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2018年08月03日

各合戦の動員人数について(13)上条河原の合戦

南アルプス山麓
《令和5年6月15日更新》

皆さんこんばんは。
今回は「各合戦の動員人数について」シリーズの13回目で「上条河原(かみじょうがわら)の合戦」についてです。
『歴史と旅』増刊「日本合戦総覧(昭和63年1/10臨時増刊、秋田書店)」の坂本徳一氏の記事を参考にしています。
※記事下部に武家や公家の人物名の読み仮名を載せています。

今までの記事
第1弾 江古田原沼袋合戦
第2弾 権現山の戦い
第3弾 新井城の戦い
第4弾 第一次国府台の合戦
第5弾 川越城の合戦
第6弾 第二次国府台の合戦
第7弾 ワイアットの乱
第8弾 アルマダの海戦
第9弾 ラヴェンナの戦い
第10弾 チェリニョーラの戦い
第11弾 ホルムズ占領
第12弾 ディーウ沖の海戦

というわけで、「上条河原の合戦」とはどういう戦いだったのかというと、


大永(だいえい)元年(1521年)に武田信虎と福島正成の間に起きた戦いです。

当時、ようやく甲斐(かい)統一を成し遂げた信虎ですが、治めきれずに内乱が勃発していました。
その知らせを受けて、駿河(するが)・遠江(とおとうみ)守護(しゅご)の今川氏親が家臣であった福島正成を派遣し、信虎はそれを迎え撃ちました。

正成は飯田河原(いいだがわら)から、当時建てられたばかりの武田氏の居館躑躅ヶ崎館(つつじがさき やかた)を伺いますが、それを察知した信虎軍の突撃によって敗走し、本陣を移し態勢を立て直します。

冬であったため寒さで士気の下がる信虎軍でしたが、嫡子(ちゃくし)〔のちの晴信=信玄〕の誕生により盛り返し、上条河原にて正成陣に突撃。
正成らを討ち取って勝利しました。


武田晴信についてもっと知りたい方は、下記リンクをタップしてください:
野田城の合戦―統率力と「イメージ(印象)」の力

同関連記事:
三方ヶ原の合戦―最強の能力「豹変力」

同関連記事:
一言坂の戦い合戦に学ぶ―がむしゃらになれ


で、肝心の動員数ですが、
福島正成:1万5,000人(外征で75万石相当)
武田信虎:2,000人(内戦として5万7,000石相当)
(参考:大名が動員できる人数は?

となります。
石高でいうと(参考:大国・上国・中国・下国一覧)、当時の福島正成の所領(しょりょう)はわかりませんが、遠江国の土方城〔高天神城〕主ということで、遠江一国は25万5,000石。

これだと全然足りないので、駿河の兵力を与力(よりき)としてつけられたと考えると駿河一国の石高は15万石ですから、合計40万5,000石です。

これでも全然足りませんね。

上記の石高(こくだか)による動員人数があくまで参考数値だとしても、たかだか今川(いまがわ)氏の一被官(ひかん)である福島正成が、駿遠(すん えん)二カ国分以上の兵力をつけられるわけがないので、おそらく1万5,000人の兵力は誇張でしょうね。

上記、駿遠の石高を総動員しても約8,000人の兵力となりますが、当時今川領の西では三河(みかわ)の松平信忠が、東では相模伊豆(さがみ いず)の北条氏綱がにらみを利かせていたわけで、総動員するわけには行きませんから、せいぜい8割ほどの6,000人程度でしょうね。

ちなみに甲斐一国は22万7,000石なので、内戦動員数は約8,000人となります。
信虎の兵力が極めて少ないわけは、きっと甲斐国人(こくじん)衆を掌握しきれていなかったか、動員が間に合わなかったせいでしょうね。

というわけで、結論

・福島正成軍:6,000人
・武田信虎軍:2,000人

ということにしておきます。
当時のヨーロッパ人の戦いに比べると、人数の規模が違いますね。


福島兵庫介正成の子とされる北条綱成の登場する記事:
河越城の戦いから学ぶ―基準を満たすまで手綱を緩めてはいけない

同関連記事:
歴女にクローズアップしてほしい武将

同関連記事:
『関八州古戦録』


※写真はイメージです。

今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・武田 左京大夫〔通称不明〕 源 朝臣 信虎
たけだ さきょうのだいぶ〔通称不明〕 みなもと の あそん のぶとら
・福島 兵庫介?〔上総介? 通称か官職名か不明〕 源 朝臣 正成
くしま ひょうごのすけ?〔かずさのすけ? 通称か官職名か不明〕 みなもと の あそん まさしげ
・今川 修理大夫〔通称は彦五郎〕 源 朝臣 氏親
いまがわ しゅりのだいぶ〔通称はひこごろう〕 みなもと の あそん うじちか
・松平 左近蔵人佐〔通称は次郎三郎〕 源 朝臣 信忠
まつだいら さこんくろうどのすけ〔通称はじろうさぶろう〕 みなもと の あそん のぶただ
・北条〔伊勢〕 左京大夫〔通称は新九郎〕 平 朝臣 氏綱
ほうじょう〔いせ〕 さきょうのだいぶ〔通称はしんくろう〕 たいら の あそん うじつな

参考
今日は何の日?徒然日記
北杜市ふるさと歴史文学資料館 山口素堂資料室
歴史散策―真実を求めて―

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※筆者は作詞と作曲、ボーカル、ギターを担当しています。






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Posted by 鷲谷 城州 at 19:00│Comments(0)趣味
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