さぽろぐ

映画・TV・音楽  |その他の都道府県・海外

ログインヘルプ


2016年10月20日

スポーツへの偏った礼賛、やめませんか?

グラウンド
photo:「フリー素材屋Hoshino」さんより
《令和6年5月20日更新》

皆さん、こんばんは。
今回は、以前書いた「『ブラック部活』は教員だけの問題ではない」の続きといえば続きなのですが、また「ブラック部活」問題系の記事を読んだので、それを読んで日本のいわゆる「体育会系」礼賛の空気について思ったことを書きます(参考:東洋経済オンライン「教師たちが悲鳴!部活動は改革できるか。」)。


上記記事を読みたい方は、下記リンクをタップしてください:
『ブラック部活』は教員だけの問題ではない

教育関連の他の記事:
「字が汚い人ほど頭がいい」とか言ってる人の頭が悪い

同関連記事:
「日本の労働者意識の変化」について


「部活」のことについては上記記事や、下記リンクをご覧いただけばいいと思うのですが、僕が感じるのは、日本は妙に「スポーツマン」に弱いな、ということ。
(もちろん、好みの問題で「好き」なのは個人の勝手なのですが、それが非スポーツマンへの蔑みになったり、「さわやかなスポーツマン」になることの強制として現れるのはおかしい、ということです)

いや、「スポーツマン」本人はいいんです。
本人はスポーツをやりたくてやって、努力をして、つらいときがあっても言い訳もせず、極端なことを言ったらオリンピック選手なんかは尋常じゃない努力の賜物な訳ですから、出場しただけで日本の誇りですよ。

ここで言いたいのは、「部活」を初めとした学校全般の「体育」のあり方について。

そもそも、「体育」の目的ってなんですか?


以前、どなたかスポーツ科学系の学者さんの文章で読んだのですが(出典をロストしてしまってすみません)、「体育」の本来の目的って、「脳の指令通りに体を動かす訓練」なのだそうです。

ある程度小さいときから訓練しておかないと、いざというとき(事故など、俊敏な動きが必要なとき)に動けないそうで、これは納得ですよね。
あとは、成長期に体を動かすことは、成長そのものにもかかわりがあるそうですね。

しかし、明治初期の日本は今とはだいぶ違っていて、統一された「日本」という概念が民衆にはなかったそうで、そのような「日本」の概念を国民に根付かせるために「体育」のときにみんなで統一した動き(要するに「前へ倣え」とか)をすることを強調的に取り入れ、一体感を醸成していったようです。

それによって、日本国民の大部分に「私たちは日本人だ」という概念が普及したそうですが、そのあとでも「体育」は全体主義的な教育にはもってこいなものですから、「統一した動き」に重きを置く「体育」が行われたそうです。

そのときから「体育」の授業に「精神教育」が混入し、「健全な体には健全な魂が宿る」という訳のわからない信仰が起こり、現在も続いているようです。
(病気の人には非常に失礼な表現ですね)

日本は、戦後になって散々戦前の「全体主義」や「軍国主義」を批判したのに、肝心の全体主義の温床になった「『体育』に『精神教育』を求める」、という発想は残された、というか、むしろ礼賛され続けたようです。

確かに身体的に「『根性』で頑張って、何とか達成できた」とか「理不尽に耐える」という経験は社会に出てからも大いに役に立つので必要だとは思いますが、その礼賛が行き過ぎている気がするのです。

その象徴的な現象が、今の「ブラック部活問題」なのだと思います。
(「部活」に残る全体主義については運動部だけでなく、一部の吹奏楽部などの文化部などにも残っているといいます)

この「ブラック部活熱」で、「体育会」への行き過ぎた攻撃をするのもまたいけませんが、「『体育』で『精神教育』ができる」という夢想はなくなっていくといいですね。
(精神教育に関しては、価値観が多様化した今、教師本人が「それなりのものだ」と思っている自分の生き方や哲学が果たしてその子供に当てはまるのか不明ですから、「語って聞かせる」のはとてもいいことだと思いますが、「規範として『教える』」というのは何か違うと思います。もっと勉強と研究が必要なのでしょうね)

参考
過激そうなブログ名ですが、客観的なご意見だと感じました。
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所
猫のひとりごと
とよティーの喫茶室


☆「この人の書いてること、ちょっと面白いかも」と思った方はぜひメルマガ登録してみてください!

歴史を学んで、知識をつけるだけではなく「歴史を活かして自分の生きたい人生を歩む」というテーマで、ブログでは語れない話などを書いています。

↓こちらの画像をタップしてください↓
歴史愛通信

また、メルマガに登録してメルマガに記載されているメールアドレス宛にリクエストを送っていただければ、順次お応えします。


・○○(武将、合戦等)について語ってほしい
・大河ドラマ(『軍師官兵衛』以降)について語ってほしい
・今、○○について悩んでいるが、どの武将を参考にしたらいいか

…等々

ブログと違ってほぼリアルタイム配信なので、会話をしているかのようなコミュニケーションが楽しめます!

登録、お待ちしています!

※メルマガが迷惑メールフォルダや「プロモーション」フォルダに入っている可能性があります。
不定期配信なので、ちょこちょこチェックして、迷惑メールフォルダ等に入らないように設定しておいてください。



threadsX(旧twitter)facebookでのフォロー、お待ちしてます!

/
記事を読んでいただき、ありがとうございました!他の記事もぜひご覧下さい。
次回は『真田丸』第31回について。

//
今期イチオシ曲!ぜひ聞いてください!
I Feel Glad (BGM Ver.) / Joshu Washiya

※筆者が中学生の時に作詞・高校生の時に作曲した曲を平成22年に自作RPGのBGM用に再アレンジしたものです。







あなたにおススメの記事


follow us in feedly
同じカテゴリー(ネット)の記事画像
三日坊主を抜け出すには―自分をシステム化する方法
「いらない発明」に癒されよう!
音読みと訓読みの区別―言語センスを鍛える
夏目漱石『こころ』におけるKの寿命問題
個性の確立は強大な自己矛盾を生み出す行為である
転職活動のコツはこれ!―面接をくぐりぬける3つのポイント―
同じカテゴリー(ネット)の記事
 三日坊主を抜け出すには―自分をシステム化する方法 (2020-08-16 20:00)
 「いらない発明」に癒されよう! (2020-04-26 21:00)
 音読みと訓読みの区別―言語センスを鍛える (2020-04-10 21:00)
 夏目漱石『こころ』におけるKの寿命問題 (2020-03-25 21:00)
 個性の確立は強大な自己矛盾を生み出す行為である (2020-03-09 21:00)
 転職活動のコツはこれ!―面接をくぐりぬける3つのポイント― (2020-02-22 22:00)

Posted by 鷲谷 城州 at 22:03│Comments(0)ネット
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。