2017年04月02日
記事「『稀に見るケチ』徳川家康が天下を取れたワケ」がひどい(2)

皆さんこんばんは。
今回は東洋経済ON LINEの記事「『稀に見るケチ』徳川家康(とくがわ いえやす)が天下を取れたワケ」へのクレームその2です 笑
その1の記事を読みたい方は、記事リンクをタップしてください:
記事「『稀に見るケチ』徳川家康が天下を取れたワケ」がひどい(1)
家康が登場する他の記事:
『真田丸』第38回―真田昌幸の晩年の寂しさ
同関連記事:
『真田丸』第37回―一瞬の関ヶ原
前回は「徳川家康があまり歴史作品の題材として使われない」ですとか「家康は火事場泥棒的な戦が多い」とかいうとんちんかんな指摘にクレームを入れましたが、今回は…
本能寺(ほんのうじ)の変後の家康の動きについて
>織田(おだ)軍現地司令官の滝川一益(たきがわ かずます)などは命からがら近畿に逃げ延びた。
それに乗じる形で、家康も甲斐(かい)、信濃(しなの)に侵攻するのである。
まず、本能寺の変で堺(さかい)見物をしていた家康一行も命からがら本拠地である三河(みかわ)に辿り着いている点をスルーしすぎですね。
堺で同行していた穴山梅雪(あなやま ばいせつ)は摂津(せっつ)で野盗(やとう)に襲撃されて殺されているような状況で、家康一行はギリギリの状態で三河に到着しています。
家康は楽をして甲斐信濃を手に入れた、と印象づけたいのが見え見え。
それに、家康が明智光秀(あけち みつひで)討伐に参加しなかった理由は、羽柴秀吉(はしば ひでよし)に機先を制された上で畿内(きない)に進出すれば、強大な羽柴軍や柴田(しばた)軍などの織田旧臣(おだ・きゅうしん)と衝突することになり、そうなれば東の北条(ほうじょう)・上杉(うえすぎ)がじっとしているはずはなく、織田旧領の甲斐信濃だけでなく、家康領の駿河(するが)に侵攻してくることが読めたからで、そうなれば一度まとまりかけた戦乱が再燃しかねないからだといわれています。
それに対して、羽柴軍は織田旧臣をまとめるのに手間取るはずで、明智討伐後に放っておいてもすぐに徳川領に侵入してくる可能性は低かったでしょう。
北条・上杉がもし甲斐信濃を手に入れれば強大な力を手にすることになり、家康も圧迫されることになるので、生き残るためには自分が大きくなる選択をするのは当然のことでしょう。。
さらに、今回も簡単に北条・上杉を制して甲斐信濃を手に入れたみたいに書いてありますが、このときも結構激しい戦いをしているようです(天正壬午(てんしょう・じんご)の乱)。
家康がズルをして、楽をして甲斐信濃を手に入れた、と印象づけたいのでしょうね。
また、記事には同盟者だったはずの信長の旧領を、信長が死んだ途端に掠め取ったというように書いてありますが、徳川家康は織田信長(のぶなが)の天下統一、つまり戦乱を終わらせるという考え方に賛同していたようで、甲斐信濃を放っておけば北条・上杉の手に渡り、織田家の独り勝ちに近い状態から再び群雄割拠になって天下がまとまりづらくなると判断した可能性もあります。
(それに、羽柴秀吉も形としては旧織田領を乗っ取っています。家康が不義理なのだとすれば、不義理な男は他にもいましたね 笑)
記事としては家康の省エネ作戦を褒めているのかもしれませんが、言葉の使い方からして家康を軽蔑したような記事としか思えず、しかも主観的な解釈によって家康を貶めているひどい記事です。
(結局、家康が何を考えていたかは解釈の問題で客観的な証拠なんてないのですが、主観的な記事には主観的な批判で対抗します 笑)
まだまだ突っ込みどころがある最低な記事なので、その3まで書きます 笑
※写真はイメージです。
参考
今回というよりも前回の内容に近いですが、徳川家康の今川家に対する思い
関ヶ原ブログ
国立公文書館での徳川家康展について
かとりぶたを側に置き
徳川家康の遺産について
万屋満載
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記事を読んでいただき、ありがとうございました!他の記事もぜひご覧下さい。
次回は『真田丸』第40回について。
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Posted by 鷲谷 城州 at 21:00│Comments(0)
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