能力「豹変力」

その後は『おんな城主直虎』で描かれた時代になりますが、18代・信濃守直盛や19代・肥後守直親が相次いで死去し、中継ぎの形で当主となった次郎法師直虎の時代に所領を失っています。

その後、肥後守の子である万千代こと兵部直政の時に徳川家康の家臣となり、近江(おうみ)佐和山(さわやま)領を預かり、子・兵部少輔直勝の代に彦根(ひこね)に移り掃部頭直弼につながっていきます。
※掃部頭直弼は兵部少輔直勝の弟・掃部頭直孝の子孫です。


兵部直政の登場する記事:
歴女にクローズアップしてほしい武将

同関連記事:
笠谷和比古『関ヶ原合戦―家康の戦略と幕藩体制―』

掃部頭直孝の登場する記事:
武士道を追究したい人はコレ!!津本陽『名臣伝』


また、上に井伊家は「勤王の家」と書きましたが、兵部直政が近江佐和山領を与えられたのもその伝統を踏まえてのことだと言われています。

京都有事の際に、いち早く帝(みかど)の下に駆け付けられるようにということです。

上にも書きましたが、そんな「勤王の家」である井伊家の当主・掃部頭直弼が、同じ「勤王の志士」たちに暗殺されたというのは皮肉な話です。

こんな感じで、ドラマの背景にある知識が分かるとドラマをもっと楽しめます!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

以下もご覧ください!

※トップ画像はイメージです。

○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・渋沢 栄一(栄二郎、栄一郎) 源 美雄
しぶさわ えいいち(えいじろう、えいいちろう) みなもと の よしお
・尾高 新五郎 (氏不明) 惇忠
おだか しんごろう (氏不明) あつただ(物語中では「じゅんちゅう」)
・尾高 長七郎 (氏不明) 弘忠
おだか ちょうしちろう (氏不明) ひろただ
・渋沢 喜作(成一郎) 源 英明
しぶさわ きさく(せいいちろう) みなもと の ひであき
・阿部 伊勢守(通称は四郎五郎) 阿部 朝臣 正弘
あべ いせのかみ(通称はしろうごろう) あべ の あそん まさひろ
・堀田 備中守(通称は左源次) 紀 朝臣 正睦
ほった びっちゅうのかみ(通称はさげんじ) き の あそん まさよし
・(水戸)徳川 権中納言(通称は敬三郎) 源 朝臣 斉昭
(みと)とくがわ ごんのちゅうなごん(通称はけいざぶろう) みなもと の あそん なりあき
・(一橋)徳川(松平) 参議(幼名は七郎麻呂) 源 朝臣 慶喜(昭到)
(ひとつばし)とくがわ(まつだいら) さんぎ(幼名はしちろうまろ) みなもと の あそん よしのぶ(あきむね)
・征夷大将軍(将軍家) 徳川 内大臣(幼名は政之助) 源 朝臣 家定(家祥)
せいいたいしょうぐん(しょうぐんけ) とくがわ ないだいじん(幼名はまさのすけ) みなもと の あそん いえさだ(いえさち)
・松平(徳川) 越前守(幼名は錦之丞) 源 朝臣 慶永(号春嶽)
まつだいら(とくがわ) えちぜんのかみ(幼名はきんのじょう) みなもと の あそん よしなが(号しゅんがく)
・井伊 掃部頭(幼名は鉄之介、鉄三郎) 藤原 朝臣 直弼
いい かもんのかみ(幼名はてつのすけ、てつさぶろう) ふじわら の あそん なおすけ
・左大臣(通称不明) 藤原 朝臣 冬嗣
さだいじん(通称不明) ふじわら の あそん ふゆつぐ
・内舎人(通称不明) 藤原 朝臣 良門
うどねり(通称不明) ふじわら の あそん よしかど
・(官職・通称不明) 藤原 利世
(官職・通称不明) ふじわら の としよ
・貫名 (通称不明) 藤原 (諱不明。入道日蓮)
ぬきな (通称不明) ふじわら の (諱不明。入道にちれん)
・尊治(諡号:後醍醐帝)
たかはる(諡号:ごだいごのみかど)
・征夷大将軍(征東将軍) 信濃宮(大草宮、幸坂宮) 宗良
せいいたいしょうぐん(せいとうしょうぐん) しなののみや(おおくさのみや、こうさかのみや) むねよし(むねなが)
・井伊 侍従(幼名は万千代。通称は兵部) 藤原 朝臣 直政
いい じじゅう(幼名はまんちよ。通称はひょうぶ) ふじわら の あそん なおまさ
・征夷大将軍(将軍家) 徳川 太政大臣(右近衛権少将、左近衛大将、内大臣。通称は次郎三郎) 源 朝臣 家康
せいいたいしょうぐん(しょうぐんけ) とくがわ だじょうだいじん(うこんえごんのしょうしょう、さこんえのだいしょう、ないだいじん。通称はじろうさぶろう) みなもと の あそん いえやす
・井伊 信濃守(通称は次郎) 藤原 朝臣 直盛
いい しなののかみ(通称はじろう) ふじわら の あそん なおもり
・井伊 肥後守(通称不明) 藤原 朝臣 直親
いい ひごのかみ(通称不明) ふじわら の あそん なおちか
・井伊 次郎 藤原 直虎(次郎法師)
いい じろう ふじわら の なおとら(じろうほうし)
・井伊 兵部少輔(通称不明) 藤原 朝臣 直勝(直継)
いい ひょうぶのしょう(通称不明) ふじわら の あそん なおかつ(なおつぐ)
・井伊 左近衛中将(通称は掃部頭。幼名は弁之介) 藤原 朝臣 直孝
いい さこんえのちゅうじょう(通称はかもんのかみ。幼名はべんのすけ) ふじわら の あそん なおたか
☆武家の「通称」の普及を切に願います!

参考
ゆーくんはどこ?
ぴえーるのテレビブログ
日本歴史時代作家協会 公式ブログ

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Posted by 鷲谷 城州 at 20:00│Comments(0)テレビ
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