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2017年08月20日

『真田丸』第48回―有楽斎を慮る

大阪城
Sangyeon YuによるPixabayからの画像
《令和5年11月25日更新》

皆さんこんばんは。
今回は惰性で続いている平成28年の大人気大河ドラマ『真田丸(さなだまる)』の感想シリーズ、第48回「引鉄(ひきがね)」についてです。
※記事下部に人物の読み仮名をのせています。

あらすじ
大坂(おおさか)冬の陣の講和で堀を埋められた大坂城。徳川家康(内野聖陽)の暗殺に失敗する真田幸村(堺雅人)と佐助(さすけ)(藤井隆)。内通者(ないつうしゃ)と思われる織田有楽斎(井上順)を追い出した幸村は、豊臣秀頼(中川大志)に牢人(ろうにん)たちの親類縁者を呼ぶことを進言。久し振りに甥たちや矢沢三十郎(迫田孝也)、小山田茂誠(高木渉)らと再会する…
てな感じです。




ドラマそのものの感想は皆さんそれぞれ思い思いのことを書いていて、今更もういいかなという感じなので、今回は幸村に追放された「織田有楽斎」について書きたいと思います。


織田有楽斎に興味のある方は、下記リンクをクリックしてください:
『真田丸』第46回―良い家康、悪い家康

同関連記事:
『真田丸』第44回―木村重成推し


そもそも織田有楽斎とは、通称は源五郎、諱(いみな)は長益と言い、織田信長の九弟(きゅうてい)(=九番目の弟)です。
生まれは天文(てんぶん)16年(1547年)なので、天文3年(1534年)生まれの信長よりも天文11年(1543年)生まれの徳川家康の方が歳が近いですね。

淀殿(よどどの)の母であるお市(いち)の方と同じ歳だといわれていますので、信長よりはお市の方が関係は近かったかもしれません。

信長の弟でありながら、信長の嫡男(ちゃくなん)であり自分にとっては甥である織田信忠に従い甲州(こうしゅう)武田(たけだ)氏攻めに従軍。

関連記事:
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本能寺(ほんのうじ)の変の際は信忠とともに京都(きょうと)二条(にじょう)城にいたが、城を脱出して岐阜(ぎふ)城に戻ったと言われています。

関連記事:
本能寺の変に学ぶ―覚悟を決める

その後信長の次男であり、有楽にとっては甥の織田信雄に仕え、天正(てんしょう)12年(1584年)の小牧・長久手(こまき・ながくて)の戦いでは信雄方として徳川家康に協力しています。

関連記事:
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天正18年(1590年)の信雄改易(かいえき)後にようやく豊臣秀吉に仕えますが、秀吉死後は家康に近づき、慶長(けいちょう)5年(1600年)の関ヶ原(せきがはら)の戦いでは東軍として関ヶ原本戦に参戦。
戦後は家康から大和(やまと)に3万2000石を与えられています。
(参考→Wikipedia


関連記事:
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ということで、秀吉の御伽衆(おとぎしゅう)としてのイメージの強い有楽ですが、実はもともとかなり家康に近い動きをしていますし、そもそもが秀吉の羽柴(はしば)家にとっては主人に当たる織田(おだ)家一族なので、秀吉の家来として働くのには複雑な心境があったのかもしれません。

姪である淀殿の庇護者としても動いていたようで、大坂冬の陣で大坂方として戦っていたのは豊臣(とよとみ)家への忠誠と言うよりも、姪淀殿やその子秀頼への情からの動きであったのかもしれません。

政治的な動きとしては上記のように完全に徳川方として動いており、『真田丸』では悪役として描かれていましたが、そもそも豊臣家そのものへの忠誠心はなかったのかもしれません。

政治的には完全に徳川びいきでしたが、淀殿や秀頼への情で大坂城に残っていたのでしょうね。

だから、夏の陣直前に徳川方へ奔(はし)ったのも無理もない話で、慮(おもんぱか)るに、豊臣家と徳川(とくがわ)家との和平交渉への道が完全に途絶えたために、失意の大坂城退転だったのかもしれません。

こんな風に、武将一人ひとりの動きを見ていくと、一概に悪者とも言い切れないのがまた歴史の面白いところですね。

今回登場した人物のフルネーム
・徳川 前右大臣〔通称は次郎三郎〕 源 朝臣 家康
とくがわ さきのうだいじん〔通称はじろうさぶろう〕 みなもと の あそん いえやす
・真田 左衛門佐〔通称は源次郎〕 滋野〔源〕 朝臣 幸村
さなだ さえもんのすけ〔通称はげんじろう〕 しげの〔みなもと〕 の あそん ゆきむら
・織田 侍従〔通称は源五郎〕 平〔藤原、忌部〕 朝臣 長益〔入道有楽斎如庵〕
おだ じじゅう〔通称はげんごろう〕 たいら〔ふじわら、いんべ〕 の あそん ながます〔入道うらくさいじょあん〕
・羽柴 右大臣〔通称は藤吉郎〕 豊臣 朝臣 秀頼
はしば うだいじん〔通称はとうきちろう〕 とよとみ の あそん ひでより
(実際は文献上で「羽柴」と記載されたものは見つかっていないそうですが、形式上は「羽柴」が名字に当たります)
・矢沢 但馬守〔通称は三十郎〕 滋野〔源〕 朝臣 頼康
やざわ たじまのかみ〔通称はさんじゅうろう〕 しげの〔みなもと〕 の あそん よりやす
・小山田 壱岐守〔通称は六左衛門〕 平 朝臣 茂誠
おやまだ いきのかみ〔通称はろくざえもん〕 たいら の あそん しげまさ
・織田 右大臣〔通称は三郎〕 平〔藤原、忌部〕 朝臣 信長
おだ うだいじん〔通称はさぶろう〕 たいら〔ふじわら、いんべ〕 の あそん のぶなが
・織田 左近衛中将〔通称は勘九郎〕 平〔藤原、忌部〕 朝臣 信忠
おだ さこんえのちゅうじょう〔通称はかんくろう〕 たいら〔ふじわら、いんべ〕 の あそん のぶただ
・織田 内大臣〔通称は三介〕 平〔藤原、忌部〕 朝臣 信雄
おだ ないだいじん〔通称はさんすけ〕 たいら〔ふじわら、いんべ〕 の あそん のぶかつ〔のぶお〕

参考
渡る世間は愚痴ばかり
ドラマ@見とり八段
大河ドラマ論

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次回は「機種変をした(SO-04H)」。

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Posted by 鷲谷 城州 at 20:00│Comments(0)テレビ
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