漱石の美文に挑む!難解すぎる初期短編集と「趣味の遺伝」に見た意外な一面-『倫敦塔・幻影の盾』

鷲谷 城州

2007年03月28日 17:43


waldiwklによるPixabayからの画像
《令和6年10月28日更新》

夏目漱石の作家活動初期の短編集。
収められている作品は「倫敦塔」、「カーライル博物館」、「幻影(まぼろし)の盾」、「琴のそら音」、「一夜」、「薤露行(かいろこう)」、「趣味の遺伝」。


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倫敦塔・幻影の盾 (新潮文庫)

はっきり言って、文体が難しくてほとんど理解できませんでした(笑
しかし、漱石特有の美文を駆使しているのは伝わったし、難しい漢字を平仮名に直したような「現代語版」みたいなものもありそうなものだが、それでは漱石の美文の魅力がなくなってしまう。なので、難しい漢字を使ったバージョンで一生懸命読みました。
(漱石のほかの作品はほとんど読んでいるので、彼特有(彼の時代特有?)の難しい文体には慣れているはずだったのですが、それでもこの短編集は難しかったです;)

で、唯一理解できて、且つ面白いと思えたのがラストを飾る「趣味の遺伝」。
エッセイ的な小説で、日露戦争で戦死した友人の墓参りに向かったところ、友人の墓を参る謎の若い女性に出会い、彼女と友人との関係を探る、というきわめて下品なお話(笑

この話が漱石の実体験に基づくものかどうかは分からないが、こんな「ワイドショーのおかず」的なネタを披露するという、漱石の小市民的な一面が垣間見えて面白かったです(笑

そのほかの作品はまだ修行が足りなかったようなので、数年後に出直して、読み直して見ます;
漱石ファンとしては非常に悔しいので!><


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