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2016年10月20日

スポーツへの偏った礼賛、やめませんか?

グラウンド
photo:「フリー素材屋Hoshino」さんより

皆さん、こんばんは。
今回は、以前書いた「『ブラック部活』は教員だけの問題ではない」の続きといえば続きなのですが、また「ブラック部活」問題系の記事を読んだので、それを読んで日本のいわゆる「体育会系」礼賛の空気について思ったことを書きます(参考:東洋経済オンライン「教師たちが悲鳴!部活動は改革できるか。」)。

「部活」のことについては上記記事や、下記リンクをご覧いただけばいいと思うのですが、僕が感じるのは、日本は妙に「スポーツマン」に弱いな、ということ。
(もちろん、好みの問題で「好き」なのは個人の勝手なのですが、それが非スポーツマンへの蔑みになったり、「さわやかなスポーツマン」になることの強制として現れるのはおかしい、ということです)

いや、「スポーツマン」本人はいいんです。
本人はスポーツをやりたくてやって、努力をして、つらいときがあっても言い訳もせず、極端なことを言ったらオリンピック選手なんかは尋常じゃない努力の賜物な訳ですから、出場しただけで日本の誇りですよ。

ここで言いたいのは、「部活」を初めとした学校全般の「体育」のあり方について。

そもそも、「体育」の目的ってなんですか?

以前、どなたかスポーツ科学系の学者さんの文章で読んだのですが(出典をロストしてしまってすみません)、「体育」の本来の目的って、「脳の指令通りに体を動かす訓練」なのだそうです。

ある程度小さいときから訓練しておかないと、いざというとき(事故など、俊敏な動きが必要なとき)に動けないそうで、これは納得ですよね。
あとは、成長期に体を動かすことは、成長そのものにもかかわりがあるそうですね。

しかし、明治初期の日本は今とはだいぶ違っていて、統一された「日本」という概念が民衆にはなかったそうで、そのような「日本」の概念を国民に根付かせるために「体育」のときにみんなで統一した動き(要するに「前へ倣え」とか)をすることを強調的に取り入れ、一体感を醸成していったようです。

それによって、日本国民の大部分に「私たちは日本人だ」という概念が普及したそうですが、そのあとでも「体育」は全体主義的な教育にはもってこいなものですから、「統一した動き」に重きを置く「体育」が行われたそうです。

そのときから「体育」の授業に「精神教育」が混入し、「健全な体には健全な魂が宿る」という訳のわからない信仰が起こり、現在も続いているようです。
(病気の人には非常に失礼な表現ですね)

日本は、戦後になって散々戦前の「全体主義」や「軍国主義」を批判したのに、肝心の全体主義の温床になった「『体育』に『精神教育』を求める」、という発想は残された、というか、むしろ礼賛され続けたようです。

確かに身体的に「『根性』で頑張って、何とか達成できた」とか「理不尽に耐える」という経験は社会に出てからも大いに役に立つので必要だとは思いますが、その礼賛が行き過ぎている気がするのです。

その象徴的な現象が、今の「ブラック部活問題」なのだと思います。
(「部活」に残る全体主義については運動部だけでなく、一部の吹奏楽部などの文化部などにも残っているといいます)

この「ブラック部活熱」で、「体育会」への行き過ぎた攻撃をするのもまたいけませんが、「『体育』で『精神教育』ができる」という夢想はなくなっていくといいですね。
(精神教育に関しては、価値観が多様化した今、教師本人が「それなりのものだ」と思っている自分の生き方や哲学が果たしてその子供に当てはまるのか不明ですから、「語って聞かせる」のはとてもいいことだと思いますが、「規範として『教える』」というのは何か違うと思います。もっと勉強と研究が必要なのでしょうね)


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参考
過激そうなブログ名ですが、客観的なご意見だと感じました。
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所
猫のひとりごと
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Posted by 鷲谷 城州 at 22:03│Comments(0)ネット
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