2009年12月10日
夏目漱石『文学評論』

皆さん、こんばんは。
今回は夏目漱石が自分の講義原稿から書き起こした作品『文学評論』についてです。
もともと僕は、「文学」自体に興味があるわけではなく(ていうか、むしろ興味がない)、単に夏目漱石のファンであり、彼の小説作品を読みつくしてしまったために、このような非小説の作品にたどり着いたというわけです。
なので、読むのがとてもつらかった(笑
(僕が読んだのは講談社学術文庫版だが、巻末の解説も含めると645ページあるw 興味のある分野だとそれくらいなんのそのだが、興味のない分野だったので、なかなか進まなかった)
しかも、僕はたいてい本は電車の中で読むのだが、ここ一年くらいは疲れ切って電車に乗ることが多くて、車内で寝るのが習慣化してしまって、しばらく本が読めなかった。
(あと、電車に乗る時間自体が少なくなった時期もあった)
しかし、最近になって「これじゃ、いかん」と思い、再び電車内で本を読むようになりました。
実は、この本を読了するのに年単位の時間が経過しています(笑
夏目漱石の名前の登場する記事:
苦難の時代の幕開け―山岡荘八『徳川家康』第5巻
同関連記事:
ビジネスに活かす戦国合戦術⑫三方ヶ原の合戦
夏目漱石関連の記事:
夏目漱石『こころ』におけるKの寿命問題
↓こちらの書籍について書いています。
文学評論 (講談社学術文庫)
で、内容は、18世紀の英文学に対する評論です。
まず、18世紀のイギリスの社会事情も含めた総評があり、その後当時の代表的な作家であるアディソン、スティール、ジョナサン・スウィフト、アレキサンダー・ポープ、ダニエル・デフォーらの作品についてあれこれ解説をしています。
最初に興味をもったのは、冒頭の「評論とはなんたるか」について書いてある部分。
ただ「面白かった」、「つまらなかった」等では世間話で感想を述べているのと同じで、「評論」のレベルに達していない、というようなことが書かれていましたが、身にしみました(笑
スウィフトの項もかなり面白かった。
夏目漱石の厭世的な感じはスウィフトの影響かな?
今の日本では、政治も含めた社会状況がちょっとおかしいので(昔もそれなりにおかしかったとは思うが、最近はニュースを見ていて、いったい誰が得をするのか、と思うことがよくある)、厭世文学が出てきてもおかしくないと思う。
(夏目漱石は逆に、スウィフトの時代は厭世文学が出るような社会不安の時代ではなく、スウィフトが風刺や厭世文学に走ったのは社会状況とは関係がない、としている)
で、最後のダニエル・デフォーの部分ですが、ここの部分に前回『オリバー・ツイスト』の記事で書いた「ピカレスク小説」についての話が出てきます。
『オリバー・ツイスト』を見た時期と、この『文学評論』を読んだ時期がかぶったのはまったくの偶然で、まさか本で読んだことの一例を映画で見るとは思わなかった。
でも、思い返してみると英文学(欧文学といった方がいいかもしれない)において「ピカレスク小説」の影響は大きいようで、映画の原作自体にピカレスク小説系の作品が多いのかもしれない。
『オリバー・ツイスト』のほかにも、いくつか思い当たる映画がある。
だけどなんだかんだ言って、この本が取り上げている作家の中で、今でも一般にまで名前が通っているのはスウィフトとデフォーの二人だし(作家名だとわかりにくいかもしれないが、『ガリバー旅行記』と『ロビンソン・クルーソー』といえば、ほとんどの人は題名くらいは知っていると思う)、そういう意味では散々漱石に批判されているデフォーの作品も、それなりの面白さがあるのだと思う。
(漱石自身も似たようなことを言っているが※1)
そして、前回の記事で書いた、「文学とは」ということに関してですが(「作品にひとつの一貫した大きな事件があり、その中に小さな事件が、必然を核として、偶然を少量のスパイスとしながら、流れていく」ということ)、漱石自身がその考えをはっきり実行できた長編は『吾輩は猫である』と『坊っちゃん』の二作のみではないかな、と思います。
(漱石作品の入門編として名高いこの二作。イメージとしては中学生くらいが読むもの、というイメージがある気もしますが、やはり中学生くらいの人生経験では、この二作の面白さを存分に味わうことはできないと思う)
あまりにタイトルが有名なので僕も読むのは避けていて、ちゃんと読んだのはここ数年の間ですが、他の長編に比べてストーリーがはっきりしている。
個人的な感想としては、『明暗』や『草枕』、『こころ』、『虞美人草』も好きなのですが、漱石自身の言っている文学としての完成度で言えば、『吾輩は猫である』と『坊っちゃん』の右に出る作品はないと思います。
なので、夏目漱石をちゃんと読んだことのない人には、入門編であるこの二作を恥ずかしがらずに読むことをお勧めします(笑
というわけで、読むのはすごく苦しかったのですが、大変勉強になりましたw
/
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まず、18世紀のイギリスの社会事情も含めた総評があり、その後当時の代表的な作家であるアディソン、スティール、ジョナサン・スウィフト、アレキサンダー・ポープ、ダニエル・デフォーらの作品についてあれこれ解説をしています。
最初に興味をもったのは、冒頭の「評論とはなんたるか」について書いてある部分。
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スウィフトの項もかなり面白かった。
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『オリバー・ツイスト』のほかにも、いくつか思い当たる映画がある。
だけどなんだかんだ言って、この本が取り上げている作家の中で、今でも一般にまで名前が通っているのはスウィフトとデフォーの二人だし(作家名だとわかりにくいかもしれないが、『ガリバー旅行記』と『ロビンソン・クルーソー』といえば、ほとんどの人は題名くらいは知っていると思う)、そういう意味では散々漱石に批判されているデフォーの作品も、それなりの面白さがあるのだと思う。
(漱石自身も似たようなことを言っているが※1)
そして、前回の記事で書いた、「文学とは」ということに関してですが(「作品にひとつの一貫した大きな事件があり、その中に小さな事件が、必然を核として、偶然を少量のスパイスとしながら、流れていく」ということ)、漱石自身がその考えをはっきり実行できた長編は『吾輩は猫である』と『坊っちゃん』の二作のみではないかな、と思います。
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あまりにタイトルが有名なので僕も読むのは避けていて、ちゃんと読んだのはここ数年の間ですが、他の長編に比べてストーリーがはっきりしている。
個人的な感想としては、『明暗』や『草枕』、『こころ』、『虞美人草』も好きなのですが、漱石自身の言っている文学としての完成度で言えば、『吾輩は猫である』と『坊っちゃん』の右に出る作品はないと思います。
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というわけで、読むのはすごく苦しかったのですが、大変勉強になりましたw
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苦難の時代の幕開け―山岡荘八『徳川家康』第5巻
山岡荘八『徳川家康』第4巻―徳川家康の生涯を貫く思想
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Posted by 鷲谷 城州 at 23:17│Comments(1)
│本
この記事へのコメント
※1
巻末の櫻庭信之氏の解説では、『猫』の冒頭はデフォーのパロディである、と書かれているが、僕もそうだと思う。
パロディをするくらいだから、案外漱石自身もデフォー作品が好きだったのかもしれない(ある意味で、だけど)。
巻末の櫻庭信之氏の解説では、『猫』の冒頭はデフォーのパロディである、と書かれているが、僕もそうだと思う。
パロディをするくらいだから、案外漱石自身もデフォー作品が好きだったのかもしれない(ある意味で、だけど)。
Posted by 長十郎 at 2009年12月10日 23:31
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