各合戦の動員人数について(15)上原城の合戦
前回の「瀬沢(せざわ)の合戦」(実在が疑われていますが)で勢いを得た武田晴信勢がそのまま現在の茅野(ちの)市になだれ込み、当時諏訪(すわ)の領主だった諏訪頼重の拠る上原城を攻め落とした戦いです。
武田晴信の登場する記事を読みたい方は、下記リンクをタップしてください:
苦難の時代の幕開け―山岡荘八『徳川家康』第5巻
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「瀬沢の戦い」が実在したのならば、もともと同盟関係だった諏訪氏と武田(たけだ)氏の関係に先に楔(くさび)を入れたのは諏訪頼重ということになり、この「上原城」の戦いはそれに対する報復と受け取ることができますが、もし「瀬沢の戦い」がなかったとしたら、名目として諏訪氏と高遠(たかとお)氏の同族争いに介入し、諏訪氏に味方すると見せかけた晴信が、突然進路を変えて味方であるはずの諏訪氏上原城を攻め落としたことになり、悪逆非道をしたことになります(戦国時代では一族同士や同盟勢力への裏切りなんか日常茶飯事ですがね)。
そのため、晴信側としては大戦果を挙げ、その後の武田氏の信濃(しなの)攻略の足がかりとなる上原城攻略ですが、(「瀬沢の戦い」なかった前提だと)諏訪氏側から見ると倫理無視で理不尽極まりない、武田氏のことしかまったく考えていないきわめて自己中心的で凶悪な戦いだったということになります。
※余談ですが、歴史ってこんな風に、ある事実があったかなかったか、どの立場に立つかによって同じ出来事の見え方がまったく変わってくるものなんです。
(そもそも「歴史」を語る上で「いい」とか「悪い」とか言うこと自体が無意味ですが。「歴史」は倫理を問う学問ではなく、何が起こったかという「事実」とそれを起こした「意図」、その出来事が同時代の人々やのちの人々へ与えた「影響」などを追究する学問ですからね)
で、肝心の動員人数ですが、まったく数字が出てきません。
ということなので、結局石高(こくだか)等で推理することになりますが、まずは武田軍は前回の「瀬沢の戦い」からなだれ込んでいるので約4,500人としましょう。
(何人か討ち死にしているはずではありますが、わかりません)
(参考:大国・上国・中国・下国一覧、大名が動員できる人数は?)
諏訪軍については前回の信濃の「3分の2」を小笠原(おがさわら)・諏訪・木曽(きそ)・村上(むらかみ)で4等分したと考えると2,350人となります。
ですから、
・武田晴信軍:約4,500人(22万7,616石相当)
・諏訪頼重軍:約2,350人(10万2,090石相当)
ということで、城攻めの鉄則としては守勢の3倍以上の人数が必要、ということを考えると武田勢は少ないくらいです。
倍に満たないこの戦力差で上原城ほどの山城(やまじろ)を軽く落としたとなると、武田晴信の城攻めのうまさが際立つ数字となりました。
(どこまで本当かわかりませんが)
数字だけ見るとなかなかわかりませんが、城攻めの「3倍」のセオリーを踏まえて考えると武田勢の城攻めのうまさがわかってしまうというのは面白いですね。
根拠が弱いので妄想みたいなものですがね 笑
というわけで上原城の戦いでした。
上記写真は僕が実際に上原城に登ったときの写真です。
関連記事(諏訪氏の名跡を継いだ武田四郎勝頼について)①:
天目山の戦いから学ぶ―撤退のベスト・タイミングとは
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今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・武田 大膳大夫〔通称は太郎〕 源 朝臣 晴信〔入道信玄〕
たけだ だいぜんのだいぶ〔通称はたろう〕 みなもと の あそん はるのぶ〔入道しんげん〕
・諏訪 刑部大輔〔通称不明〕 神〔源? 平?〕 朝臣 頼重
すわ ぎょうぶのたゆう〔通称不明〕 みわ〔みなもと?、たいら?〕 の あそん よりしげ
参考
こにるのお城訪問記
ちょっと山城に
武蔵の五遁、あっちへこっちへ
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