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2017年08月28日

大航海時代に日本が侵略されなかった理由(10)―「貫高制」について



実際の戦国大名(せんごくだいみょう)の統治システムについてですが、『がらくた文庫』さんの記事を参考に、まずは「貫高制(かんだかせい)」について考えてみようと思います。

「貫高制」とは何かというと、鎌倉(かまくら)時代から室町(むろまち)時代にかけて成立した土地制度・軍制度・税制のことで、土地から取れる収穫高を通貨換算して税収を決めたり、戦国大名が配下の武将の知行高(ちぎょうだか)の基準とした制度です。


戦国時代までの日本の土地制度の概要を知りたい方は、下記リンクをタップしてください:
『麒麟がくる』第29回―押領とは何か

関連記事:
大航海時代に日本が侵略されなかった理由(11)―室町時代までの武士の主従関係について

関連記事:
大航海時代に日本が侵略されなかった理由(12)―「寄親寄子制」について

関連記事:
大航海時代に日本が侵略されなかった理由(13)―戦国大名の農民支配について


これにより、年貢(ねんぐ)の銭納(せんのう)がやり易くなり、さらに各武将の軍役(ぐんやく。知行高による兵力の提供)の基準になるなど、統治が合理的になっていきました。

当時は武将の給料はご主人様から割り当てられた土地からの収入でまかなわれていた(封建制(ほうけんせい))ので、この「貫高制」によって領地の分配がやり易くなり、各武将の収入も明確化していったのですね。

しかし、戦国時代にこの制度のが普及すると当時は銭を国産していなかったこともあり、銭が足りなくなり経済的混乱を生んだため、豊臣秀吉(とよとみ の ひでよし)による「石高制(こくだかせい)」へと移行していきました。
(参考→Wikipedia

最終的には破綻(はたん)してしまいましたが、土地の価値を表すのに、年によって獲れ高の違う米の収穫高ではなく銭に換算したことでシステムが合理化され、支配がやり易くなったようです。

当時のほかの国々と比べてみなければ進んでいたかはわかりませんが、日本ではこのシステムにより戦国大名による在地領主の家臣(かしん)化が進み、在地支配も進んでいった、つまり、統一が早まっていったようです(在地支配については諸説あり)。


国人の活躍する記事:
「大きな欲」と「小さな欲」―山岡荘八『徳川家康』第6巻

同関連記事:
『青天を衝け』第14回―島津家について

同関連記事:
摺上原の戦いに学ぶ―次善策を用意する


参考
貫高制と石高制について
世界道中膝栗毛→リンク切れ
私の武蔵国歴史考→リンク切れ
石高経済の説明をするに当たって、貫高制の説明があります。
平成享保のゆくえ
しばやんの日々
ナチュラリストの散歩道
るいネット
こん

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Posted by 鷲谷 城州 at 20:00│Comments(0)趣味
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