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2007年06月26日

笠谷和比古『関ヶ原合戦―家康の戦略と幕藩体制―』

徳川家康本陣跡
《令和5年9月5日更新》

まぁこの本は一般書とかではなく、普通に学術論文なので歴史史料の引用があって当たり前なのだが(ないと説得力を得るのが難しく、普通は論文として認められません)、それほど小難しい内容ではなく、在野(ざいや)の歴史ファンにも充分読める内容(そもそも僕自身も「在野の歴史ファン」だしwただし、この手の本が学術論文であるということは認識しておいてください)。
笠谷和比古氏の『関ヶ原合戦(せきがはらがっせん)』。


徳川家康についてもっと知りたい方は、下記リンクをタップしてください:
徳川家康の生涯を貫く思想―山岡荘八『徳川家康』第4巻

関連記事:
言葉と人間の本質を見極めた「人間学」―山岡荘八『徳川家康』第3巻

関連記事:
長篠の合戦―プライドよりも信頼関係を重視せよ


↓こちらの本について書いています。

関ケ原合戦―家康の戦略と幕藩体制



1994年発行の本で、論文自体は各々単発でそれよりも先行していたはずなので、おそらく日本近世史の中では古い学説なのだが、僕は学者ではないし、学生の時も日本中世史専攻だったので目からウロコ状態で楽しめました(笑

目を引いた学説は簡単に言うと、
1.関ヶ原の合戦において、徳川(とくがわ)は主力軍不在の状態で戦った。
2.関ヶ原の合戦は豊臣(とよとみ)政権崩壊の決定打ではなかった。
3.両大坂(おおさか)の陣に至るまで、豊臣家は天下人(てんかびと)としての地位を維持していた。

関ヶ原の合戦の布陣(ふじん)図を見ると、その軍勢のほとんどが豊臣系武将であり、徳川直属の部隊は家康(いえやす)の本隊と、井伊直政(いい なおまさ)・松平忠吉(まつだいら ただよし)の連合部隊しか布陣していなかった(本多忠勝(ほんだ ただかつ)は小勢だった)。
むしろ中山道(なかせんどう)の徳川秀忠(とくがわ ひでただ)は、榊原(さかきばら)・大久保(おおくぼ)・酒井(さかい)・奥平(おくだいら)・本多(ほんだ)の主力などそうそうたる軍勢で、徳川主力はこちらの方であり、秀忠が遅参したことで家康は豊臣系反石田(いしだ)方勢力や小早川(こばやかわ)の裏切り、吉川(きっかわ)の静観に大きく依存せざるを得なかった。

このことで徳川家康は立場的に福島正則(ふくしま まさのり)などの豊臣系武将の地位を尊重せざるを得ず、豊臣政権内のナンバーワンの地位よりも上に脱することができなかった。

そこで武家(ぶけ)の棟梁(とうりょう)としての征夷大将軍職(せいいたいしょうぐんしき)に就き、豊臣関白(かんぱく)家の下に位置する形で豊臣系武将も含む全国の大名(だいみょう)家を統率した。

というわけで、この論文は当時の日本史の教科書に書かれていた「関ヶ原の合戦後、豊臣家は徳川配下の一大名の地位にまで転落した」という記述を否定しておるわけです。
現在の教科書にはどう書かれているんでしょうね。
(歴史の教科書の記述は大抵、そのとき「もっとも有力な学説」が書かれている)

おもしろいでしょ?(笑


関連記事:
小牧長久手の戦いに学ぶ―勝ちすぎてはいけない

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これぞ徳川家の柱石・三河武士の死にざまだ!!(山岡荘八『徳川家康』第2巻)

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参考
関ヶ原ブログ

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