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2020年01月05日

神主は「名字」ではない「氏」の存在を認識すべき

明治神宮
《令和6年8月30日更新》

皆さんこんばんは。
今回は記事「初詣「二礼二拍手一礼」が古い伝統という勘違い」を読んで感じたこと、というよりも、これにちなんで普段感じていることを書き連ねたいと思います。

記事内容とは「神社」という意味でしか共通していませんし、「神社」的内容もそんなに濃くないのですが一応記事概要です。

巷では神社のお参りをするときには「二礼二拍手一礼」がさも昔から行われていたように言われているが、実はそうでもない。
昭和のころはその儀礼はあまり広まっておらず、神道の儀式の途中部分を切り取って行っているもの。
他にも伝統的と思われているがそうでもない文化はある。


というような内容です。
(いつも通り、詳しくは上記記事そのものをご覧ください)

うちは八幡神社と関係の深い家柄なのですが、言われてみれば小学生のときは上記記事のように二拍手一礼しかしてなかったような気がするな、と思いました。

ですが、今回はその話ではなく…


【ネット記事関連のこれまでの記事】
・階級社会・頭のいい動物
・「保育園落ちた」が政治利用されてがっかり・「若い」ってそんなにいいものか?
・「怒り」のコントロール(アンガーマネジメント)・学力テストの対策授業に物申す!
・未来人の原田さん・英語の歴史の謎
・郷土愛・「勇者の剣」、買えます!



二礼二拍手一礼のあとに…


二礼二拍手の後に何をするかはご存じですか?

願い事をする?



いいえ。

「祓え給え清め給え…」と祝詞(のりと。その神社によって唱える祝詞は違います)を唱えて、住んでいる地域と名前を名乗って決意表明をするんです。

住んでいる地域なんかは神社でお祓いを頼むと「住所」という形で号とか部屋番号まで律儀に書かされますけど、そこまで詳しいのはいりませんよ。

神様に「東京都〇〇区△△5-5-5 □□ハイツ405号室の田中一郎です」って言っても誰やねん、という感じだと思います笑

これは僕の解釈ですが、別に住所を番地や号数まできちんと唱える(暗唱含む)必要はなくて、「東京都〇〇区△△」のレベルまでで十分ですって。

昔は住居番号なんてなかったんですから。
※令和6年8月30日注:上記はあくまで個人的見解です。

ですが、今回言及したいのは住所ではなく名前の方です。

武家や公家の正式名


僕はことあるごとに言っているんですが、もともと日本の武家や公家の名前は「名字」+「下の名前」の2パート構成ではありません
※詳しくは記事「武家や公家の名前について」をご参照ください。

武家や公家の名前は

1.名字
2.通称(仮名(けみょう)、字(あざな)ともいう)or官職名
3.氏
4.姓(かばね。官位をもっている場合名乗れる。位階によって入れ込む場所が変動)
5.諱(いみな。忌み名、実名(じつみょう)、真名(まな)ともいう)


の5パートで構成されています。
現代人の名字はそのまんま1の「名字」の部分を使っている場合が多いんです。
(下の名前は2の「通称」や「官職名」、5の「諱」の形式のパターンやそれらにとらわれないキラキラネームなど多数笑)

ですが、武家や公家の正式名というのは3の「氏」と5の「諱」なんですよ。
織田信長の「氏」は「平(たいら)」ですから正式名は「織田信長」ではなく「平信長」。
同様に徳川家康の正式名は「源家康」。

日本の法律行為を行うときは戸籍名を使わないとだめですけど、戸籍名は必ずしもその人の正式名、つまり「本名」とは限らないんですよ。

ちなみに僕は紀廣孝というのが正式名称ですが、戸籍名は違います。

なぜ神主が違いを知るべきなのか?


ではなぜ神主が上記知識を知っておくべきなのか。
それは、公家や武家の人はお祓いや祈祷のときに(本来は)戸籍名ではなく上記「氏」と「諱」を表記するからです。

普段呼ばれている名字ではなくて古代氏族名(つまり「氏」)で記載するのが正式なんです。

だから我が家はいつもお祓い・祈祷のときは「紀」で祝詞を書いてもらうんですが、呼び出しのときは普段呼ばれている戸籍名、つまり「名字」で呼んでもらいます。

その時にいちいち怪訝な顔をしたり首を傾げたりするのやめましょうよ?
神主なのに、古代氏族の教養がないっておかしいですから。勉強しなさすぎですから。1500年続く伝統的な正式名ですから。


説明するにしても神主には直接説明させてもらえないし、受付の巫女さんとかアルバイトの人に説明したって基礎知識がないから全く通じないし。

ほんっと勉強してほしい。仏教と違って神道には修行とか戒律とかないからたるんでるのではないかと思ってしまいます。

「氏」が分からない人は?


では、「氏」が分からない人はどうすればいいのか?

そもそも、「氏」が分からないという状態には2パターンあって、
①もともとあったのだが、昭和末期以降の血統軽視・歴史教育軽視の風潮でうまく伝えられていない
②もともと武家や公家の家柄ではないので「氏」が存在しない

といった感じです。

①に関してはわざわざ「昭和末期以降」と書きましたが、戦後まもなくくらいまでは「うちは源氏だ」「うちは平氏だ」という言い合いをしていたという話がありまして、「氏」が存在することは割とメジャーだったようです。

江戸時代生まれの人も生き残っていた時代なので上記の5つの名前をきちんともっていた人も少なからずいたようですし。
(現代でも武家や公家の人たちの中で風習として残っている家もある)

しかしだんだん「戦前の悪しき風習」みたいにカテゴライズされてしまったんですかね?
自分の家が「源氏」だとか「平氏」だとかを家庭で語らなくなってしまったようです。
もったいない!

とりあえず、今は名字の由来をインターネットで簡単に調べられますので「うちは武士だ」とか言われている人は「〇〇氏 由来」で検索してみれば、メジャーどころであればルーツが出てきます。

わからなかったら僕に聞いてください。調べますから笑

戸籍名の下の名前が「諱」形式ではない人(詳しくは「武家や公家の名前について」)はご先祖様の名前をいただくなどして作っちゃいましょう!

で、②のパターンに関しては今まで通り戸籍名を名乗ればいいと思います。
江戸時代はお百姓さんたちのお伊勢参りが盛んでしたが、おそらく彼らは「〇〇村の茂兵衛です」というような名乗りをしていたと思います。

というわけで、お祓いなどのときに「氏」と「諱」をすんなりと名乗れないのでひどく気分の悪い思いをしています。
神主さんにはその点をぜひ勉強していただきたい!
今回は以上です!


ネット関連の次回の記事を読みたい方は、下記リンクをタップしてください:
コンビニのトイレは救いの神である


※画像はイメージです。

○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・織田 上総介〔右近衛大将、右大臣。通称は三郎〕 平〔藤原、忌部〕 朝臣 信長
おだ かずさのすけ〔うこんえのだいしょう、うだいじん。通称はさぶろう〕 たいら〔ふじわら、いんべ〕 の あそん のぶなが
・徳川 内大臣〔通称は次郎三郎〕 源 朝臣 家康
とくがわ ないだいじん〔通称はじろうさぶろう〕 みなもと の あそん いえやす
☆武家の「通称」の普及を切に願います!

参考
氏と名字の違いについて
先祖調査・ファミリーヒストリー


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記事を読んでいただき、ありがとうございました!他の記事もぜひご覧下さい。
次回は『いだてん』第45~46回について。

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Posted by 鷲谷 城州 at 22:00│Comments(0)ネット
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