2018年06月16日
各合戦の動員人数について(10)チェリニョーラの戦い
Lino LombardiによるPixabayからの画像
《令和5年12月27日更新》
皆さんこんばんは。
今回は「各合戦の動員人数について」シリーズの10回目で「チェリニョーラの戦い」についてです。
今までの記事
第1弾 江古田原沼袋合戦
第2弾 権現山の戦い
第3弾 新井城の戦い
第4弾 第一次国府台の合戦
第5弾 川越城の合戦
第6弾 第二次国府台の合戦
第7弾 ワイアットの乱
第8弾 アルマダの海戦
第9弾 ラヴェンナの戦い
というわけで、「チェリニョーラの戦い」とはどういう戦いだったのかというと、
フランス王ルイ12世がイタリア半島ナポリ王国の王位継承権を主張し、イタリアに派兵した「第二次イタリア戦争」の中の戦いです。
イタリア関連の記事をもっと読みたい方は、下記リンクをタップしてください:
各合戦の動員人数について(9)ラヴェンナの戦い
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1501年、ミラノからナポリへ進軍したフランスは同盟国であったスペイン(カスティーリャ・アラゴン)とナポリを挟撃(きょうげき)し、ナポリ王を退位させます。
しかし、ナポリ王位を我が物にしたいスペインはフランスと対立。
1503年にナポリの西側のアドリア海沿いにある都市チェリニョーラでフランス軍を敗走させた戦いが「チェリニョーラの戦い」です(参考:Wikipedia)。
この戦い、日本では全然知られていなくて、日本人は「世界で初めて鉄砲(てっぽう)を主戦力として用いたのは織田信長(おだ のぶなが)(1575年の長篠(ながしの)の戦い)」と言ってしまいそうな雰囲気ですが、全然違います!
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世界で初めて鉄砲を主戦力として用いたのは、
(僕も今回調べて初めて知ったのですが 笑)
→2018/7/10追記:世界で初めて鉄砲を主戦力として用いたのは15世紀のことでヤン・ジシュカとのことです(下記コメント、幽さんよりのご指摘)
騎兵(きへい)中心のフランス軍に対して、スペイン軍は塹壕(ざんごう)でフランス軍の突撃を妨害しつつ銃撃によって兵力・士気を低下させ、潰走させました。
織田信長が長篠の戦いでやったといわれていることとまるっきり同じことをしたわけですね(三段撃ちはやっていないようですが)。
(信長がこの戦いを知っていたかどうかはわかりませんが、知らなかったとしたらそれはそれですごい発明ですが)
というわけで、今回は戦いそのものについての説明が長くなってしまいましたが、このシリーズの目的は日本とヨーロッパの戦力の比較ということで、この戦いに参加したのは
スペイン軍
兵士700+軽騎兵(けいきへい)800+火縄銃(ひなわじゅう)兵1,000+ランツクネヒト(傭兵(ようへい)歩兵)2,000+その他歩兵1,000以上→計6,300人
フランス軍
重騎兵(じゅうきへい)650+軽騎兵1,100+スイス歩兵3,500+フランス歩兵2,500~3,500→合計9,000人
ということで、内戦と考えれば日本の戦いもこのくらいの規模のものが多いですが、それでも人数は少な目ですね。
さらにフランスもスペインも国を挙げて兵力を動員しているわけですから、そう考えるとかなり少ない兵力です。
石高(こくだか)換算すると(参考:大名が動員できる人数は?)
スペイン:(外征)31万5,000石
フランス(外征):45万石
となります。
それぞれの国の面積で考えるとまったく規模の小さい数字ですよね。
というわけで、やはり動員可能兵力で考えても日本征服は無理だという結論が出ます。
参考
歴史ファンの大航海時代
京都を感じる日々★マイナー観光名所、史跡案内Part1
祖国は危機にあり 関連blog
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大坂夏の陣に学ぶ―覚悟して手放す
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安濃津城の戦いに学ぶ―小さな局面での勝敗に捕らわれない
田辺城の戦いに学ぶ―不都合な現実を直視する
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大坂冬の陣に学ぶ―自分のプライドを自分でたたき折る
長谷堂城の戦いに学ぶ―算盤勘定をもつ
安濃津城の戦いに学ぶ―小さな局面での勝敗に捕らわれない
田辺城の戦いに学ぶ―不都合な現実を直視する
Posted by 鷲谷 城州 at 19:00│Comments(2)
│趣味
この記事へのコメント
『世界で初めて鉄砲を主戦力として用いた』のはフス派軍を率いたヤン・ジシュカじゃないかと思いますが…。後、成功したとは言い難いですがシャルル突進公のブルゴーニュ軍も1400年代ですね。
>それぞれの国の面積で考えるとまったく規模の小さい数字ですよね。
国内で戦うのとイタリアまで兵を送るのとでは条件が違います。兵站上の負担を考えれば、遠征に出せる戦力は国内動員可能戦力の数分の一から十数分の一でしょう。
もっともイタリアでこれである以上、地球の反対側の日本まで兵を送るなど無謀極まりない訳で
>日本征服は無理
という点については完全に同意します。
>それぞれの国の面積で考えるとまったく規模の小さい数字ですよね。
国内で戦うのとイタリアまで兵を送るのとでは条件が違います。兵站上の負担を考えれば、遠征に出せる戦力は国内動員可能戦力の数分の一から十数分の一でしょう。
もっともイタリアでこれである以上、地球の反対側の日本まで兵を送るなど無謀極まりない訳で
>日本征服は無理
という点については完全に同意します。
Posted by 幽 at 2018年07月01日 20:59
>幽さん
コメントありがとうございます!
>『世界で初めて鉄砲を主戦力として用いた』のはフス派軍を率いたヤン・ジシュカ
>シャルル突進公のブルゴーニュ軍も1400年代
ご指摘ありがとうございます!
この分野(ヨーロッパ史)に関して、特に不勉強なので新しい知識をいただけてとても嬉しいです。
>兵站上の負担
当時のヨーロッパの地理的条件と日本国内の内戦(戦国時代)の地理的条件の比較についても僕は知識が浅いのですが、やはりアルプスや地中海が僕ら日本人の想像以上に兵站上の障害になっていたという理解でよろしいですか?
コメントありがとうございます!
>『世界で初めて鉄砲を主戦力として用いた』のはフス派軍を率いたヤン・ジシュカ
>シャルル突進公のブルゴーニュ軍も1400年代
ご指摘ありがとうございます!
この分野(ヨーロッパ史)に関して、特に不勉強なので新しい知識をいただけてとても嬉しいです。
>兵站上の負担
当時のヨーロッパの地理的条件と日本国内の内戦(戦国時代)の地理的条件の比較についても僕は知識が浅いのですが、やはりアルプスや地中海が僕ら日本人の想像以上に兵站上の障害になっていたという理解でよろしいですか?
Posted by Sosuke Washiya at 2018年07月09日 22:00
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