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2021年05月27日

『青天を衝け』第8回―岩瀬忠震の出自

皇居凱旋濠
《令和5年12月13日更新》

皆さんこんばんは。
今回は令和3年の大河ドラマ『青天を衝け』第8回に関しての楽しみ方を解説したいと思います。

大河ドラマを見てみたけれど、歴史もよくわからないし、どう楽しんでいいのかわからない
歴史には興味あるけど、自分では積極的に勉強する気になれない、という方必見です!
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。

【『青天を衝け』の楽しみ方】
・第1回―渋沢家について ・第2回―身分秩序について
・第3回―平岡家について ・第4回―阿部家について
・第5回―藤田家について ・第6回―美賀君の血筋
・第7回―井伊家について


まずはあらすじ。



第8回のあらすじ


安政(あんせい)5年(1858年)、尾高惇忠(田辺誠一)との旅から戻ってきた渋沢栄一(吉沢亮)に想いを告げられた千代(ちよ)(橋本愛)は、戸惑いを見せたものの、「ほっとした」と栄一の気持ちに応える。

仲睦まじく話す2人を渋沢喜作(高良健吾)が遮った。

尾高長七郎(満島真之介)の手紙により、千代を賭けて栄一と剣の勝負をするという。

道場に行き、戦う栄一と喜作。

実力は拮抗するものの、惇忠の判定により喜作が勝利した。

喜作は千代と結婚する権利を得たものの、千代の気持ちを知ってか、千代に栄一と結婚しろという。

その場を去る喜作だが、その後を追う女性がいた。

以前、喜作に惚れ込んだというよし(成海璃子)であった。

喜作はよしと結婚することになった。

一方幕府(ばくふ)では、将軍家・徳川内大臣家定(渡辺大知)の命により、突如、井伊掃部頭直弼(岸谷五朗)が大老(たいろう)に抜擢された。

そんな中、井伊掃部頭の知らぬところで岩瀬肥後守忠震(川口覚)がアメリカと通商条約を結んでしまった。

掃部頭はそれを「宿継奉書(しゅくつぎほうしょ)」という文書(もんじょ)で朝廷(ちょうてい)に知らせたが、一橋宰相慶喜(草彅剛)は軽々しすぎる、と掃部頭を叱った。

しかし同時に、次期将軍家が紀州宰相(きしゅう・さいしょう)慶福(磯村勇斗)に決まったと聞き、それを歓迎した。

一方、病によりいまわの際にあった将軍家・家定は掃部頭を呼び出した。

旧一橋(ひとつばし)派の面々を処罰しろという。

後の世にいう「安政の大獄(たいごく)の始まりであった。

ということで、


第8回「栄一の祝言」の感想


栄一の祝言(しゅうげん)、よかったですね。

若くてかわいらしいカップルがラブラブで睦まじい様子を見ると、なんだか微笑ましい気持ちになりますw

喜作も大したものです。

筆者も若かりし頃は女性の1人や2人、友人と取り合ったことがありますが、喜作のように気持ちよく相手に譲ることはできませんでしたよw

ただ、喜作もよしというかわいらしいお嫁さんをもらって、なんだか嬉しくなりました。

一方で、幕府を襲った激震も面白かったですね。

井伊掃部頭を叱った慶喜の迫力もすごかったですし、何もしていないのに処分された慶喜の戸惑いも伝わりました。

草彅氏、演技しているのはあまり見たことがなかったのですが、俳優さんとして化け物か!という演技をされますね。
素晴らしいです!
※俳優さんに対しての「化け物か!」という言葉は、僕にとっては最大級の敬意を表しているものです。

とても面白いです!




第8回の楽しみ方―岩瀬忠震の出自―


今回は、ドラマで日米修好通商条約(にちべい・しゅうこう・つうしょう・じょうやく)を勝手に結んでしまったことになっていた、岩瀬肥後守忠震について書こうと思います。
※実際は「全権」としてハリスと交渉しているので、「勝手に」という表現はふさわしくないようです。

ぶっちゃけて言ってしまうと、彼は伊達陸奥守政宗の子孫です。
しかも男系。



伊達政宗に興味のある方は、下記リンクをクリックしてください:
摺上原の戦いに学ぶ―次善策を用意する

同関連記事:
人取橋の戦いに学ぶ―最悪の想定を受け入れる

同関連記事:
『真田丸』第49回―伊達政宗の天下取り

同関連記事:
『真田丸』第24回―伊達と官兵衛


彼の実父(じっぷ)設楽貞丈という旗本(はたもと)で、設楽家というのは長篠(ながしの)の戦いの別名「設楽ヶ原(したらがはら)の戦い」の設楽ヶ原辺りに居住した一族です。

