2006年10月19日
津本陽『椿と花水木』―幕末の勇者・ジョン万次郎の波乱万丈の人生
Gerhard BögnerによるPixabayからの画像
《令和6年8月8日更新》
歴史小説の大家、津本陽先生の作品である。
時代背景は幕末(ばくまつ)ペリーの来航前。
歴史の教科書にも地味に登場したジョン万次郎(まんじろう)の物語である。
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↓こちらの本について書いています。
椿と花水木―万次郎の生涯〈上〉 (新潮文庫)
高知(こうち)の漁村の子供であった万次郎は、庄屋(しょうや)の下働きとして奴隷のように働いていたが、「漁師になりたい」という夢を捨てきれずにいた。
ひょんなことから下働きをクビになり、知人の縁で漁船に同行することになった万次郎。漁師への夢の第一歩をかなえるかと思いきや、最初の航海で漁船は難破。無人島に流れついた。
そしてさらにすごいのは、ここからである。
彼は無人島漂着後アメリカの捕鯨船(ほげいせん)に助けられ、しばらくの間その船の上で生活することになるのだが、その間に英語の日常会話をほぼマスター。
そしてアメリカの地に渡ってからも、勉強を重ね、「アメリカの大学を出て一等航海士になりたい」という夢を抱くようになる。日本への帰国はあきらめていた。
そして英語の学校を初等教育から受け、優秀な成績で次々と進学。ついにはマサチューセッツ工科大学を首席で卒業。江戸(えど)時代の日本人がアメリカの大学を首席で卒業したのである。恐ろしい話だ。
※令和3年12月11日注:「マサチューセッツ工科大学」というのは津本氏の創作の可能性があります。
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その後現地で結婚。一等航海士として捕鯨船の乗組員に正式に選ばれることとなった。
しかし、捕鯨船で何年もアメリカから出ている間に妻子は死亡。
その頃日本は開国の嵐が吹き荒れていて、幕府(ばくふ)や薩摩藩(さつま・はん)からの帰国要請が届いた。
彼の英語は現在の日本人の英語の発音よりも正確だったそうで、彼はアメリカといってもニューイングランドという発音のきれいな地方で暮らしていたので、初対面のアメリカ人としゃべるとき(顔はアジア人なのに)「お前はイギリス人か?」と言われたそうである。
(現在の日本人の発音が下手くそなのは「照れ」と「カタカナ」にこだわってしまうからだそうだ。例えば、ONEという言葉は普通は「ワン」と読み仮名をふるが、ジョン・レノンはこれを「ウォン」と発音している)
だがしかし、残念なことに正確な英語をマスターしていた万次郎は政治的事情で日米和親条約(にちべいわしんじょうやく)等の締結の場から退けられ、不正確な通訳による締結と相成ったそうだ。
そして津本陽先生の小説の特徴は無駄なお色気場面がほとんどないことだ。司馬遼太郎などの小説を読めばわかるように、歴史小説ではちょっとしたお色気シーンはつき物だ。早乙女貢氏くらいになるとやりすぎで、お色気シーンで読者を獲得しているんじゃないか、と思えてしまうくらいだw
僕は早乙女氏ぐらいのお色気シーンは歴史小説にはいらないと思っているのだが(それが読みたければ官能小説を読めばいいじゃないかw)、津本氏のこの作品にはお色気シーンが一切ないのである。それがまた硬派でいいじゃないかw
そんなわけで、(実は津本作品に共通しているのですが)ジョン万次郎の生涯を描いたこの作品を読むと、「自分も頑張ろう」って気になりますw
「燃えたい」方はどうぞw
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吉川英治『三国志』(一)~(四)
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「大きな欲」と「小さな欲」―山岡荘八『徳川家康』第6巻
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Posted by 鷲谷 城州 at 16:50│Comments(0)
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