設楽家は将軍家・徳川太政大臣家康に旗本として仕えています。

関連記事:
長篠の合戦―プライドよりも信頼関係を重視せよ

しかし実は、肥後守は設楽家の男系子孫というわけではないんです。

彼の曽祖父・貞喬は摂津麻田(せっつ・あさだ)藩主・青木甲斐守一貫の次男で、設楽家の養子となっています。

その青木甲斐守は何と伊予宇和島(うわじま)伊達(だて)家の子で、青木(あおき)家の養子に入り、青木を名乗ったのでした。

つまり、肥後守は正真正銘の伊達陸奥守の男系子孫というわけですw

ちなみに肥後守が養子に入った岩瀬(いわせ)氏というのは藤原南家(ふじわら・なんけ)の一族で、戦国(せんごく)時代は今川(いまがわ)家に仕えて東三河(ひがし・みかわ)に勢力をもっていたとの説があります。

徳川(とくがわ)家〔松平(まつだいら)家〕に仕えた時期は定かではなく、家康の祖父・松平次郎三郎清康の代とも、松平家〔徳川家〕が今川家から独立した後ともいわれています。

ともかくも肥後守は、後に参預会議(さんよかいぎ)に参加し、維新(いしん)後は民部卿(みんぶきょう)・大蔵卿(おおくらきょう)として明治政府に参画する伊達伊予守宗城と割と近めの親戚だったんです。

伊達宗城の登場する記事:
『青天を衝け』第28回―大隈重信について

こんな感じで、ドラマの背景にある知識が分かるとドラマをもっと楽しめます!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

以下もご覧ください!

※トップ画像はイメージです。

○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・尾高 新五郎 (氏不明) 惇忠
おだか しんごろう (氏不明) あつただ(ドラマ中では「じゅんちゅう」)
・渋沢 栄一〔栄二郎、栄一郎〕 源 美雄
しぶさわ えいいち〔えいじろう、えいいちろう〕 みなもと の よしお
・渋沢 喜作〔成一郎〕 源 英明
しぶさわ きさく〔せいいちろう〕 みなもと の ひであき
・尾高 長七郎 (氏不明) 弘忠
おだか ちょうしちろう (氏不明) ひろただ
・征夷大将軍〔将軍家〕 徳川 内大臣〔幼名は政之助〕 源 朝臣 家定〔家祥〕
せいいたいしょうぐん〔しょうぐんけ〕 とくがわ ないだいじん〔幼名はまさのすけ?〕 みなもと の あそん いえさだ〔いえさち〕
・井伊 掃部頭〔幼名は鉄之介、鉄三郎〕 藤原 朝臣 直弼
いい かもんのかみ〔幼名はてつのすけ、てつさぶろう〕 ふじわら の あそん なおすけ
・岩瀬 設楽〕 肥後守〔通称は修理、篤三郎〕 藤原〔伴〕 朝臣 忠震
いわせ〔したら〕 ひごのかみ〔通称はしゅり、とくさぶろう〕 ふじわら〔とも〕 の あそん ただなり
・(一橋)徳川〔松平〕 参議〔幼名は七郎麻呂〕 源 朝臣 慶喜〔昭到〕
(ひとつばし)とくがわ〔まつだいら〕 さんぎ〔幼名はしちろうまろ〕 みなもと の あそん よしのぶ〔あきむね〕
・(紀伊/紀州)徳川 参議〔通称不明〕 源 朝臣 慶福〔家茂〕
(きい/きしゅう)とくがわ さんぎ〔通称不明〕 みなもと の あそん よしとみ〔いえもち〕
・伊達 陸奥守〔通称は藤次郎〕 藤原 朝臣 政宗
だて むつのかみ〔通称はとうじろう〕 ふじわら の あそん まさむね
・設楽 (官職・通称不明) 伴 貞丈
したら (官職・通称不明) とも の さだとも
・征夷大将軍〔将軍家〕 徳川 太政大臣〔通称は次郎三郎〕 源 朝臣 家康
せいいたいしょうぐん〔しょうぐんけ〕 とくがわ だじょうだいじん〔通称はじろうさぶろう〕 みなもと の あそん いえやす
・設楽 (官職・通称不明) 伴 貞喬
したら (官職・通称不明) とも の さだたか
・青木〔伊達〕 甲斐守〔通称は伊織〕 多治比〔藤原〕 朝臣 一貫〔村銘〕
あおき〔だて〕 かいのかみ〔通称はいおり〕 たじひ〔ふじわら〕 の あそん かずつら〔むらあき?〕
・松平 次郎三郎 源 清康
まつだいら じろうさぶろう みなもと の きよやす
・伊達〔山口〕 伊予守〔通称は亀三郎、兵五郎〕 藤原 朝臣 宗城
だて〔やまぐち〕 いよのかみ〔通称はかめさぶろう、へいごろう?ひょうごろう?〕 ふじわら の あそん むねなり
☆武家の「通称」の普及を切に願います!

参考
ゆーくんはどこ?
ぴえーるのテレビブログ
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記事を読んでいただき、ありがとうございました!他の記事もぜひご覧下さい。
次回は「九戸城の戦いに学ぶ」。

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今期イチオシ曲!ぜひ聞いてください!
【Cover】Nowhere Man / Joshu Washiya

※The Beatlesの楽曲のカバー。ボーカル・コーラスは筆者の声。楽器隊は打ち込みですが、機材が整い次第自分で演奏する予定です。











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Posted by 鷲谷 城州 at 20:00│Comments(0)テレビ
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